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定例会見 2020年(令和2年)2月14日

最終更新日:2020年2月14日

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市長会見の模様をお届けします。

《冒頭コメント》 新型コロナウイルスへの対応【0分0秒~】

1.令和2年度予算案について【1分29秒~】

≪質疑応答:項目≫ 【46分01秒~】

≪その他の質疑応答≫ 【1時間23分31秒~】

冒頭コメント

新型コロナウイルスへの対応

久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 令和2年度の神戸市当初予算がまとまりましたので、ご説明をさせていただきます。

その前に、新型コロナウィルスへの対応につきまして、一言だけ触れたいと思います。

 きょうも広く報道されておりますように、日本国内でも感染経路が不明の感染者が各地で発見をされています。新型コロナウィルスへの対応は、新たなステージに入ったというふうに考えられます。

神戸市内でもですね、感染者が出てもおかしくない状況になっているということで、神戸市役所としての対応は、我々は各部局が連携をとりながら万全の体制をとっているわけですけれども、改めてこのように状況が変化をしてきているということを踏まえまして、きょうの午後5時から第2回目の情報連絡会を開催したいというふうに思っております。

 この間の情報の変化を踏まえながら、神戸市としての今後の対応方針を確認したいと考えております。

発表項目

令和2年度予算案について

久元市長: 

 それでは、予算の説明に移らせていただきます。

 令和2年度予算の基本的な考え方はですね、神戸を見違えるような街にしていきたいということです。今年は震災から25年ですが、震災がなければやらなければいけなかったこと、震災がなければできたことがたくさんありまして、それらが残念ながら先送りにされてきた。かなりいろいろなことを急ピッチで進めてきましたけれども、先送りされてきたという面は否めません。震災から25年のこの令和2年度、遅れを取り戻して、神戸を見違えるような街にしていきたいと考えています。

 我々を取り巻く状況は、やはりこの人口減少ですね。東京一極集中がますます進んできている中で、日本を代表する大都市の1つである神戸市としても、この東京一極集中に立ち向かう、神戸自身がこの人口減少をできるだけ食いとめていく。そして、少子超高齢化社会にふさわしいまちづくりをしていくということ。そのためにですね、令和の時代に間違いなく進んでいくテクノロジーの進化、これを取り入れながら、街のリノベーションを図っていくということだと思います。

 同時に、人間がテクノロジーに支配をされるのではなくて、テクノロジーの進化が市民の幸せにつながるような、人にやさしい人間サイズのまちづくりをしていく。そして、目先の利益を追求するのではなくて、持続可能な神戸市の地域社会をつくり上げていく。そのために、不断の行財政改革をしていくということも大変大事だというふうに考えております。

 令和2年度予算はですね、1つはまちづくりですね。見違えるようなまちづくりのための施策。2番目が経済、神戸経済を活性化していくという視点の施策。それから、切れ目のない子育て支援という観点の施策。それから、高齢者の社会参加の促進、健康、あらゆる人々が安心して暮らすことができるように、そして、その中には神戸にお住まいの外国人の支援という観点も入れた、人にやさしいまちづくりという視点。5番目が市役所改革です。

 そしてですね、そのための予算のボリュームですけれども、一般会計が8,387億円、特別会計が6,708億円、企業会計が3,497億円、合計で1兆8,592億円。一般会計と全会計の合計の伸び率は、ともに3.3%の増ということになっています。

 この当初予算は、2つに分けて説明をさせていただきたいと思います。

 1つのカテゴリーは、人口減少を食い止めるためのリノベーション・神戸(第3弾)をこの当初予算の中に盛り込んだということです。2番目は、それ以外の主な新規拡充事業につきまして、説明を申し上げたいと思います。

 第1のカテゴリーですけれども、神戸で住み、神戸で学び、神戸で働き、神戸で子育てをし、そして、外国人も含めて暮らしやすい街をつくっていくということです。

 1つのカテゴリーは、住みたい街に神戸をしていくということですね。人口減少時代ですから、駅前を中心として人口の定住を図っていく。さまざまな機能の集積を図っていくということが重要です。

 これまでですね、第1弾として谷上駅前などの整備を発表いたしまして、第2弾として西神中央、名谷、垂水を発表いたしました。第3弾では、拠点駅である新神戸、神戸駅、新長田駅、兵庫駅、それに加えて、伊川谷、そして、三宮の再整備。これらに力を入れる予算となっております。

 順にご説明したいと思いますが、新神戸駅。これは開業いたしましてから、そんなに街や駅周辺の姿が変わっているわけではありません。やはり神戸の玄関口として再整備をする。駅前の広場の再整備にとどまらず、駅周辺も取り込んだ形で整備を進め、2023年度の供用を目指していきたいと考えています。

 この駅前の広場とともに、新幹線から地下鉄に向かう下りエスカレーターの整備など、移動を円滑にするという取り組み。それから、生田川のほとりを通って芸術センターに向かう。これを一体的に整備いたしまして、この回遊性を高めていく。そして、夜間景観も魅力あるものにしていくということです。

 新長田駅ですが、今年、長年にわたって続けて来た新長田の再開発が終了をいたします。去年は新長田の合同庁舎、県市でこの整備をいたしました。一定のにぎわいが回復をしつつあります。間髪を入れずに、この駅前広場の再整備に取りかかっていきます。

 バスロータリーの整備によって拠点性を向上させる。新長田駅としてのこの拠点性を向上させるとともに、歩行者動線や広場機能も確保をいたします。2024年度の供用開始に向けて事業を進めます。

 神戸駅はいわば近代の神戸がスタートした原点とも言える駅で、非常に歴史のある駅でもあるわけですけれども、現状は、この駅前広場は決して芳しいものとは言えません。まずゼロベースでこの駅前広場をどうするのか、プランをつくっていきたいと。2020年度にこのプランをつくって、すぐに設計に入っていきたいと。同時に、プランができ上がるまで何もしないというものではなくて、手戻りがない形で駐輪場、かなり自転車の放置が目立ちますから、駐輪場あるいは植栽のリニューアルやライトアップなどもあわせて行っていきたいと考えています。さらに兵庫駅、それから伊川谷駅も整備をいたします。

 あと、都心の三宮は、いよいよ目に見える形で工事が動き出す年になります。新バスターミナル整備については、2020年度、2021年度に必要な手続を行い、2022年度に工事に着手し、2026年度頃に完成を目指して、第1期の整備を進めます。

 後でご説明しますけれども、そのためには今ある施設の移転、新築ということが必要になりますが、あわせて三宮再整備の大きな目的は、6つの駅が1つの駅と感じられるような、そういう形での再整備と、それから歩行者、公共交通優先の広場をつくっていくということで、三宮クロススクエアの実現に向けた設計に入っていきます。

 あわせて南側の駅前広場の再整備の設計、サンキタ通り、さんきたアモーレ広場の再整備、それから三宮の交差点、今の交通センタービルの前、歩道橋がありますが、もう1つは、その東側の、ミントの前の歩道橋(小野柄歩道橋)にエスカレーターを設置いたします。

 あわせまして本庁2号館の再整備、これもいよいよ、事業者を公募いたしまして解体に入っていきます。今の3号館につきましては既に解体工事に入っていまして、ご覧いただいているような庁舎の整備を進め、2022年度の完成を目指します。

 ウォーターフロントにつきましては、東遊園地の再整備、税関前の歩道橋のリニューアル、新港第2突堤とその周辺の開発の事業化を行います。東遊園地につきましては2022年度に一部完成をし、できるだけ早く全体の完成をしたいと。税関前の歩道橋につきましても、2022年度には完成を目指して整備を進めます。あとは連節バスの本格運行に向けた整備などを行います。

 地下鉄海岸線につきましては、沿線の未利用地を活用して定住人口、就業人口を増やしていく、この沿線の活性化をするためにファーマーズマーケットやイオンモールのプロムナードの延伸、さらにはストリートピアノも、この海岸線の駅に順次設置をしていきたいと考えています。

 全体として持続可能な交通体系の実現は大変重要です。市バスのバス路線につきましては、さまざまな要望がありますが、同時に市バスの経営は大変厳しい状況にあります。やはりきちっとした乗降客、あるいは人の動きというものを把握しなければなりません。モバイルビッグデータを活用した移動の実態を分析いたしまして、バス路線の最適配置につなげていく。そして、バス路線以外の小規模な移動手段の活用、例えば地域コミュニティー交通をつくっていくという形での安定的、持続的な運行を目指していきたいと考えています。

 まちづくり全体について、非常に重要なのは空き家・空き地対策です。これは我が国全体にとって大変重要です。神戸市も力を入れてきました。老朽空き家解体補助、戸数500戸ということで、これは全国の自治体でも最高レベルではないかと思いますが、令和2年度予算ではこれをさらに700戸に拡大をいたしまして、そして、その内容も充実をいたします。狭隘道路に面している老朽空き家あるいは共同住宅などの上限を思い切って引き上げるというふうにいたします。

 また、明らかに住むことができないような住宅は固定資産税の課税標準の特例を適用することは適当ではありませんから、そういうものについては解除をするという対策も強化をいたします。

 あわせまして、有効な空き家の活用ということで、子育て世帯が住宅取得をして新たに建て替える場合の補助、そして、建て替えるのではなくてリノベーションする場合の補助も拡充をいたします。上は新規です。さらに、子育て世代につきましては、新たにより有利な制度を適用するようにいたします。

 シェアハウスへの転用、これは企業や、あるいはNPO法人が中古住宅を取得して、外国人あるいは学生の皆さん、留学生の皆さんが入居できるようなシェアハウスとして改修する場合に、工事費の2分の1、最大50万円を補助するということにいたします。子育て世代の住みかえ助成と、賃貸住宅に借りかえた場合の助成制度も拡充をいたします。

 結婚新生活支援事業につきましても、所得要件を緩和いたしまして、より幅広い世帯が利用できるようにいたします。

 神戸に存在する歴史遺産を保全、活用していくということが大変重要です。新しく神戸歴史遺産の認定を行い、その保存活用を行うための制度を創設いたします。基金を新たに創設いたしまして、助成制度を行います。その前提といたしまして、一体どのような歴史遺産があるのかということにつきまして調査を行い、データベースの構築を行います。

 2番目のカテゴリーが、子育てしやすい街へのリノベーションです。昨年、幼児教育・保育の無償化制度がスタートをいたしました。国として手厚い制度をつくっていただいたと思っておりますが、神戸市としてこれを拡大することによって、より安心して子どもを育てられる街にしていきたいという考えでおります。国の制度の無償化の対象外となります住民税課税世帯のゼロ歳から2歳児までの保育料につきまして、所得制限を全廃いたしまして、全世帯で第2子半額、第3子以降を無償化いたします。さらに、3歳児から5歳児につきましては所得制限を全廃いたしまして、全世帯の第3子以降の副食費を無償化することとしております。

 これらの制度につきましては、これはほかの都市も予算編成中ですけれども、我々が情報を収集している限りでは、政令指定都市としては初めてになる予定です。一時保育料の減免につきましても、利用者負担を軽減いたしますし、インフルエンザの予防接種につきましては、多子世帯の助成額を倍増いたします。子育てがしやすい環境づくりということで、こべっこあそびひろば、おやこふらっとひろばなどを整備いたしますとともに、保育所に預けた場合に子どもさんのおむつを自分で持ち帰らなければいけないという状況にありますが、これを保育所で処理をするということで、保育所に対する処理費用を補助いたします。

 学童保育施設につきましても、午前8時からの開設を推進いたしますし、病児保育施設は比較的神戸市は充実をしておりますが、さらに4カ所を増設し、22カ所といたします。

 学校教育につきましては、英語の教科化に合わせまして、小学校の全ての英語授業にALT、外国人英語指導助手を配置いたします。

 それから、中学校の給食費につきましては、残念ながら喫食率が下がってきておりますので、やはり思い切った措置をとりたいということで、1つはメニューを充実いたします。今のメニューを充実すると。それから、牛乳につきましては選択制にすると。それからランチボックス(デザイン)を全部見直します。そういうように充実をさせるとともに、給食費の負担を所得制限を設けずに半額にいたします。年額約5万7,000円あるわけですが、これを約2万8,500円、月額2,600円に半額化するという措置をとります。

 保育定員につきましては、今年度の保育定員をほぼ充足させるだけの整備ができる予定ですが、さらに1,000人分拡大をいたしまして、約3万人の定員にいたします。事業者負担につきましても、軽減をするというふうにいたします。こういう形で、ずっとこの保育定員は伸びてきました。今年の4月1日には去年の(待機児童)217人を相当程度減らすことができるのではないか、完全に待機児童をゼロにできるかどうかというのは、ちょっとまだ予断を許さないところですけれども、それに近づけることができるのではないかというふうに、現時点では見込んでおります。

 あわせまして、子育て世帯の経済的負担の軽減ということで、市営駐輪場につきましては、小学生以下も半額にするなどの措置をとります。それから、ひとり親家庭につきましては、総じて所得水準が低い、経済的に厳しい状況に置かれているということがわかっています。その経済的負担を軽減する一助といたしまして、高校生の通学定期券の購入費について、全額を補助いたします。対象は、児童扶養手当の受給世帯等の要件があります。

 あと、交流の場をつくるということと、養育費を確保するための支援措置というものを充実いたします。専門相談を実施したり、養育費の不払い分を保証会社に立て替えてもらうために、神戸市としてひとり親家庭に保証料を補助するという形で、きっちりと養育費が確保できるような支援措置をとります。

 子育て世帯への支援ということにつきましては、それぞれ置かれている状況に応じて必要な措置を用意し、そしてどういうような支援措置があるのかということがきちんと子育て世代に伝わるような形での広報、発信事業にも力を入れていきたいと思います。

 女性が結婚し、妊娠をし、出産をし、そして子どもさんを育てるそれぞれのステージに応じて、切れ目のない支援をさらに手厚くしていく、そういう予算を令和2年度においては、充実させることといたしました。

 3番目のカテゴリーが、働きたい街へということです。

 市内の就業人口を増やしていかなければなりません。神戸はものづくりの街で、ものづくりの企業への支援ということは当然行っていかなければなりませんが、やはり都市型創造産業などを育成していくということを考えれば、オフィスビルの建設を促進することが必要です。このオフィスビルにつきましては、三宮近辺などですね、不足化も目立っております。そのために新たにオフィスビルを建設する場合に、固定資産税や都市計画税を(3~5年分)2分の1に軽減をする措置をとるほか、オフィス機能の集積を促進するために、市外からの移転の場合には(賃料について)最大1,000万円を補助する、IT関連企業につきましては、補助率を2分の1に引き上げるなどの措置をとります。

 優れた外国人材を獲得していくということは大変重要です。そのために、海外のスタートアップが神戸で働いて居住する場合の移住に関する費用などを措置する。そして、先般、インドに出張いたしましたけれども、ハッカソンに参加をする皆さんに対する補助も行って、優秀なインドのIT人材を確保する方向につなげていきたいと。バイブランドグジャラート2021でのプロモーションなども実施をいたします。学生の市内就職の促進のための措置は引き続き充実をいたしますし、国内外の外国人に対して、神戸での就労の情報を発信するウェブサイトも新たに作成をいたします。

 学びたい街への取り組みということで、新たに、いわば神戸版の科研費と言ってもいいかもしれませんが、そんなに大きな額ではありませんが、大学発のアーバンイノベーション神戸ということで、神戸に関連する大学、主として人文社会科学系の若手研究者を中心に、神戸の地域課題、あるいは政策課題の解決につながるような、そういう研究に対する研究費用を助成するということを新たに行います。

 神戸市外国語大学のブランドを強化するために、模擬国連活動などを推進する神戸国際教育センター、仮称ですけれども、設立の支援をいたします。中国語通訳として活躍できる人材のカリキュラムなどの整備も行います。

 外国人が暮らしやすい街にしていくということで、日本語を話すことができない外国人の方への専門日本語教師による学習プログラムを新たに提供するということと、日本語教室への支援も充実をいたします。外国人の児童、生徒に対する対応としては、こども日本語サポートひろばを新設いたしまして、転入をしてきたときの受け入れ相談も行います。また、保育施設に多言語翻訳機を導入するということもしたいと考えております。

 全区役所を多言語対応にするということで、申請書の多言語化ということで、くらし手続ガイド、申請書作成を支援する。特に、英語だけではなくてベトナム語で申請書を作成できるように設計を行います。翻訳ツールも全区支所に配置をしたいというふうに考えております。

 以上が人口減少対策としてのリノベーション、第3弾として説明をさせていただきました。

 あとは、6本の柱に沿いまして、主な新規拡充事業につきまして説明をいたします。

 まちづくりの観点からは、これは全体の姿ということになりますが、第1弾の駅周辺のリノベーション。第2弾、そして今回の第3弾。これらをスピード感を持って、一気に整備をすることで、神戸の駅前というものが、間違いなく、見違えるようなったというふうに言われるように整備を進めていきたいと考えております。

 駅前空間を一新するということで、駅前空間のクオリティーアップ、LED街灯の増設なども行いますし、6月から運賃を大幅に引き下げることになります北神急行の拠点駅である谷上のバスロータリーの改修も行います。駅周辺のリノベーションにつきましては、これまでご説明をしたとおりです。こういう形で一気に整備を進めるということです。

 駅以外のエリアのリノベーションということでは、やはりHAT神戸を再整備していかなければなりません。これもオープンをしましてからあまり手が入れられてこなかったわけですけれども、やはりHAT神戸も大きく変わったというふうになるように、新たなシンボルアートの設置やライトアップ、既存のモニュメントのライトアップや照明の更新、あるいは県立美術館ともコラボいたしまして、オープンカフェなどを設置し、にぎわいをつくっていきたいと考えております。なぎさ公園を生かしたにぎわいの創出、それから静穏な海域が目の前に広がっていますから、レガッタがここで、より多く行うことができるような乗降施設なども整備をいたします。メトロこうべの通路もリニューアルをいたします。

 もう1つは、農村地域ですね。神戸は市街地だけではなくて農村地域もかなり広がっていますから、農村地域の持続的な発展も必要です。この農村地域につきましては、農業の振興と、それから集落の活性化、両方進めていかなければなりません。農地管理の神戸方式を構築するということで、集落単位ではなくて、より大きな町単位で、担い手となる法人の設立ができないか、こういう形で進めていきたいと考えておりますのと、耕作放棄地も広がっていますので、これの活用を支援する、あるいはスマート農業の導入なども行います。新規就農者が確保できるように、そして農業生産が拡大できるように、農業経営の継承を支援する仕組み、あるいは新たな特産品の導入などを行っていきたい。

 特に、新規就農の方が農村地域で暮らしていくためには、乱開発につながらないように、建築規制を緩和していくということが重要です。これまで4回にわたりまして規制を緩和してきましたが、これも順次、さらに進めていく。特に、賃貸共同住宅を建築できるようにして、そこに新規就農者が入ることができないかということを進めていきたいと思っております。

 芸術、文化、スポーツの観点では、オリンピックへの対応、それから来年行われる神戸2021世界パラ陸上競技大会の開催準備のために、ユニバー記念競技場のバリアフリーの改修を行います。ワールドマスターズゲームズへの対応。さらに、フルートコンクールも、第10回目が来年行われるわけですが、このフルートの街・神戸を盛り上げていくために、アジア・フルートコングレス、これを誘致したいというふうに考えております。アジアからも国内からも含めて、一流のフルーティストが集まってくる、大変充実をしたコンサートですね。

 2番目の柱、経済の活性化ですが、医療産業都市につきましては、先般、神戸大学、武田学長と一緒に発表させていただきました神戸未来医療構想の推進のために必要な予算を計上しております。本庶佑先生のノーベル賞受賞を記念いたしまして、機構の研究機能の強化をはじめとする、共用設備などを備えた次世代医療開発センターも令和2年度予算で整備をいたします。

 あと、ラボビルを次々につくっておりますが、今年はクリエイティブラボ神戸を整備いたします。イノベーション創出ということに力を入れてきましたけれども、スタートアップの皆さんが神戸に集っていただくための、そういう観点からも、国連機関のUNOPSがグローバルイノベーションセンターを設置されることになりました。これを県市で整備をいたします。国連調達のゲートウェイに神戸がなることができればと考えております。ベンチャー・企業スタートアップの資金調達を支援するための県市協調ファンドも創設をいたします。

 スマートシティを推進するためにですね、やはり、最先端のテクノロジーを活用した高度なサービスを可能にするためには、データ連携基盤の構築が大変重要で、この調査、検討に入っていきます。

 六甲山上につきましては、単に観光地だけではなくて、六甲山上にスタートアップやベンチャーの皆さんがオフィスや工房、研究所などを構える。そこで、没入空間というふうに仮に名づけましたけれども、山上でじっくりと美しい景色を眺めながら、クリエイティブなビジネス活動をしていただく。そういうような構想をこれからつくり上げたいと考えておりまして、令和2年度予算では、そのための改修経費などを助成する予算をつくりました。あと、一種のスタートアップのコミュニティーが六甲山上で形成できないかというような観点からの共創・交流拠点の設置ということも考えていきたいと思います。

 六甲山、摩耶山の活性化といたしましてはトランジットモール化、できるだけ歩いて移動することができるような、あるいはグリーンスローモビリティーなど、いろんな移動手段の導入に向けた社会実験を行います。歩道の整備なども行いますし、放置された遊休施設を利活用できるにぎわいの創出などにも取り組んでいきたいと考えております。

 食都神戸2020につきましては、神戸の食文化創造事業として食の発信、旧居留地でのアートや文化的建築物とコラボした食の発信、それからファーマーズマーケット、これも東遊園地でスタートし、大変回数も重ねられて充実してきました。これを東遊園地以外のエリアにも拡大させるということで、令和2年度は駒ヶ林地区、あるいは御崎公園などで行いたいと考えています。インバウンド誘客の推進といたしましては、ウェブプロモーションの強化、あるいは海外でのネットワーク拠点を拡充するなどの対応をとります。

 東京一極集中が非常に進んでいる中で、人口定住を図っていく、どこから人口を呼び込んでいくのかということを考えたときに、やはりその大きなターゲットは東京ではないか、そのためには東京でのプロモーションを強力に展開する必要があります。神戸ゆかりの企業や連携協定を締結した企業と連携いたしまして、東京圏における神戸の情報発信を行います。5Gなどへの移行など通信環境が飛躍的に向上する中で、AI機能の導入などの外部環境と連動した動画広報の実証実験も東京で行いたいと考えております。また、東京に新しい移住相談窓口を設置いたしまして、専属の相談員も配置いたします。

 3番目の柱が陸・海・空の交通の拠点ということで、神戸空港の利活用あるいはポートアイランドの利便性を向上させるためには、今、ラッシュ時間帯に大変混雑しているポートライナーの混雑緩和が必要です。既にJR神戸駅から中央市民病院に無料バスを運行しておりますが、これを引き続き社会実験として行います。それから、朝のラッシュ時間帯のバスの増便も4月以降行います。

 神戸空港につきましては、去年の規制緩和で拡大した最大発着回数、また運用時間の延長が、完全に利活用ができております。今後、神戸空港の利活用を図っていくためには、やはりアクセスの強化が必要です。バスによる輸送力の強化のほかに、より中長期的な輸送手段の検討も急いでいきたいと考えております。国際コンテナ戦略港湾につきましては、高規格コンテナターミナルの整備を引き続き進める、ハーバーハイウェイのETCの設置を急ぐ、広域幹線道路といたしましては、大阪湾岸道路西伸部、神戸西バイパスの整備を行います。北神急行につきましては市営化をし、6月から大幅に運賃を低減いたします。

 子育ての関係で、先ほどのリノベーションのところで申し上げた以外では、やはり保育人材の確保ということは非常に重要で、待遇の改善につきまして神戸市が単独で相当な施策を講じてきましたが、令和2年度は特に、私立保育園の保育士さんからの紹介で保育士の資格を持っている方が人材登録をした場合に謝礼を支給するという仕組みを導入いたします。そして、潜在保育士の方が就職後半年勤務した場合にお祝い金10万円を支給するという制度、ICTの活用による負担軽減も引き続き進めます。医療的ケア児の受け入れ拡大、産後ケア事業の拡大、利用者負担の引き下げ、それから目の異常の早期発見のために、3歳児健診のときに屈折検査機器を新たに導入いたします。

 それから5番目の柱、健康・安全を守るということですが、健康の増進ということでは、北部に新たに休日急病診療所を設置いたします。後期高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する事業を推進いたします。あと、しあわせの村も、開村いたしまして大きなリニューアルが行われていないわけですけれども、温泉健康センターやスポーツ施設をリニューアルする、あるいは子ども向けの遊び広場を充実させるという対応をいたします。高齢者の社会参加を促進するためのボランティアポイントの創設、それから障害者施策といたしましては令和2年度中に障害者支援センターを全区に設置いたします。

 ひきこもり対策といたしましては、先般、神戸ひきこもり支援室をオープンいたしました。新たに#8900の電話による相談を加えまして、家庭訪問や医師など専門職で構成する専門チームを設けまして、アウトリーチによる支援を行いたいと考えております。家族同士の意見交換会を実施したり、中学校卒業後も切れ目のない支援ができるようなソーシャルワーカーによる相談も行います。

 動物愛護の推進といたしましては、今、動物管理センターがあるわけですが、これとは別に、しあわせの村の中に動物愛護機能を管理センターから移転させまして、これを充実させるということで、例えばアニマルセラピーとか、飼い犬のしつけ教室とか、それから犬、猫の譲渡などのさまざまな事業をここで行うことができるようにいたします。

 それから、再生可能エネルギーにつきましては、燃料電池バス導入を見据えた水素ステーションの適地の調査などを行いますほか、森林環境譲与税を活用いたしまして、荒廃した森林の災害防止機能を向上するための森林の整備、それから林地台帳の整備などを行います。

 国土の強靱化ということでは、神戸六甲線、明石神戸宝塚線などの法面対策、無電柱化の推進、都市基盤河川の改修による洪水被害の未然防止、防潮堤の補強、防潮鉄扉の遠隔操作・監視化、あるいは浸水対策といたしましてのポンプ場整備、雨水幹線の整備、内水氾濫対策、これらは従来から進めてきているものをさらに強力に推進いたします。

 災害時の要援護者への支援体制といたしまして、人工呼吸器が必要な方への非常用電源の整備についての費用の実施、あるいは福祉避難所指定施設の訓練に関する費用を助成するなどの対応を行います。

 消防力の強化といたしましては、西神南に消防出張所を整備いたしますのと、防災安全推進基金を新たに設置いたしまして、地域ぐるみの防災対策の助成を強化いたします。

 消防団員につきましては、出動手当をさらに増額いたしまして、消防団員に対する処遇ということにつきましては、神戸市は大都市の中で、つまり、全国の中でトップクラスになるのではないかというふうに思います。

 防犯カメラにつきましては、これまでも進めてきましたけれども、自治会に対する助成を行ってきている結果、地域によるばらつきがありますので、神戸市が直接設置するということにいたしまして、令和3年度までに約2,000台を設置いたします。

 市政改革という観点から申しますと、今、神戸市の組織は、局があり、部があり、課があり、その下に係があるわけですけれども、できるだけこの部を廃止いたしまして、副局長にかえていく。副局長は局長の判断のもとに柔軟に局長を補佐する、そういうようなミッションが与えられて、機動的に動けるような体制にしていきたい、スピード感を持った仕事ができるような体制をつくっていくということと、あと、局の再編といたしましては、教育委員会の博物館、図書館などの部門を市長部局に移管いたしまして、市民参画推進局を再編し、文化スポーツ局を設置いたしまして、こちらに移管する。今の市民参画推進局の参画部門につきましては、企画調整局に移管いたします。保健福祉局の業務は極めて増えておりますので、福祉局と健康局に再編いたします。それから、農村地域のまちづくりを支援するために北区、西区に連絡所があるわけですが、連絡所は、住民票の発行など、極めて限られた事務を行っておりますが、地域づくりについて支援する機能も加えまして、出張所に格上げをするというふうにしていきたいと考えております。

 駅前の整備が非常に重要な役割になりますので、駅前魅力創造課を設置いたします。

 昨年、庁内の縦割りを是正するためにつなぐ課をつくったわけですが、さらに、つなぐ課を拡大いたしまして、より大きな組織としてつなぐラボを設置する。庁内の縦割りを是正するだけではなくて、市民の皆さん、事業者の皆さん、NPOの皆さんと一緒に仕事をしていく、いわば、これらの皆さんともつながりながら、地域課題をみんなで一緒に解決していく、そういう体制をつくっていくための組織となります。

 教育委員会のガバナンスの強化につきましては、まだ総合教育会議や教育委員会会議などで議論が途上ですけれども、令和2年度予算につきましては、教育監理役あるいは学校支援専門官などを配置いたします。外部人材からの登用ということになります。

 ICTを活用した市民サービスの向上を引き続き行います。申請書作成支援システムの実証実験を行いまして、できるだけ早く全区で展開する。いちいち紙に自分の名前とか住所とかを書かなくてもいいようにするということです。来庁しなくても手続ができるような郵送申請、電子申請の拡大に向けた行政事務センターの活用も促進いたします。

 以上、駆け足になりましたけれども、私といたしまして、令和2年度予算の基本的な考え方と、特に力を入れたい分野というものを説明させていただきました。この令和2年度予算、神戸市会に提出いたしまして審議をお願いし、そして十分な議論をしていただきまして、議決していただくことができるようにしっかりと対応していきたいと考えております。

 私からは以上です。

質疑応答(発表項目)

記者:

 まずリノベーション・神戸の中で、かなり子育て施策を強化して、政令市初ですとか先駆的な取り組みが目立つんですけど、ただ、一方で、他都市もかなり力を入れていて、神戸よりも規模の小さい自治体とかでは先に取り組んでいるようなものもありますが、そういう中で、神戸としての子育て環境の強みというのをどのように打ち出していくのか、そのあたり、まず聞かせていただけますか。

 

久元市長:

 神戸の場合には、例えば医療費を無料にしますとか、何か単独の施策で目を引くのではなくて、先ほどもご説明をいたしましたけれども、女性が結婚し、妊娠し、出産し、そして高校卒業するまでの切れ目のない支援ということを行っていくということ、それから、置かれている状況、例えばひとり親とか多子世帯とか、あるいは、残念ながら所得水準の格差というものも広がっていますから、そういう置かれている状況に応じた施策を、これはなかなか、目玉のようなもの、ぼんと打ち出すものという考え方とは少し違うわけです。ですから、そこは、発信あるいは子育て世代にきちんとそれが伝わっていく仕掛けというのが大変重要になってくるというふうに思いまして、例えば子育てナビなども、かなり工夫されたものをつくっているんですけれども、情報発信そして子育て世代に伝えるやり方というものをこれは相当、広報戦略部とこども家庭局などが連携をして、きちっとつくっていかなければいけないというふうに思っています。

 

記者:

 先ほどの説明の中にもありましたけど、大きな人口を呼び込むターゲットは東京だというような発言もありましたけれども、定住人口の増加というのは、どのあたりをターゲットというか狙って、どのあたりからの流入を想定しているんでしょうか。

 

久元市長:

 やはり近隣の自治体間で人口を奪い合いするということは、お互いに疲弊するだけで、あまり好ましくないのではないかなというふうに思います。神戸は日本を代表する大都市ですが、全国的な人口の流出を見ていると、東京23区に流出している、つまり東京23区の転入超過の相手方、多数の若者など人口が流出しているのは、残念ながら大都市なんですね。神戸を含む大都市です。大阪もそうです。福岡はものすごく人口が増えていますが、福岡もそうですね。札幌、仙台などもそうですね。大都市から東京にかなり人口が行っている。神戸は残念ながら、神戸も一定の人口を西日本や兵庫県内から受け入れていますが、しかし、ものすごくたくさんの人口が東京に流出をしている。福岡などは九州中から人口を集めていて、全体として人口はものすごく増えているんですけれども、福岡からもかなりたくさんの人口が東京に流出をしている。つまり東京の一人勝ちになっているわけですね。

 そういうことを考えれば、やはり神戸に移り住んでいただきたい。これは、いろんなところから移り住んでいただきたいと思いますし、これは一人一人の居住地選考の問題ですから、一人一人の選考というものを左右する要因はさまざまですから、なかなか対応は難しいわけですけど、ものすごく政策の大きな方向性で言うと、ターゲットはやはり東京ではないかなというふうに思っています。東京でのプロモーションを強化するということ。なかなか十分ではないかもしれませんが、ふるさと回帰支援センターにブースをつくって相談員を配置する。それ以上に、やはり東京との、神戸ゆかりの企業や神戸ゆかりの企業人や経済人、さまざまな方々とのつながりをやはり強化して、いろんな意味での応援もしてもらう。それから、情報発信のお手伝いもしてもらう。もちろんさまざまなICTやネットを使った情報発信をするということと、足で稼ぐということ。ICTを使って足で稼いで神戸の魅力を発信するということからは、去年、エバンジェリストを2人、民間の方を起用いたしまして、ものすごく活動的に動いていただいています。そういう東京でのプロモーション活動というものを相当思い切って展開するということで、神戸の魅力を発信し、まず神戸に訪れてきてもらう。そして、神戸に最終的には移り住んでもらう。

 神戸に移り住んでもらう場所、エリアというのは、ものすごくたくさんの選択肢があると思うんですね。大阪のように100%近く人口集中地区があるわけではなくて、市街地もさまざまな顔がありますし、六甲山上もあれば、農村地域もあれば、ニュータウンもある。いろいろな顔がある神戸のいろんなエリアの特性というものも感じていただいて、最終的にお好みの場所に移住していただくような、そんな動きにつながるような取り組み、これを東京を主としてターゲットに行っていきたいと思っています。

 

記者:

 それと、駅前の再整備をかなり進めるということで、一般会計の投資的経費がかなり伸びていますけれども、そこは市の単独事業としては多分約20年ぶりぐらいの高い水準になっていると思うんですが、そこを積極的に増やした理由についてちょっとお聞かせください。

 

久元市長:

やはり震災の後のいわばまちづくりの面での遅れをスピード感を持って取り戻していくためには一定の投資が必要です。投資的経費を増やしていくということがやはり必要だというふうに思います。

 

 ご質問の趣旨は、やはりそれで財政が大丈夫かということではないかなと思うんですが、もちろん財政の持続可能性ということを考えながら進めていかなければなりません。神戸市の財政構造は、全体としては、震災直後は非常に悪かったわけですが、その後、改善をしてきておりまして、一定の指標、代表的な指標が将来負担比率と実質公債費比率ですが、神戸は、20の指定都市の中で、この両方の指標で言うと6番目ぐらいにあるのかなと。ものすごく悪かったわけですけど、やはり行財政改革を矢田市長のときからずっと進めてきて、財政構造は改善をしてきております。

 

 今後、この投資的経費を増やすことによって、中長期的にはこれが上昇するということはあり得るというふうに思います。しかし、これが仮に上昇したとしても、これが大幅に悪化することがないように注意をしながら、毎年度の投資的経費の水準というものも決めていきたいというふうに思います。

 

記者:

 今の状態では、市税収入が伸び悩んでいる状況ですけれども、そこはどのように改善をしていくという、シナリオとしてはどういうふうに考えているんでしょうか。

 

久元市長:

 これは、明確に必ずそうなるかどうかという保証はないわけですけれども、しかし、市税収入を増やしていかなければ自由に使える留保財源も増えませんから、市税収入をどうして増やしていくのかということは非常に大事です。結局それは神戸の経済を活性化させるということで、そのためにはやはり陸・海・空の交通の基盤を整備する。これは、企業の創業環境を向上させるということですね。神戸に立地している企業のビジネス環境を向上させるということと、それから、新たに神戸を選択する企業を増やしていくということ。これは、陸・海・空の交通の要衝としての強みを発揮するということは大変大事です。

 しかし、それだけでは十分ではないわけですね。やはり神戸に企業が来る、企業が就業人口を、従業員を増やしていくためには、例えば子育て環境、あるいは従業員の方のご両親の介護、それから子どもさんの子育て環境だけではなくて教育、こういうことも当然大事です。ですから、ものすごく明確にこれをやれば企業が増える、あるいは企業の投資や雇用人員を増やすということにつながるのかということについては、決定的なものはなくて、やはり全体的なインフラ、創業環境を整備するということが非常に重要で、そのことが個人や法人の所得の増につながり、それが市税の増収につなげていくという好ましい循環過程というものをつくっていかなければいけないというふうに思います。

 神戸市の1人当たりの市税収入は、神戸市は、これは間違っていたらまた訂正してほしいですが、平成30年度決算で市税収入は11位ですね。やはりこのランキングを上げていかなければいけないということです。そのための取り組みが先ほど申し上げたような状況ですね。神戸市と人口が逆転をいたしました福岡市は5位ですね。川崎市は3位ですね。結局、かなり豊かな税収を活用してまちづくりを進めているということがわかります。やはり財源というのは非常に重要なので、税収をどうやって増やしていくのかということをしっかり考えていかなければ。これは、あらゆる知恵を総動員する。そして何をやればそれにつながるのかという費用対効果、これも庁内で徹底的に議論する、もちろん外部の有識者の方の意見も聞いたりして、税収増につながる政策というものを選択していくのかということが大変大事ではないかと思います。

 

記者:

 もう1点、すいません、今の段階から既に中長期的に収支不足が予想されていますけれども、それについてはどういうふうに解消していくかというお考えをお聞かせください。

 

久元市長:

 そうですね、やはり収支不足の解消は税収の増加ということを行っていかなければいけません。税収の増加というのは、非常に規模の小さな自治体であれば、例えば1万人以下の自治体であれば、金持ちが1人来ればですね、がばっと税収が増えます。しかし神戸のような大きな自治体ではなかなかそうはいきません。決め手に欠けるわけですから、先ほど申し上げましたような、あらゆる観点からの政策を総動員して、税収につながる政策を行っていくということが重要ですね。

 それからあと、歳出をどうやって削減をしていくのかということです。この点については、やはり神戸市が財政再建団体になりそうだったころ、これを回避するためにものすごく大きな努力が払われました。これは人員削減でしたね、大きな方策は。平成7年から平成27年ぐらいまでのこの20年間に、神戸市の職員削減率は、全地方公務員、つまり平均的な自治体の削減率の倍だったというふうに記憶をしています。倍のペースで職員を減らしてきました。しかしこのことは、ある意味で弊害が出てるということも事実です。やはりこれからは、また違うやり方で行財政改革というのはやっていかなければいけない。これはもう何回も、私が市長になりましてから、行財政局長や担当部長、課長にこの議論したのは100回ぐらいになるかもしれませんが、とにかく業務分析をすると。業務分析を徹底的にする、どこの組織がどういう仕事をしているのか徹底的に業務分析をして、その業務、不必要な仕事というものはやめていく、そしてやり方を変える、例えば外部に委託をする。

 それから、もう1つは、ICTや、最近でいえばAIやRPAなどを徹底的に活用して業務の効率化を図っていくということですね、こういうことをしっかりやっていかなければなりません。そのためには、やはりこれは勤務条件とも関連をしてきますから、組合の皆さんともしっかりと議論をして、理解を求めていくということも重要ではないかというふうに思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

記者:

 32ページのスライドで出ておりましたけれども、待機児童数が順調に下がる、どんどん保育定員も上がっているという感じですけれども、先日、須磨区のほうで保護責任者遺棄の事件があって、そのとき、非常にお子さんがたくさんいらしたと。保育所に預けるように地元の保健師さんがいろいろ指導したところ、みんな同じところに行かれないんだったら行かないですみたいな、そういう格好で結局保育所に預けることがなかったというようなことが、あの事件の中ではあったんですけれども、そういう、1つの家庭でたくさんお子さんがいらっしゃるところに対して、みんな同じところに入れられるような、何かそういうことっていうのが、何かできないもんかなと思ったりするんですが、その辺、市長は何かお考えはございますか。

 

久元市長:

 それが望ましいと思いますね。それが望ましいと思いますが、しかし、これは全国自治体が共通して抱えている課題です。できるだけそういう方向がかなえられるようにしていかなければなりませんが、まずは全体のボリュームを確保して待機児童を減らしていくということ、そして、あわせてそういう、できるだけ希望に沿えるような、これは待機児童の数え方の中で、数え方もいろいろあるわけですけれども、完全に希望にかなえられるような場合と、そうでない場合があることは、おっしゃるとおり事実です。そこはぜひ、まず、この待機児童のボリュームを解消するということに加えて、次のステップではそういうことも考えていかなければいけないと思います。

 

記者:

 ありがとうございました。

 

記者:

 オフィスについて、色々な企業を誘致してこなきゃいけないという話があったんですけれども、固定資産税を1つ下げるという、新しい施策を打たれておりました。ページ38ですね、38ページで打たれたと思う。これの期待する効果というか、狙いを改めてちょっと教えていただければと思います。

 

久元市長:

 当然のことながら、就業人口を増やすということですが、特に都心など、あるいは駅に近いところで商業・業務機能の集積を図っていくということを狙っています。単なるオフィスももちろんいいわけですけど、オフィスと、例えば商業施設とクリニックが入っている、そして一部住宅があると、住宅のボリュームがすごく大きければ助成をする意味がないわけですけど、一定の割合、オフィスだけではなくて、先ほど申し上げましたような、さまざまな機能が複合的にあるようなものも対象にしているということなんですね。これはやはり商業・業務機能集積をさせていきたい。

 

 オフィスというのは、やはり単独で事務所があっても、そこに働く方は、昼はランチを食べないといけないし、夜は違う世界の人たちと打ち合わせをする。スタバとかカフェとか居酒屋とか、そういうものもなかったら生き生きとした活動もできないでしょうね。体調が悪ければクリニックにまず診てもらう、そういう意味からいうと、やっぱりそういう複合的な機能があるということが、就業人口を増やしていくということにつながるということですね、また、にぎわいにもつながっていくということです。

 もう1つは、神戸の経済構造の特徴として、いわゆる都市型創造産業の集積が弱い。この都市型創造産業にクリエイティブな人材が集まっているというふうに言われています。このオフィスはその1つの受け皿になるわけですね。そういう形で都市型創造産業を、神戸の1つの弱みである都市型創造産業の集積を高めていくということも、このオフィス建設を推進していく理由の1つです。

 

記者:

 固定資産税を下げるというのは何か理由が。

 

久元市長:

 税を下げる方法として、固定資産税、都市計画税というのがやはり一番有効です。例えば法人市民税の減免というのもあるわけですが、しかし利益がかなり出ていなければ、それはあんまり(効果が)ないし、それから特別償却とか、そういう方法はあるかもしれませんが、これは主として国税の場合にとられる方法でして、自治体の場合の税の減免が広く行き渡るという観点から言うと、固定資産税、都市計画税がよくとられる方法です。これは神戸市のオリジナルということではなくて、一般的にとられている方法を採用したということです。

 

記者:

 今のテーマに関してなんですけれども、今回の予算の一番最初の説明にあったのが、人口減少社会に立ち向かうというような大きな枠組みかなと理解しているんですけれども、地下鉄沿線とか住宅機能を強化するということと、都市部にオフィスを強化すると。職住が近いということはどういう意味があるのかなと思います。

 

久元市長:

 職住が近いということは、やはり企業が立地をしてくれる、あるいはオフィスが立地をしてくれる大きな要因にもなるし、今、人口減少社会の中でどうすれば実質的に豊かな暮らしをするのかということを考えたときに、通勤時間ができるだけ短いほうがいいと、だから居住の選考が郊外から都心となっているわけです。このこと自身は、例えばタワーマンションなどの問題があるので、それはそれで対応していかなければなりませんが、一戸建てからマンション、郊外から都心というのはやはり職住近接に対するニーズが大変高いということですね。

 それから、残念ながら大阪との関係で大阪に対する転出超過になっている。かつては、15年ぐらい前までは、大阪から神戸にかなり移り住んでくれていたのが、今、神戸から大阪に流出している。この要因の1つとして、神戸に住んで、神戸に暮らして大阪で働くというのが1つの戦前からのステータスであり、モデルがあったわけですね。残念ながらそれが、やはり大阪に例えばタワーマンションなどがどんどん供給されて、まさに大阪の中で職住近接が実現できている。そういうことを考えたときに、神戸の中でもそういうことを考えていかなければなりませんね。

 そういうことを考えたときには、都心のまちづくりのあり方としては、三宮の近辺は商業・業務機能に特化し、その周辺の街、エリアについては、商業・業務機能と居住機能のバランスがとれた形で集積する。そのために、住宅のボリュームを400%に引き下げるということもとりました。

 しかし、神戸市全体のまちづくりを考えたときに、都心が働く街で、郊外は住む街、こういうふうに機能を截然と分けるということは適当ではないと思います。名谷にいたしましても、西神中央にいたしましても、垂水にいたしましても、なかなか課題はいろいろありますけれども、できるだけ働く場所をつくる。1つの例が名谷の駅からちょっと離れていますが、前のあおぞら幼稚園にワーキングスペースをつくりました。これはかなりの方がここで働いてくれることになります。あれが1つのモデルです。

 あのオフィスでは、ものすごくたくさんの働き方を用意していただいています。仕事の種類も。ずっと手作業をするのではなくて、あるいはずっとスクリーンをするのではなくて、8時間同じ仕事をずっとやっていることが幸せなのか。例えば、大規模な流通倉庫の中で、朝から晩までひたすらこん包作業をするというやり方、やむを得ないかもしれないけれど、あそこはそういうやり方ではなくて、1日の間でも違う仕事ができるようにするほうがより生き生きと仕事をすることができるという工夫もしていただいていますね。

 そういう形で、できるだけ生き生きと仕事ができるような場所をつくって、しかも近隣から簡単に通えるようになっているわけですね。ああいうような施設をできるだけ、こういう拠点駅の周りにもつくって、誘致をして、あるいはそういう立地に対して必要な支援も行って、職住近接のまちづくりもしていくということを神戸の中でもやっていきたいと思います。

 

記者:

 都市機能の強化という意味では、市長がよくおっしゃって印象的なのが、「大阪のベッドタウンにしたくない」ということをおっしゃるんですけれども、今回もその都市機能、今回はオフィスですけれども、オフィスは大阪に別に頼るということではなくて、しっかりと自前で整備していくということなんでしょうか。

 

久元市長:

 例えば、オフィスの機能は大阪に頼らなくて自前で供給するという発想そのものがね、自由経済の中でそういう発想をすべきなのかどうかというのはちょっと自信がありません。それはそれぞれの企業が選択をするものです。初めからそういうふうに都市の単位で、自治体の単位でオフィスの機能を自前で完結させるべきだ、あるいは大阪に頼ってという考え方をとるべきなのかどうかというのは自信がありません。それは、それぞれの企業が選択をする問題です。

 

 大事なことは、神戸の街というのは、都市型創造産業も弱い、そして就業人口をいかに増やすかということを考えたときに、オフィスの立地環境というのをできるだけ向上させていく。オフィスが立地していくための支援をしていくということで、立地に関する相対的優位性というものを高めていくという発想に立つのがよいのではないかなと考えています。

 

記者:

よろしくお願いします。

 先ほど組織の再編のところで、つなぐ課を少し大きくしてラボという形で、市民の方ですとかNPOの方々との協働をさらに進めていくというお考えかと思ったんですが、先ほど市税収入をどう伸ばすかということと、歳出の中でいかに効率性を上げていくかというお話がありましたけど、多分市民であるとかNPOの方々との協働というのは単純に外部委託をするですとか、そういうものとは次元が違うわけですが、おそらく行政の仕事の本質的な質であるとか、効率と言っていいのかわかりませんが、そういうところを上げていくというところにはつながるのかなと思うんですが、その狙いというか、今後どういうふうにNPO、あるいは市民の方々との協働というのを考えていかれるか教えてください。

 

久元市長:

 人件費の削減につなげていくということを目的としているものではありません。つなぐ戦略の全面展開というのは。結果的にそれが若干そういう影響があるかもしれませんけれども、やはり地域が抱えている課題というものをまず発見する。地域が抱えている課題というのはもちろん職員の皆さんはよくご存じの面はありますが、しかし、まだまだわからない面もあるわけですね。地域で実際に活動されている方々、もちろん自治会の方々もいらっしゃいますけれども、地域を超えて活動しているNPOの方々とか、そういうような地域の実態というものはどうなのか、そこでどういう人たちが活動しているのか、その活動している人たちが何に課題を感じ、何に悩んでいるのかということをわかるためにはそういう方たちと一緒にコラボして活動していくことが重要ですね。そのために、組織の面だけではなくて、企画調整局にはコーディネーターの予算も確保しています。場合によったら、報酬を払ってそういうコーディネーターを見つけ、そのコーディネーターの方が地域をずっとくまなく歩き回ったり、そして神戸に、市役所に来てもらって、つなぐラボの皆さんとディスカッションをして、その課題を発見する。その課題を解決するために必要な施策というものが、既存の施策で十分なのかどうか。こういう観点を見るのではないか、あるいは、こういうことをやってきたけれども、これはかなりピントが外れていたのではないかということをやっぱり検証して、新しい対応をしていく。

 大事なことは、この市役所が持っている、例えば補助金の制度に当てはまるものが(支援の)対象であってはいけないということです。市役所が用意をしている優先度の目から地域を見てはいけない。これはマルですね、これはペケですねということは往々にして、これは神戸市だけの問題ではないんですけれども、必ずそういう発想になるんです、役所というのは。それでは、どんどん世の中が変わっていく、地域社会も変わっていく、それに対応できないと思うんですね。地域の課題というものをまず発見し、そこに合う、それにふさわしい政策というものを打ち出していくためには、役所の中にだけ閉じこもっていてはいけないということです。実際に活動している人と一緒に地域を歩き、そして、困っている方々の声に耳を傾ける。それが、市役所の中で情報が共有をされて、そして、練り上げられた政策につなげていく、これがつなぐ戦略の大きな目的です。

 

記者:

 たびたびすみません。先ほど陸海空の結節機能を強化するという文脈で、港湾機能の強化に対して、額は書いていなかったんですけど、結構ボリュームのある予算をつけられていたかと思うんですけれども、コンテナ取扱量に関して、震災前との比較がよく出てきて、去年は世界経済が足踏みしていたので取扱量も伸び悩んだのかもしれないんですけれども、震災当時、震災前と比較して、現状、港の勢い、港勢というのはどういうふうに受けとめていらっしゃるのか。震災前と比較して、あと、世界の伸びと比較して、教えていただければと思います。

 

久元市長:

1つは、よくご理解された上で質問されていると思うんですが、趨勢、トレンドとしての話と、それから短期的、目先の話と両方あると思いますね。トレンドとして言うと、震災前が292万TEUで、平成30年が294万TEUということで、上回りました。これは関係者の皆さんの努力によって上回ったというふうに思います。

 トレンドとしては、瀬戸内、西日本の航路の荷物を、かなりこれを獲得して、相当上回っています。間違いなく神戸港の港勢というのは回復をしてきている。もちろん、かつて世界で3番目とかトップクラスの取扱高だったころから見ればもちろん大きく下がっているわけですけれども、震災前との比較から言えば、トレンドとしては回復をしてきているというふうに思います。

 ただ、短期的な話を言えば、去年は、例えば全国的に見て災害が多かったとか、米中摩擦が激化したという問題もあって、去年の令和元年の見込みというのは、おそらく290万TEUには届かないのではないかというふうに見ています。それから、今年に入ってまさに新型コロナウィルスが、中国経済への影響が懸念される。そこら辺はよくわかりませんが、短期的に見ればネガティブな影響があることは否めません。

 しかし、これを、その短期的な影響をどう克服して、中長期的な港の勢いの回復につなげていくのかというと、従来行ってきたようなフィーダー貨物の確保ということに加えて、アジア航路の貨物を神戸港経由で北米航路などに載せていくと、こういう取り組みを去年から始めていますから、そういう取り組みをしっかりやっていかなければいけないということ、それから、やはり、きちんと港湾整備、コンテナ戦略港湾整備を、災害への対応力も含めてきちんと行っていくということと、あと、港湾のオペレーションコストというものをどういうふうに下げていくのかということ、この辺がしっかりとやらなければいけない課題ではないかというふうに思います。

 

記者:

 今回の予算でもつけられていますけれども、航路のつなぎとめと言っていいのか、拡充というものは、勝算というか、道のりというのはどういうふうにご覧になっていますか。

 

久元市長:

 特にアジア各諸港からの荷物を神戸港から北米などへつなげるといった取組みをしているわけですが、神戸が獲得することは、そう簡単ではないだろうというふうに思います。ただ、相当、港湾局や業界の関係の皆様方と非常にいいチームワークができているというふうに思いますから、こういう努力をしっかりとやっていくということに尽きると思います。

質疑応答(その他の質疑応答)

教育委員会 職員の自死について

記者:

 今週の日曜日に教育委員会の事務局の職員の方が転落死されたという事案がありましたけれども、教育委員会会議とかの調整役だったということで、大事な役割をされていたと思うんですが、本年度から出向されていたというふうにお伺いしているので、その辺の受けとめと、あと、今回の教員間のハラスメント事案とかで事務局の職員の方にもかなり労働上の負担みたいなのがかかっているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういうあたりの働き方をどう守っていくかとかいう、その辺のお考えがあったらお聞かせください。

 

久元市長:

残念ながら、この教育委員会の職員だけではなくて、市長部局の職員もみずから死を選んだという職員がいて、これは大変痛恨の極みだというふうに思います。市長部局の職員については、しっかりとその原因を市長部局において究明し、人間の心の中ですからわからない面があるかもしれませんが、やはりメンタルケアも含めた対応をとっていかなければいけないというふうに思います。

 つい二、三日前も、福利厚生の担当の部長と、それから産業医の方から相当詳細な報告を受けました。多くの若手職員が十分な支援を受けられていないと。仕事の悩みということについて、上司や周囲から支援が受けられていないと感じているということが、かなり詳しい報告も受けましたので、特に若手の職員、それから係長、それから、子育て・介護をしている職員の支援が十分ではないという報告を受けました。

 そこで、この状況を、例えば区役所でも問題のある職場があるわけですが、「私には詳しく説明しましたけど、区長は聞いてるんですか」と言ったら、「聞いていない」と言うんですよ、区長が。何をしているのかと思いますよね、ほんとうに。やっぱりそれでは困ります。ですから、きょう、局区長会議を開いて、私が聞いた説明をちゃんと説明してくれているはずです。こういうことをしっかりやっていかなければいけないと思います。

新型コロナウィルスへの対応

記者:

 新型肺炎に関して、この後、5時から情報連絡会があるということで、詳しくはその場でということになると思うんですが、まず、出席するのは前回と同じく局長級以上の職員の方でいいかということと、また、どういった情報の交換があるかということが事前にわかれば。

 

久元市長:

 まず、前回、連絡会を開いた後も、状況の変化に関する情報共有は私も含めてほぼリアルタイムで行えています。例えばそれぞれのつくっている相談センターですね、時間外、土日の相談センター、それから、保健所や保健センターに関する相談の状況など、あるいは厚生労働省からの発表は、私も含めて情報は共有できています。

 

 しかし、きのう、きょう、感染ルートがわからない感染者も発見されたということで、先ほども申し上げましたけれども、やはり状況が変わったということで、そういう状況の変化の中でどういう体制をつくっていったらいいのか、検査体制や、医師会あるいは民間病院協会との連携で診断を受ける、治療を受ける、そこからそれぞれのケースに応じて県単位につなげていく、その辺のルートや方法、あるいは市民への周知徹底の方法などを、連絡会で議論することになると思います。

 

記者:

 あと、仮に感染者が神戸市内で確認された場合の対応として、感染するまでの経緯であったりとか、どんな人と会っていたとか、どんな行動をとっていたかということについて、公表するかしないかということが、自治体によって、今、対応が分かれていまして、前回も質問が出ましたが、改めて、こういった状況も踏まえて、その点について、神戸市としてはどういうような対応をとっていきそうになりそうでしょうか。

 

久元市長:

 これは、基本的には厚生労働省の方針などを踏まえながら考えていきたいと思いますが、やはり神戸市の場合には、2009年の新型インフルエンザのときにはかなり風評被害というものも受けましたので、これを公表する場合のデメリットも勘案しながら、どういう方法、公表方法があるのかということも考えていかなければいけないと思います。

 

記者:

 最後に、これに関してなんですが、今、検査をする対象となっているのは、神戸市の場合には国の基準とそろえているかとは思うんですが、ただ、じゃ、感染者と濃厚に接触したかであったりとか、あるいは、中国の対象となっている省からの帰国者の居住者と濃厚に感染したかどうかというのが、例えばタクシーに乗っていたりとか接客している人だとすると、相手の方がそういう方かどうか100%見きわめるのはかなり難しいかなと思いまして、検査対象を今のままで定めておくのがほんとうに適切かどうかも議論があるとは思うんですが、その点についてのお考えはいかがでしょうか。

 

久元市長:

 その点も含めて連絡会で議論したいと思いますが、それと、今、例に出された、タクシーの運転手の方が後ろに乗っておられるお客さんが誰かわからないから、全てのタクシー運転手の方を検査の対象にするのかというのは、これは正直、現実的ではないとは思いますね。

 

 やはり検査体制というのは、我が国全体の体制の中で、また、国の役割、自治体の役割、神戸市も非常に重要な検査の役割を担っていますが、やはり検査の体制の、どういう体制をとるのかというものもありますから、そこは両方勘案しながら不安の解消に努めていくということだと思います。

15年前のいじめ事案

記者:

 先日、15年前のいじめの問題について、当時の男子児童の保護者の方からの会見がありまして、議会の陳情の採択を受けて、当時の教育委員会などの対応について調査してほしい、できれば市長部局のほうに、例えば六甲アイランド高校で設置したような権限を委任してというようなお話があったんですけれども、この点、市長部局として何かやるというような、今、動きとかお考えというのはありますか。

 

久元市長:

 教育委員会からは、そういう希望はお持ちではない、教育委員会のほうで責任を持って対応すると聞いています。

 

記者:

 わかりました。ありがとうございます。

新型コロナウィルスへの対応

記者:

 先ほどの新型コロナウィルスの関係なんですけれど、国交省が、感染が疑われる乗客のいるクルーズ船の入港を拒否するように各地の港湾管理者のほうに要請していると思うんですけれど、神戸市としてはどのように対応するつもりでいるか、聞かせてください。

 

久元市長:

 国土交通省の方針に沿って対応したいと思います。逆に言うと、感染が疑われる方が乗っている可能性が極めて少ないというようなクルーズ船は受け入れるということです。

新長田駅南再開発事業について

記者:

 先ほどの予算案の中でもちょっと触れられましたけども、今年、震災後の再開発事業が終了する見込みということで、その後、その事業内容についての検証だったり規模が適切だったのかといったような、取りまとめだったりをされる予定はありますでしょうか。

 

久元市長:

 今年中にしたいと思います。つまり、当初の計画がどうだったのか、それから、これは中間的な報告を行ったと聞いておりますが、最終的な見込みも含めて、事業費の規模、財源、それから、当初はおそらく保留床の売却などで収支相償う予定だったわけですが、相償わない、つまり、ほかの財源を投入してこの事業を終結させるということですから、どういうような補塡方法をとるのか、とったのか、そのことを含めた検証結果を今年中には取りまとめたいと思っています。

 

記者:

 ありがとうございます。

15年前のいじめ事案

記者:

 先ほどの15年前のいじめの件なんですけれども、一連の市教委の対応についての受けとめだったりお考えを教えてください。

 

久元市長:

 これは教育委員会が責任を持って対応すべき問題ですので、詳細には報告を受けておりません。教育委員会の責任で対応してもらえればと思います。

 

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