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臨時会見 2021年(令和3年)3月4日

最終更新日:2021年3月8日

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市長臨時会見の模様をお届けします。

 

JCRファーマ株式会社が神戸サイエンスパークに新型コロナウイルスワクチン原液新工場の建設を決定

質疑応答

 

JCRファーマ株式会社が神戸サイエンスパークに新型コロナウイルスワクチン原液新工場の建設を決定

司会:

 お待たせいたしました。お時間になりましたので、JCRファーマ株式会社との共同記者会見を始めさせていただきます。

 本日の会見出席者の御紹介をさせていただきます。JCRファーマ株式会社代表取締役会長兼社長、芦田信様です。

 

芦田会長兼社長:

 よろしくお願いします。

 

司会:

 久元喜造神戸市長です。

 本日の流れですが、初めに久元市長より概要を発表させていただき、次に芦田会長兼社長様より御挨拶を賜ります。

 それでは、久元市長、よろしくお願いいたします。

 

久元市長:

 よろしくお願いいたします。JCRファーマ株式会社が神戸のサイエンスパークに新型コロナウイルスワクチンの原液新工場を建設していただくことになりまして、今日は同社、芦田信代表取締役会長兼社長にお越しいただいております。芦田会長、どうも今日はありがとうございます。

 

 神戸市とJCRファーマ株式会社は、本日、神戸サイエンスパークの製造工場用地につきましての土地売買契約を締結いたしました。JCRファーマさんはアストラゼネカ株式会社製の新型コロナウイルスワクチン原液新工場の建設に着手されることになります。

 

 JCRファーマさんは、1975年、昭和50年に神戸市内で工場を開設されましたのが神戸市での御縁の始まりです。現在、複数の拠点で操業いただいております。神戸医療産業都市におきましては、神戸再生医療勉強会、これは会員数49社ですけれども、この勉強会に参画をしていただいておりまして、再生医療の実用化にも御貢献をいただいております。

 

 芦田信代表取締役会長兼社長におかれましては、神戸医療産業都市推進機構の評議員をお務めいただくなど、神戸医療産業都市の推進に御尽力をいただいております。

 このように御縁をいただいてきたわけですけれども、今回、神戸市内に新たにワクチン製造の新拠点を建設されることになりました。今、新型コロナウイルスのワクチンをどう安定確保していくのかというのは、今、コロナとの闘いの中で、国民が最も関心を持っている分野だと申しても過言ではないかと思います。国内で初めてのワクチン原液の製造拠点を開設されるということは大変大きな意義を有するわけでありまして、その初めての製造拠点を神戸市内に開設していただくということは、神戸市民にとりましても、大変これは名誉なことであると考えております。JCRファーマさんの御尽力、御貢献に対しまして、心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。

 

 神戸市といたしましては、今回の立地に関しまして、神戸市企業立地等の促進のための支援措置に関する条例に基づく固定資産税の税優遇なども措置をさせていただくことにしておりまして、JCRファーマさんの取組を全面的に支援させていただきたいと考えております。

 

 私からは概略は以上です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

司会:

 続きまして、芦田会長兼社長様より御挨拶を賜ります。お願いいたします。

芦田会長兼社長:

 JCRファーマの芦田です。

 

 本日は、神戸市との間で神戸サイエンスパークの製造工場用地について土地売買契約を締結することができました。また、ワクチンの原液製造の新工場建設を発表できることを大変うれしく思っております。

 

 新型コロナウイルスが世の中に蔓延して約1年が経過いたしました。いまだ終息という出口が見えず、我々の生活もいろいろな制約を強いられている状況が続いております。

 

 昨年7月に我々は、アストラゼネカ社から、開発している新型コロナウイルスのワクチン原液の製造を打診されました。社内で十分に検討いたしまして、受託することを決めたわけです。我々はこれまでワクチンを製造するということは全く初めてのことでありました。今回のワクチンの原液製造に関しては、アストラゼネカ社が我々を選んだ理由の1つとして、我々が現在行っている遺伝子治療に関する研究や、このワクチンの原液製造に重要な培養に関する技術というものを評価していただいたのではないかというふうに思っております。

 

 今回、神戸市から用地を売却していただくことになり、そちらに新工場を建てるということになりましたが、この神戸でワクチンを製造できるということを大変誇りに思っております。引き続き、神戸市と協力をしながら、我々にできることをしっかりやり遂げていきたいなというふうに思っております。

 

 ありがとうございました。

質疑応答

記者:

 ありがとうございます。芦田会長にお聞きしたいんですけれども、今回、新工場の建設を決められたと。いつ頃から検討に入って、どういう経緯があったのかというのを、話せる範囲で構いませんので教えてください。

 

 もう1点なんですけれども、今回投資額116億円で、厚労省からの助成金を使われると思うんですが、そのうち御社の負担とアストラゼネカの負担、もし内訳を教えていただけるようでしたらと思います。お願いします。

 

JCRファーマ:

 代わってお答えを申し上げます。

 今回の工場建設に関しましては、令和2年度のワクチンの生産での国の緊急整備事業の中で、アストラゼネカ様が代表者となり、公募事業に採択されたという経緯がございます。その中で、2029年度までワクチンの生産体制を維持するということが公募事業の条件として求められており、当初より弊社では2029年度まで継続的にワクチンを生産することを目指して工場の建設を検討してまいりました。ですので、アストラゼネカ様からワクチンの原液の製造を依頼いただいた時から検討は進めておったということになります。

 

 また、工事の総工費についての各社の内訳に関しましては、アストラゼネカ様と私どもとの契約内容により非開示とさせていただいておりますので、御了承いただければと思います。よろしくお願いします。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 もう1点追加でよろしいですか。今回、ワクチンの原液新工場ということなんですけれども、それってワクチン以外の医薬品も製造できることはあるんでしょうか。

 

JCRファーマ:

 代わってお答えいたします。公募事業の中におきまして、条件といたしまして国の求めに応じてワクチンの原液の製造にお応えするという体制を維持し続けるということが条件になっております。一方で、そういった御指示がない場合、必要に応じて私どもは自社の製品を生産することを許されているというふうに解釈しております。状況によっては私どもの自社の製品を生産する可能性はあるということになります。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

記者:

 芦田会長に伺いたいんですが、こちらの着工が今年7月、竣工が来年10月というスケジュールを示されていますけれども、もう少し詳しく、いつから製造を始められるのかということと、あと、量的なもの、今現在、9,000万回分製造できますけども、それぞれ何年頃までにどういう、何回分ができるのかというスケジュールを教えていただけますでしょうか。

 

JCRファーマ:

 本日、この時点におきまして弊社で公表させていただいております工場のスケジュールに関しましては、着工が今年の7月になっておりまして、竣工が2022年の10月となっています。いつから製造が開始できるかということにつきましては、これもアストラゼネカ様との取決めにより、具体的にいつぐらいからということは申し上げられないということになっておりますので、お含み置きいただければと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 補足で確認したいんですが、一般的に工場ができてすぐに生産するというのはなかなか難しいと思うんですが、一般的に言うとどれぐらい製造承認を取らないといけないとか、基本的なスケジュールがあると思うんですけども、それでこれは2023年に入ってから製造できるというようなことでよろしいんでしょうか。

 

JCRファーマ:

 工場の竣工に伴って設備の導入、あるいは設備がちゃんと動くかというような確認を十分に行う必要がございます。ですので、一般的なお話としては、今おっしゃっていただいたとおり、翌年のどこかのタイミングでというふうに考えております。

 

記者:

 ありがとうございました。

 

記者:

 芦田会長に伺いたいと思います。この新工場では、ワクチンの原液を製造する工場であって、それが完成品になるのはまた別のところという解釈なんでしょうか。

 

芦田会長兼社長:

 そうですね、別のところです。

 

記者:

 それは原液ができた段階で、JCRファーマさんの手からは離れてアストラゼネカさんの手に渡るということなんですかね。

 

芦田会長兼社長:

 そのとおりです。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

記者:

 この新工場建設に当たっての御社の資金調達については、どのようになさる御計画なのかということと、あと、業績への影響というのはどのように見てられるんでしょうか。

 

JCRファーマ:

 お答え申し上げます。工場の建設資金に関しましては、新型コロナウイルスワクチン等生産体制臨時特例交付金に係る助成金及び自己資金を投入することを予定しております。なお、土地に関しましては自己資金を投入することを予定しております。業績予想に関しましては、本件の、今期2021年3月期の業績に与える影響は軽微であるというふうに考えております。

記者:

 来期以降は、これが織り込まれたもので発表されてくるという形でよろしいんですね。

 

JCRファーマ:

 はい、そのように考えております。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

記者:

 JCRファーマさん、社長にお伺いしたいんですけれども、今回神戸市を工場に選んだ背景といいますか、医療産業都市の評議員をされているというお話もありましたけれども、具体的にどういった、御社にとってのメリットといいますか、があって選ばれたのかという背景を教えていただけますでしょうか。

 

芦田会長兼社長:

 サイエンスパークを選んだ理由ですね。我々はハイテクパークに研究所、それから製造工場を有しておりますので、非常にサイエンスパークは近い場所にあり、また、環境もすばらしいということで選びましたということです。

 

記者:

 何か医療産業都市等の研究での連携等、そういうものもあったりはするんですか。

 

芦田会長兼社長:

 直接の連携というのが、今あるわけではありませんが、いろいろ、大学とか、そういうところとの連携というのは常にやっております。

 

記者:

 地元の大学という意味ですかね。

 

芦田会長兼社長:

 はい。

 

記者:

 分かりました。

 

記者:

 芦田会長にお伺いします。ちょっと細かいところなんですけれども、2022年10月の竣工を予定と、生産体制の話はこれからというところなんですけれども、やはり、例えば研究員さんとか従業員さんですね、この工場に人員をどの程度充てるような予定でしょうか。あと、それに伴って、例えば雇用を増やすとか、そういったことはお考えでしょうか。

 

JCRファーマ:

 お答えいたします。新工場につきましては、今のところ新工場の想定といたしましては、100名程度の従業員がそこでワクチンの原液製造に従事するということを今想定しております。

 

記者:

 ありがとうございます。それは、いわゆる雇用を増やすというか、それとも今、既存の工場から割り振るような形でしょうか。

 

JCRファーマ:

 既存の工場において働いている人を配置転換したりとか、あるいは新しく雇用をお願いして、入って来ていただいて従事していただくということも考えております。

 

記者:

 もう1点だけ、すいません。

 総工費116億円ということですが、これは土地の取得が20億円、これはだから、116億のうち20億が土地代ということですか。

 

JCRファーマ:

 別でございます。

 

記者:

 久元市長に伺いたいんですが、今回、優遇措置として固定資産税の減免措置、これは条例措置に基づくものだと思うんですが、差し支えなければ年間どれぐらいの規模になるのかというのと、今後こういった、特に社会的に、市長おっしゃいましたように社会的に関心の高い事業でありますので、追加の優遇措置なんかをお考えでしょうか。

 

久元市長:

 条例に基づく措置ですけれども、今回の優遇措置につきましては非公表とさせていただきたいと思います。なお、今回の優遇措置につきましてはJCRファーマさんとも協議の上決定させていただいておりますので、条例に基づく優遇措置以上の対応は現時点では考えてはおりません。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

記者:

 芦田会長にお聞きしたいんですけど、今現実、既存の工場のほうのワクチンの製造状況の確認と、新工場ができたことで、これまで既存の工場に加えての増産分への対応なのか、それとも本格的に稼働していけばそちらのほうに移行することになるのか。

 

JCRファーマ:

 現在、既存の工場におきましてワクチン製造の準備を行っているところです。こちらは、スケジュールとかは非公表とさせていただいておりますけれども、現在のところ、大きなトラブルなく進んでおります。

 今後、新工場との兼ね合いでございますけれども、現在、既存の工場で作っているというのは、もともとは自社品を作るために建設した工場を、一旦、自社品の製造を止めて、このワクチンのために特別に使っているという状況でございます。

 私ども医薬品のメーカーとして継続的に製品を供給する必要があることから、やはり、いつまでもこの状況は続けられないという観点から、新しい製造所の建設を考えたわけであります。ですので、新しい工場が稼働し始めたら、できるだけ速やかにそちらでワクチンを作り、今現在、ワクチンを作っている製造所に関しては、本来の目的で、希少疾患の治療薬を製造することに使いたいと考えております。

 

司会:

 よろしいでしょうか。

 ほか、御質問のある方、いらっしゃいますでしょうか。どうぞ。

 

記者:

 久元市長に伺います。具体的にこの新しい工場ができることによるイメージ面とかも含めての神戸市にとってのメリットというところがどういうところにあるのかというのを教えてください。

 

久元市長:

 神戸市の産業団地を購入していただきましたということは、それはもちろん私どもとしてはありがたいわけですけれども、先ほど申し上げましたが、やはりこのワクチンの安定供給ということが、やはり非常に大きな、これは我が国が取り組まなければいけない課題だというふうに言っていいと思います。国民もそれを大変望んでおります。今は輸入をするしか方途がなかったわけですけれども、今回、実際に供給される時期は少し先のことになりますが、我が国の中で初めてワクチン原液の製造拠点を開設することができた。そして、それが神戸市内であるということは、これは大変神戸にとりましては有意義なことですし、また、名誉なことであるというふうに考えております。大変ありがたく感じています。

 

記者:

 すみません、芦田会長に追加で伺います。

 今、既存の工場を使って原液製造に取りかかっているかと思うんですけれども、既に動いているのか、これから動くのかという、その進捗はどんな感じになっていますか。

 

JCRファーマ:

 現在稼働しております。商業生産の準備をしている段階とお考えください。

 

記者:

作り始めているという理解でいいですか。

 

JCRファーマ:

はい、そういうふうにお考えください。

 

記者:

ありがとうございます。

 

記者:

 JCRさんにお伺いします。新工場ですけれども、生産能力、具体的にどれだけ作るかというのはアストラゼネカとの契約になってくると思うんですが、例えば最大どれぐらいの回数あるいは人数分が作れるぐらいの設備を入れたいなとお考えでしょうか。

 

JCRファーマ:

本数については具体的な数字は申し上げられないんですけれども、当然、新しい工場を造るわけですので、現在の能力よりは高くなる、作りやすくなるというふうにお考えください。

 

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