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最終更新日:2020年9月18日

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外郭団体に関する特別委員会行政調査報告(平成28年)

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1.日程

平成28年2月1日(月曜日)~2月3日(水曜日)

2.調査項目

  • (1)「ONSENツーリズム」,「NPO法人ハットウ・オンパク」について(別府市)
  • (2)「大分ロボケアセンター株式会社」について(別府市)
  • (3)「豊後高田市観光まちづくり株式会社」,「昭和の町」について(豊後高田市)
  • (4)「北九州高速鉄道株式会社」,「北九州市環境首都総合交通戦略」について(北九州市)

3.委員長所見

(1)「ONSENツーリズム」,「NPO法人ハットウ・オンパク」について(別府市)

別府市での調査の様子別府市の「ONSENツーリズム」及び「NPO法人ハットウ・オンパク」について説明を受け,「オンパク」プログラムの視察を行った。
別府市が取り組む「ONSENツーリズム」について,ONSENツーリズム部観光課より説明を受けた。平成20年にツーリズムによるまちづくりを推進するために「観光経済部」を発展的に解消し,全国初の取組として「ONSEN」を核とする「ONSENツーリズム」まちづくりを推進する目的で「ONSENツーリズム部」を発足した。平成23年に定めた別府市総合計画では重点目標として,「大型集客誘致活動事業の振興」,「外国人旅行者の誘致促進」,「宿泊客の誘致促進」を掲げ取り組んでいる。外国人旅行者については,別府の特徴として韓国からが最も多く,次いで台湾,中国となっている。外国客船の誘致にも取り組んでいるが,宿泊を伴わないバス・タクシーなどでの日帰り観光が多く,今後の着地プログラムの充実が課題である。また外国人旅行者には,スマートフォンなどの携帯端末を使ってネットで情報収集をする人が多く,公衆無線LANへのニーズは高いため,大分市,別府市,由布市が連携協力して公衆無線LAN網を整備し,平成28年3月からの運用開始を目指している。
「オンパク」について,事業主体であるNPO法人ハットウ・オンパク,事業マネージャーの門脇 邦明氏より説明を受けた。オンパクは地域の資源である「人」,「物」,「場所」を活用して新たなチャレンジを起こす仕組みであり,その中でも特に「人」にスポットを当てて,新たな地域人材の発掘を行っているとのことである。地元別府や大分からが主なオンパクの参加者であるが,オンパクではその中でも「女性」にターゲットを絞り,実施に当たって準備されるガイドブックも「女性」に合うようにデザインされたプログラムが作成される。オンパクの特徴は個々のオンパクプログラムが「小さい」規模で行われていることである。そうすることで「失敗してもいい」「再チャレンジできる」環境が与えられる。また,「集め」て「短期間」で行うことで個々のプログラムを魅力的に演出している。オンパクは観光施策ではなく「地域活動のチャレンジの苗床」であり,そこで地域人材が育成され,地域が活性化されるのである。
説明の後,門脇氏の案内で「まちあるきプログラム」を体験した。世界有数の温泉保養地として明治時代の初期から発展してきた歴史を随所に感じるまち歩きであった。委員からは「地域の空気を肌で感じられてよかった」との声も上がっていた。
調査を通じて「まちづくりは人づくり」であることを強く感じた。神戸市では,オンパクと同様の形態で「おとな旅・神戸」が行われており毎回盛況である。事業を行う上で大切なことは,「商品の開発」ではなく「人の育成」であるとの視点に立ち,「おとな旅・神戸」の一層の充実を期待したい。

(2)「大分ロボケアセンター株式会社」について(別府市)

大分ロボケアセンターでの調査の様子「大分ロボケアセンター株式会社」について説明を受けた後,ロボケアセンターの視察を行った。
「大分ロボケアセンター株式会社」及び「サイバーダイン株式会社」について,センター長の志岐 佳紀氏の説明によると,サイバーダイン株式会社は大分ロボケアセンター株式会社の親会社であり,筑波大学教授の山海 嘉之氏の研究成果によって社会貢献するため,平成16年6月に設立された。HAL(Hybrid Assistive Limb)は人と機械と情報を融合させて身体の不自由な方をアシストするシステムのことで,その特徴は,装着者が身体を動かそうとする意思(脳から筋肉へ伝導される微弱な生体電位信号)をHALが読み取り,意思に従って動作することである。HALは病院や住宅環境で使用するための厳しい基準をクリアし,日本主導で作った生活支援ロボットの国際安全規格ISO13482の認証を世界で初めて取得している。また,平成26年にドイツにおいて労災保険の適用になったことから,日本においても保険適用の検討が加速し,本年4月から保険適用に至った。今後は,神経・筋難病疾患に対する歩行機能改善に適用される予定である。
大分ロボケアセンター株式会社は,平成26年障害者に働く機会を提供するために創立された社会福祉法人「太陽の家」に設立された。ロボケアセンターが太陽の家に併設された理由は,太陽の家の「科学技術で障がい者の職能を開発する」という理念とサイバーダインの「科学技術は人に役に立ってこそ意義がある」との理念が共感するところがあったからである。
説明を受けた後,トレーニングの現場を視察した。下半身に障害を持つ京都からの男性が2週間の予定でトレーニングを受けていた。HALを装着し自分の足で歩く訓練をするその表情は,「自分の足で歩いている」喜びの表情に満ちており印象的であった。
大分県は東九州メディカルバレー特区の指定を踏まえ,県内の企業がロボット産業に進出するきっかけになればということで,サイバーダイン社へ強い誘致活動を行った結果,大分への立地に至ったとの話もあった。国家戦略都市の指定,メディカルクラスターの形成など医療産業都市として成長を続ける本市も,今後ますますリハビリロボットのニーズが高まってきていることも踏まえ,関連企業の誘致活動に一層力を入れていることを期待したい。また説明の中でも紹介があったが,政府の平成27年度補正予算に介護離職の防止等に緊急的に対応するため,介護従事者や家族などの介護負担軽減に資する介護ロボット等の機器を導入する際に要する経費の一部を助成する「介護ロボット等導入支援特別事業」が盛り込まれている。本市にあっても介護人材の不足が大きな課題となる中,これらの事業を積極的に活用することで介護従事者の一層の確保を図るべきと考える。

(3)「豊後高田市観光まちづくり株式会社」,「昭和の町」について(豊後高田市)

豊後高田市観光まちづくり(株)での調査の様子「豊後高田市観光まちづくり株式会社」及び「昭和の町」について,説明を受けた後,「昭和の町」の視察を行った。
豊後高田市の新たな観光スポット「昭和の町」について,昭和の町の施設運営や施策を推進する豊後高田市観光まちづくり株式会社より説明を受けた。豊後高田市の商店街は地域商業の核として栄えてきたが,近年の大型店の進出や車の普及などにより商店街は衰退の道をたどり,「犬と猫しか歩かない商店街」と表現されたほどであった。商店街の活性化のために平成4年,商工会議所は衰退する中心市街地の起死回生をかけてコンサルタントに依頼し「豊後高田市商業活性化構想」がまとめられた。このプランは文化施設とスポーツ施設を建設し,周囲に新たな商業集積を作るというものだったが,巨費がかかる施設を建設する目処が全く立たずお蔵入りとなってしまった。
この失敗を機に「豊後高田市商業まちづくり委員会」が立ち上がり,この委員会が中心になって議論してたどりついた結論が,商店街が元気だった最後の時代の「昭和30年代」を「まちの個性」としてアピールできれば面白いまちづくりができるということであった。調査の結果,商店街の建物の7割が昭和30年代以前に建てられ,多くの店舗が現在の看板を外せば少しの手直しで「昭和の店」になることが分かった。そうして平成13年,「昭和の店」9店舗と「ご案内人」1人で「昭和の町」はスタートした。「昭和の町」のまちづくりは,4つのキーワードによって取り組まれている。具体的には,1「昭和の建築再生」,2「歴史再生」,3「商品再生」,4「商人再生」である。また,訪れる方々の橋渡し役として昭和の町の5名の「ご案内人」が大きな役割を果たしており,ご案内人と一緒に歩くことで昭和の町の魅力がアップしている。
スタート後は拠点施設としての「昭和ロマン蔵」,「駄菓子屋の夢博物館」,「旬菜南蔵」などが整備され,かつて人通りが少なかった既存商店街には歩行量の大幅な増加,商店数の減少傾向に歯止めをかけ,人口2万3千人余りの市に年間40万人近くが訪れるようになった。大きな成果を上げた「昭和の町」であるが,観光客は週末に集中して平日が少ない。今後は,外国人観光客を含めて平日の観光客の取り込みが大きな課題である。説明の後に「ご案内人」の案内でまち歩きをしながら散策を行ったが,まさに昭和にタイムスリップした印象を得た。また,何よりも「ご案内人」のトークに引き寄せられ,あっという間の時間であった。
地方創生に全国の自治体がアイデアを競う中,昭和の町は「箱物」に頼らず,まちの持つ良さである「今ある町並み」をいかすことで地域再生を成し遂げた好例である。拡大するシャッター商店街の活性化が課題の本市も,今一度地域が「まち」の持つ良さに目を向け,その良さを最大限にいかせるよう一層のサポートが必要であると考える。

(4)「北九州高速鉄道株式会社」,「北九州市環境首都総合交通戦略」について(北九州市)

北九州市での調査の様子「北九州高速鉄道株式会社」及び「北九州市環境首都総合交通戦略」の説明を受けた。
北九州高速鉄道株式会社が運営する北九州モノレールは国道322号線の混雑解消と都心へのアクセス向上のため,わが国初の都市モノレールとして昭和60年に開業した。小倉駅までの400メートルが徒歩連絡という不便のためにモノレール利用客数は予想を大きく下回り,長期間に渡る赤字の原因となったが,平成10年の小倉駅乗り入れを機に利用者数が増加,単年度では黒字を出すまでになった。しかし,その後も累積赤字が残り,経営体質の改善が急務となっていた。そこで,平成17年に再生計画の認可を受け,残っていた債務を株式に転換した上で北九州市が270億を負担し全株取得した。
その後は,開業当初は1日当たり6万5千人を見込んでいた乗降客数が3万人で推移する中,車両修繕費用などの大幅増により平成23年度以降赤字を計上している。そこで平成27年度にICカードの導入,10円の運賃値上げ,団体・学校等の誘致活動強化などからなる「中期5か年計画」を策定し,経営基盤の強化を図っている。今後は,一層の輸送人員の確保と老朽化が進む車両更新費用(90億円を見込む)の捻出が課題である。
平成20年に策定された「北九州市環境首都総合交通戦略」は30施策234事業で構成されている。重点施策として,「交通結節機能の強化」,「バリアフリー化の推進」,「おでかけ交通への支援強化」などを掲げている。おでかけ事業は地域住民の交通を確保するため,採算性の確保を前提として,地域住民・交通事業者・市がそれぞれの役割分担の下で連携してマイクロバスやジャンボタクシー等を運行するものであるが,最大の特徴は収支が赤字であり運賃が200円以上かつ運行開始後1年以上経過した地域には,交通事業者の収支が赤字の際に,赤字額の一部に助成を行っていることである。その際は,地域の取組の成果が助成額に反映されるよう,運賃収入の運行経費に対する割合である「収支率」が高い場合に助成率が高くなる仕組みを採用している
神戸市においては,新たな移動手段の確保に主体的に取り組む地域に対して専門家派遣などの支援が行われているが,試験運行の段階で支援制度の創設には至っていない。政令市においては北九州以外にも横浜市が,生活に密着した地域交通の導入をサポートする「地域交通サポート事業」を行っているが,赤字に対する助成は行っていない。今後,試験運行の内容を見極めた上で制度設計を進めていく本市にとって,政令市では他に例がない「赤字に対する助成」を行いながら市民の移動手段の確保を図っている北九州市の事例は,非常に参考になるものである。

3日間の全ての調査項目において熱心な質疑・応答が行われ,大変有意義な調査が行われたと確信する。今後は,今回の調査結果を市政に反映させて参りたい。

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