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最終更新日:2020年9月18日

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都市防災委員会行政調査報告(平成28年)

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1.日程

平成28年8月24日(水曜日)~8月26日(金曜日)

2.調査項目

  • (1)リニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅周辺のまちづくりについて(名古屋市)
  • (2)地域交通サポート事業について(横浜市)
  • (3)バスタ新宿の概要について(国土交通省)
  • (4)大丸有エリアの防災への取り組みについて(千代田区)
  • (5)ちば消防共同指令センターについて(千葉市)

3.委員長所見

(1)リニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅周辺のまちづくりについて(名古屋市)

名古屋市視察の様子名古屋市では,「名古屋駅周辺まちづくり構想」を平成26年度に策定している。リニア開業後のまちを見据え,おおむね平成26年度から15年後の平成39年度を目標として,多様な主体(国・県・市・開発事業者・鉄道事業者・地下街会社・交通施設管理者・高速道路公社・まちづくり団体等々)がまちづくりを進めるための共通目標となる基本方針と具体的な取り組みを明らかにし,リニアが整備されることにより,特にまちづくりに必要とされることを中心に取りまとめている。
また,目標とするまちの姿としては,「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」として,高いレベルの機能性を備えたまちづくりを着実に進めるとともに,広く叡智を集め,世界の人々が集まり,魅了し続けるまちを目指している。
そして,基本方針とその具体的な取り組みとしては,

  1. 国際的・広域的な役割を担う圏域の拠点・顔を目指すとして,(1)国際的・広域的なビジネス拠点を形成する。(2)玄関口にふさわしい風格とにぎわいを感じさせる顔づくりを進める。(3)ビジネス拠点・交流拠点にふさわしい安全性を確保するとともに,環境負荷の少ないまちを形成する。
  2. 誰にも使いやすい国際レベルのターミナル駅をつくるとして,(1)初めての人や外国人にもわかりやすいターミナル駅を形成する。(2)リニアの速達性を活かすなど交通機関相互の乗換利便性を向上する。
  3. 都心における多彩な魅力をもったまちをつくり,つないでいくとして,(1)城下町から超高層ビル群まで新旧織り交ぜた多様なまちの魅力を育て,活かす。(2)人が主役の歩いて楽しい空間を形成し,回遊性を高める。
  4. リニア開業を見据え,行政と民間が一丸となって着実に構想を実現するとして,(1)まちづくり構想を実現するため,行政がリーダーシップを発揮するとともに,行政と民間,民間相互など様々な主体が連携・協働してまちづくりを推進する。

さらに,この構想の実現を図るための10の主要プロジェクト((1)都市機能の強化(2)リニア駅周辺の面的整備(3)わかりやすい乗換空間の形成(4)駅前広場周辺の再整備(5)東西ネットワークの強化(6)名鉄各駅再開発計画(7)高速道路とのアクセス性の向上(8)地区ごとの特色を活かしたまちづくり(9)名駅通の歩行者空間の拡充,駅へのアクセス性の改善(10)ゆとりある地下歩行者空間の形成)がそれぞれ進められている。
こうした名古屋市の取り組みを聴き,神戸市における三宮周辺地区の再整備に関して,神戸市とも共通する点や大変参考になる点も種々あった。特に,名古屋市の世界を意識した国際レベルの駅・まちづくりについては,本市も空港や港を一層活かしながら国際性を取り入れた目標や具体の取り組みが必要であると感じた。また,「人が主役・回遊性を高める」という視点は,ぜひとも大事にしたいと思った。

(2)地域交通サポート事業について(横浜市)

横浜市視察の様子の写真昨今,バス利用者が減少する中,各バス事業者は運行効率やコスト縮減の改善を図りながらバス路線維持に努めているが,これらの対策には限界もあり,バス事業者だけではバス路線の新設や増便等の要望に対して十分にこたえることができない。その一方では,高齢化の進展に伴い,地域公共交通の重要性が増している。こうした状況は横浜市に限らず,神戸市においても同様であることから,横浜市の地域交通サポート事業について,説明を受けた。
坂道が多い横浜市では,既存バス停から自宅までが遠い地域やバス路線がない交通空白地帯等において,高齢化により外出時の交通手段を確保することが困難な地域住民の方々が集まり,生活に密着した地域交通の導入に向けて取り組むケースが多くある。横浜市の地域交通サポート事業は,このような地域の主体的な取り組みがスムーズに進むように,地域交通の導入に至るまでの地域活動に対して様々な支援を行う事業である。
実現に向けては,1.安全・安心な運行のため,国から乗合・乗用業務の許可を得た緑ナンバーを有する車両であること。2.地域の盛り上がりにより,多くの方が継続的に利用することで,安定した経営を行うこと。3.行政からの財政支援に限らない自立した運行であること。の3点が基本的な考え方となっており,さらに,(1)どの地域にどれだけの利用者が見込めるのか。複数の地域が関係するのか。(2)沿道地域の合意がとれるのか。(3)安全に運行できるルートなのか。(4)運行コストと収支が見合うのか。(5)既存路線の減収にならない計画であるか。の5つの要件がある。
具体に運行実現までの道のりは,(1)地域の公共交通の課題と解決の目的を共有する→(2)地域交通に関わる5人以上のメンバーを募る→(3)地域の人の動き(移動手段や頻度,行き先など)移動動向の実態と課題の把握→(4)採算性が確保できる運行計画の検討と関係者調整→(5)運行計画(案)に対する需要予測アンケートから地域交通実現の可能性を判断する→(6)実際にバスを走らせて採算性を検証する→(7)事業者が実現の可否の最終判断をする→(8)そして,本格運行後には,地域交通が安定的に運行できるよう,啓発活動やニーズに応じた運行計画の適宜見直しが必要で,その際には,既存バス路線も含めた地域全体の公共交通の利用啓発をすることが重要となる。
こうした取り組みによって,平成19年から平成27年3月末までに,25地区で地域交通サポート事業の検討が行われている。そのうち本格運行が実現したのは9地区,現在検討中が8地区である。
神戸市においても,3地域で地域交通の実証実験を行っているが,横浜市での事例から,(1)常に採算性を意識した運行を心がけること。(2)いろいろな角度から住民の意見を求め,バスを必要としない住民からも合意を得られるようにし,住民にとって「私たちのバス」と親しみを持てるものにすること。(3)バス路線を通じ近隣自治会・町内会と交流の機会を持ち,運行委員会や地域行事などでつながっていくこと等も,成功に結び付く大事なポイントとなることがよくわかった。

(3)バスタ新宿の概要について(国土交通省)

バスタ新宿視察の様子新宿駅は,都内でも有数の高速バスの発着拠点であったが,高速バスの乗降場が運行会社毎に駅周辺に点在していたため,鉄道やタクシー等の交通機関相互の乗り換えが不便な状況であった。このため,国土交通省東京国道事務所では,「新宿駅南口地区基盤整備事業」として国道20号新宿跨線橋の架け替えに合わせて,地下歩道や新宿南口交通ターミナル(バスタ新宿)の整備に取り組み,跨線橋は平成22年度に,新宿跨線橋本年の架け替えは平成24年度に完成し,そして,本年4月4日に新宿南口交通ターミナル(バスタ新宿)が供用を開始した。新宿駅のうち「新南口」と称されていた甲州街道(国道20号)南側部分に建設された人工地盤上に駅施設や歩行者広場,タクシーの乗降場,高速路線バス関連施設を立体的に配置している。建設の経緯から立体道路制度を活用しており,各階の用途としては,2階がバスタ新宿出入口,国道20号接続部分,JR新宿駅新南改札(旧 新南口改札)・甲州街道改札(旧 サザンテラス口)・ミライナタワー改札(平成28年3月7日新設)。3階はタクシー乗降場,新宿WEバス乗降場,高速バス降車場,東京観光情報センター。4階は,新宿高速バスターミナル(高速バス乗車場,発券施設,待合所,管制室)のほか,ファミリーマートバスタ新宿店(平成28年11月18日オープン予定)となっている。
バスタ新宿の整備効果としては,(1)これまで新宿駅西口周辺に分散していた19か所の高速バス乗降場が南口に集約され,利用者に分かりやすく,鉄道駅と直結しているため高速バスと鉄道等の乗換がスムーズになり,時間も半減し,利便性が高くなったこと。(2)ターミナル施設内は,エレベーター及びエスカレーターが整備されるため,大きな荷物を持った利用者の移動負担が軽減され,また,待合所やトイレなども整備されたことで,これまでの屋外よりも乗降環境が改善されたこと。(3)国道20号(新宿跨線橋)上のタクシーの待ち車列などがなくなり,混雑の緩和や接触事故等の減少が期待されること。(4)新宿駅の南口に新たなオープンスペースができたことにより,ターミナル施設等には壁面や屋上に緑化が施され,緑量や環境にも配慮したにぎわいの創出を図っていること。(5)訪問地の分散化や低コストの国内移動サービスの拡充といった観点から,訪日外国人観光客の更なる増加に向けた取り組みを支援すること,がある。
これらのバスタ新宿の概要等について,国土交通省東京国道事務所の副所長に現地を案内していただきながら説明を受けたが,特に,上記の5点にわたる整備効果は,どれも本市が現在検討をしている雲井通5・6丁目地区の新たなバスターミナル整備に活かせる内容であり,「新宿駅の南口」の「新宿」を「三宮」として考えればちょうどいいのではないかと感じた。しかし,このバスタ新宿といえども,オープン後になって,乗降客が手軽に利用できる飲食店・コンビニエンスストア等がなかったり,コインロッカーが足りなかったりといった利便性の課題がでている。さらに,高速路線バスの発着便数や停車場数等運行事業者への負担増など,まだまだ課題も多く,今後もバスタ新宿の長所・短所ともに合わせて神戸市の新たなバスターミナルの参考となるよう,学んでいく必要がある。

(4)大丸有エリアの防災への取り組みについて(千代田区)

大丸有エリア視察の様子大丸有(だいまるゆう)とは,東京都千代田区にある大手町・丸の内・有楽町の3つの町を合わせたエリアのことで,皇居の東~北東側に位置し,東京駅や大手町駅周辺ではオフィス街が,有楽町駅周辺では歓楽街が発展している。2000年代以降は都市再生緊急整備地域の指定に伴う再開発により超高層建築物の建設が相次ぎ,官民合同での様々な取り組みが大変活発である。また,平成27年3月には,同エリアにおいて,都市再生安全確保計画が策定された。
同計画において,大丸有地区における滞在者等の安全の確保に関する基本的な方針として,計画の意義を災害への備え(防災)を新たな付加価値とし,高い国際競争力を有する「業務継続地区」の実現を目指すとしている。
計画では,その目的,基本理念,目標を定めており,目的としては,「大丸有地区の業務継続力の強化」と,「滞在者等全ての安全・安心の確保」を,基本理念としては,「社会的責務を果たす精神」,「重大な隙間への対応」,「進化する計画」の3点を掲げ,目標としては,執務スペースと従業員の安全・ライフラインの確保・計画の推進体制・地区のレピュテーション・災害医療体制・要配慮者の安全安心・従業者や来訪者の受入れ・帰宅困難者の誘導と施設・公共的空間を担う体制を掲げている。
また,大丸有地区における被害の検討等として,平日昼間首都直下地震発生時,この地区では従業者約21.6万人,仕事目的の来訪者約3万人,買物・観光行楽目的の来訪者約2.8万人が滞在,その他約4.6万人の鉄道利用者がいると推定され,計約32万人に上る。また,来訪者の内,要配慮者(高齢者,妊婦等)が約1.1万人と推定されており,これら滞在者等の内,この地区の帰宅困難者数は,平日15時に発生した場合で約3万人,休日15時に発生した場合で約6万人と推定されている。
こうした前提により,この地区の将来像として,この地区内の各ゾーンの特性を生かしつつ,「大丸有地区まちづくりガイドライン」に基づき,業務継続地区拠点の設置等を進めていくとしている。
さらに,都市再生安全確保計画と連動した開発の推進として,業務継続地区の実現のために,エリア防災ビルの整備に取り組んでおり,エリア防災ビル審査会が設置され,建築単体レベルと地域貢献レベルの視点から防災機能の評価を行い,エリア防災ビルの認定を行っている。
また,同計画において,大丸有地区における滞在者等の安全の確保のために実施する事業や事務として,千代田区と「大規模災害時における帰宅困難者等受入れに関する協定」を締結している19施設を列挙しており,これらの施設において約7千人程度の受入れが可能となっている。また,実際に民間施設を利用した訓練も行っている。
さらに,滞在者等の安全の確保のための事務・事項として,千代田区と東京都による避難施設等の確保,災害時の一時滞在施設や退避施設の建物管理者による自主的な受け入れ等,災害時の診療所等による応急手当等,関係者に意識啓発を求める広報活動,PDCAサイクルを実現するルール作成及び関係者間の調整,公的空間を活用した防災訓練が挙げられている。
日本の中心地,東京の玄関口である東京駅,我が国経済を支える国際ビジネスセンターとして国内外の有力企業が集積する経済活動の中心としてのオフィス街大手町駅周辺,そして,歓楽街を有する有楽町駅周辺の調査では,「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」の事務局を務める企業が所有するオフィス(セキュリティ対策がしっかりととられた高層ビルのフロア)で説明を受けた。大丸有地区に比べれば,規模は小さいものの本市における三ノ宮駅周辺の再開発計画や事業においても,また,防災への取り組みにおいても,大変参考になる取り組みがなされていた。
特に,大手町・丸の内・有楽町地区において,策定されている「まちづくりガイドライン」を踏まえ,企業,団体及び行政等のまちづくりに係る主体との連携を図り,都市空間の適切かつ効率的な開発,利活用等を通じたまちづくりを展開することにより,同地区の付加価値を高め,東京の都心としての持続的な発展に寄与することを目的としていること,また,地権者が自ら具体的なまちづくりを考え,行政のまちづくり方針に則って協議会が設立されていること,さらに,協議会が中心になって,防災・帰宅困難者・滞在者等の安全の確保などの対策や体制ができていることは,今後の神戸・三宮にも大いに参考になると強く感じた。

(5)ちば消防共同指令センターについて(千葉市)

ちば消防共同指令センター視察の様子平成25年4月から千葉県北東部・南部の市町村地域20消防本部は,119番通報の受信や出動指令,通信の統制及び情報の収集伝達などの消防指令業務を共同で運用する「ちば消防共同指令センター」を整備し,業務を行っており,千葉市消防局の7階に拠点が置かれている。同センターでは,車両動態・位置情報管理システムによる消防部隊の集中管理ができ,最新鋭の情報通信技術を導入した高機能な「指令管制システム」と県域整備した消防救急デジタル無線を活用し,20消防本部の区域内での災害発生状況や出動部隊の活動状況を一元管理して,隣接市町村への応援や大規模・広域災害等への対応をより迅速・的確かつ効率的に実施がなされている。
その整備効果については,(1)広域災害・大規模災害への対応強化,(2)近隣消防機関との連携強化,(3)人員配備や施設などの効率的な運用,(4)迅速な相互応援出動,(5)複雑多様化した消防需要への適切な対応,(6)消防体制基盤の強化,などである。
千葉県では,同センターのほかに,千葉北西部消防指令センターも設置されており,消防指令業務の共同運用が進められている。全国では,その他に9県13地域43消防本部の市町村で実施されている(平成24年4月現在)。兵庫県でも宝塚市・川西市・猪名川町で,また,尼崎市・伊丹市が共同運用を行っている。さらに,今後13府県26ブロック116消防本部が共同運用を検討,予定している(平成24年10月現在)。
共同指令センターの課題としては,設置にあたってのそれぞれの自治体の資金負担の問題,設置後の各消防本部の人事異動により,共同指令センターに慣れた職員が異動してしまうということである。
消防指令業務については,何よりも不搬送を減らしながら迅速な出動ができ,災害にも対応できる体制が望まれる。今回視察した消防指令業務の共同運用については,神戸市のような人口規模100万人以上の政令市よりも,人口規模・財政規模が小さく,単独で消防指令業務を維持・運営することが困難な比較的人口の少ない市町村で適していると思われる。

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