現在位置

ホーム > 市政情報 > 神戸市会 > 視察調査 > 委員会視察調査報告 > 企業建設委員会行政調査報告(平成28年)

最終更新日:2020年9月18日

  • [日程] 本会議・委員会の日程がご覧になれます。
  • [議員の紹介] 区別・会派別・委員会別・ 50音順に紹介しています。
  • [会議録検索システム] 本会議・委員会の会議録が ご覧になれます。
  • [インターネット中継] 本会議・委員会の映像を ご覧になれます。

企業建設委員会行政調査報告(平成28年)

ここから本文です。

1.日程

平成28年8月29日(月曜日)~8月31日(水曜日)

2.調査項目

  • (1)横浜市動物園について(横浜市)
  • (2)よこはま動物園(ズーラシア)の集客増対策について(横浜市)
  • (3)横浜市川井浄水場におけるPFIの導入について(横浜市)
  • (4)新潟市スマートウェルネスシティについて(新潟市)

3.委員長所見

(1)横浜市動物園について(横浜市)

横浜市動物園視察の写真神戸市立王子動物園が今年65周年という節目に,今後の動物園の在り方を考える機会とするため,横浜市動物園の調査を行った。
横浜市は,市内に3園と1分園,1繁殖センターを有しており,それぞれの園が持つ役割について当局に伺った。
昭和26年に「野毛山動物園」を開園。昭和54年には,分園として「万騎が原ちびっこ動物園」を開園するも,動物収集により手狭になったため,昭和57年に市内南部に位置する「金沢動物園」を開園。その後,平成11年には旭区に53.3ha(H28年度現在)の広大な土地に「よこはま動物園(ズーラシア)」を開園した。
元々は,野毛山動物園の動物の大部分をよこはま動物園(ズーラシア)に移動させることを構想していたが,やはり都心に近い野毛山もいるだろうということで残すこととなり,結果,野毛山動物園は「都心に近く,コンパクトな,動物とふれあえる身近な動物園」として,万騎が原ちびっこ動物園は「市内西部に動物とのふれあいを中心とした動物園」として,いずれも無料で運営を行っている。
また,金沢動物園は「市内南部の,豊かな緑を生かし,森とエコをテーマとした,高学年による環境教育の場として遠足に利用される動物園」として,よこはま動物園(ズーラシア)は「熱帯林やサバンナまでの8つの気候帯を作り,生育環境展示による誰もが楽しみながら学べる動物園」として,神戸市からすると相当贅沢な環境で,市内1か所に偏ることなく動物園を運営している。
また,横浜市では,園内だけでなく,学校に直接出向き出張動物園スクールを行うなど,教育普及活動にも力を入れている。
横浜市動物園の平成28年度事業費については,市の一般財源で21億円,入園料等収入で1億円超の合計約22億円及び国費である。また,その他に指定管理者である公益財団法人横浜市緑の協会において,企業からの協賛金を集め管理運営を行っている。
また,大学とも連携した「よこはま繁殖センター」では,希少野生動物の種の保存を目的に,市内3動物園の研究センターとして,よこはま動物園(ズーラシア)の一画に平成11年に開設され,世界的に評価されている。なお,動物園の中に繁殖研究施設が開設されたのは国内で初めての事である。

(2)よこはま動物園(ズーラシア)の集客増対策について(横浜市)

よこはま動物園(ズーラシア)視察の様子上記に併せて,最も新しいよこはま動物園(ズーラシア)における集客増対策について説明を受け,現地を視察した。
よこはま動物園(ズーラシア)では,入場料を600円から800円に値上げをしたにも関わらず,平成26年から平成27年にかけて,入場者数は3割増の122万人となった。また,年間パスポートについても,3%から4%と,リピーター率も向上している。
要因として,大きくは,アフリカを感じることができるサバンナエリアが新たに開園したためであるが,しかし,その他,ラッピングバスの運行や地下鉄のつり広告,ナイト・ズーや恐竜イベント等の開催,小学生対象の年間600回にもなる出張授業,ズーガイド(飼育員さん)による1日12回の園内動物説明,SNSによる情報の発信などをしている。特に,動物が生まれる時などはマスコミに案内し,丁寧に説明することを心掛けるなど,相当の知恵の発揮と民間並みの宣伝活動をされていることが,十分に感じることができた。
売店に至っても,プロである百貨店の指導による物販を行い,商品については,頻繁に商品を入れ替え,リピーターであっても立ち寄りたくなる売店となっている。私達も実際に見せていただいたが,買いたくなる品目と陳列,そして雰囲気を作っておられた。
また,繁殖計画策定や,どの動物を収集するか等,市の局長をトップとした動物収集評価委員会において決定されており,委員の皆さんによる質の高い議論がなされているようであった。
最後に,園長からは,これからの動物園運営の方向性は,動物を休ませながらの展示,成育させる「動物福祉」という考え方が広がっていくだろうという話があり,一定の飼育面積がなければ動物を取引できないなど,世界的にも飼育基準が非常に厳しくなってきているとのことであった。常に先進性のある横浜市の都市を動物園が創造しているという都市格の思想を持って,園運営に臨まれていることを強く感じることが出来た。
動物福祉の概念を考えると,動物の生育の面において,王子動物園の面積が8ha程度であるということは大きな課題だ。また,「動物福祉」の概念と,動物にストレスを与えることになる「動物と人との触れ合い」は,考え方として対立するものであり,それをどうやって両立させるかというのは大きなテーマである。
横浜市は相当の気概と哲学をもって動物園の管理運営を行っており,王子動物園と全ての面を比較することは出来ないが,少なくとも施設の老朽化,展示動物の収集難,そして人材育成が課題である王子動物園の今後を考える大きなヒントが多々あった。
現在,神戸市においても,今後の王子動物園について,調査・研究を行っているが,「先進性」という面では横浜市とは大いに共通するところがある。現状にとらわれることなく,学識経験者や市民など幅広い分野の方々と議論を行い,神戸らしい動物園の在り方について将来を見据えて検討していく必要がある。

(3)横浜市川井浄水場におけるPFIの導入について(横浜市)

横浜市川井浄水場におけるPFIの導入について説明を受ける様子本市水道局の水道ビジョン2025や中期経営計画2019に示される「公民連携の強化」に伴い,「浄水場の再整備にあたっては,公民連携の手法を活用したい」との局の方針を受けて,PFI手法による浄水場の更新と運営・管理が行われている横浜市川井浄水場の調査を行った。
川井浄水場は,老朽化が進み耐震性に問題があるということが判明したため,この事業のためだけに設立された7社を株主とする特別目的会社「ウォーターネクスト横浜(株)」が資金を調達して新たな浄水場を再整備し,整備後の施設所有権を横浜市に譲渡し,施設の維持管理と運営を民間である同社が行っている。横浜市水道局とウォーターネクスト横浜(株)の両者から,PFI事業として行われた経緯と浄水処理施設の事業概要について説明を聞いた。
川井浄水場の更新については,設計・建設事業に約5年を費やし,平成26年度に供用を開始した。
事業費は約277億円で,うち2/3が施設整備費用及び施設撤去費用,1/3が供用開始以降20年間の維持管理費である。
PFI手法を導入するにあたり,役割として,市が,川から取水した原水の一定の濁度処理を,事業者が,新たな施設の建設と旧施設からの円滑な移行,市が濁度処理した後の浄水処理と水質の確保,安定的な市民への水道水の提供と,分担を行っている。
なお,この川井浄水場で採用された「セラミック膜ろ過装置」なるものが,売りのようであった。この装置は,省スペース性に優れ,多くの処理水を確保できることから,旧浄水場を稼働させたまま,限られた敷地内で新たな処理施設を建設するには大変都合が良く,また,膜を洗浄した水も捨てることなく,不純物を除去した後に浄水処理に戻すことで,原水から水道水になる割合は,通常は量ベース94%程度のところ,ここでは99.9%と,無駄なくおいしい浄水処理が可能となるなど,民間の高い技術力が活用されている。
そして,この手法によるもう1つの効果は,コストの削減であるが,従来の公共事業方式と比べ,電気使用量は年間40%(約700万円)削減,薬品費は年間36%(約1,500万円)削減と,総事業費で約6%のコスト削減となっている。
また,職員数が浄水係で約15名削減,夜勤者も他の2箇所の浄水場に配置転換することで,ピーク時には約100名いた職員を現在は40名程度まで削減できたとのことであるが,やはり,PFI手法を導入するにあたっては,水道局として最も肝となる「水を作る」ということを民間に任せてしまっていいのか,将来への技術の継承ができるのかなど色々と意見が有ったということであった。
20年の契約期間終了後は,引き続き同社が事業を継続するのか,他社へ引き継ぐのか,横浜市が直営をするのか全く決まっていない。同社が引き継ぐのであればいいが,他社となれば,市で技術指導・監督を行う必要もあり,直営も然りである。そのため,この20年間でいかに市の職員がこの技術を習得するかが課題となっている。
こうした課題もあるが,役割を分割し,互いにチェックしながら,緊張感を持って運営がなされていることについて,安全な水を供給するという意味では1つの有効な手段ではないかと感じた。
まだまだ神戸市と同規模での浄水場の管理・運営まで一括で行っている事例は少ないようであるが,こうした先進事例を踏まえ,今後の本市水道局の公民連携の手法等を検討する必要があると感じた。

(4)新潟市スマートウェルネスシティについて(新潟市)

新潟市スマートウェルネスシティ視察の様子歩行環境や自転車利用環境の調査のため,新潟市のスマートウェルネスシティの取組について調査を行った。
まず,新潟市では,超高齢化の進展や高いマイカー依存,公共交通利用者の減少,全国平均を下回る歩行量という課題を抱えている。
そこで,健康で幸せであることは,個人と社会の双方にとって,生きがいや豊かな生活,医療費の抑制などのメリットがあるととらえ,保健面での「健康づくり」と,公共交通の強化,歩行空間の整備,自転車利用環境の整備の3つを「まちづくり」の両面をセットにして,「健幸都市」を目指して施策を展開している。
今回は,「まちづくり」の観点から話を伺い,現地を視察した。

1.公共交通の強化
今後,高齢で免許証返上となった際を考え,市街地への公共交通機関での移動手段について,細かく分析を行っている。
これまでは,採算の合わない郊外のバスが減便され,市街地はどんどん入ってくる自家用車やバスで慢性的な渋滞となり,また,路線の多さから,わかりにくいバス停となっていた。そこで,イオンがある「青山」という地を市内・市外からのバス路線の交通結節点とし,バス路線の集約と再編を行い,郊外から結節点まではバスを,青山から市街地までは大量輸送が可能なBRT(大きな2両編成のバス)を走らせ,輸送するという再編を行った。その結果,市街地のバスを集約したことで,郊外路線の増便や,街なかの渋滞緩和などの効果が生まれている。
現在,神戸市においても三宮の再整備を進めており,市街地における公共交通のあり方を検討するうえで,参考になるのではないかと考える。

2.歩行空間の整備「ライジングボラードの設置」
中央区古町通6番町・8番町という中心市街地の商店街の入り口2か所に,全国で初めて公道にライジングボラードが設置されている。
ライジングボラードとは自動昇降式の車止めのことで,決まった時間になると地中から自動で車両を阻むための「棒」が現れ,歩行者専用道路にするというものである。
一見何の変哲もない装置であるが,これが歩行者の安心・安全に大いに役に立っているということであった。以前は,商店街の出入口の真ん中に「可動式の看板」を置いて,歩行者専用道路を示してあったが,看板ではそれをちょいとのけて,車両が進入してしまうということが頻繁にあったようだ。
ところが,この装置を付けたことによって違反通行車両は激減し,沿線店舗への搬入業者等も通行可能な時間帯に通行するようになり,通行者へのアンケートでも,可動式の看板よりもライジングボラードがあることで安全性が良くなったと60%が回答している。また,沿線店舗の方からも,今後,ライジングボラードを導入すべきという声が62%もあり,かなり高い割合であった。
しかし,一方,設置費用が古町6番町で730万円,古町8番町で1520万円と高額の設置費用がかかるうえ,年間の維持費用が約40万円もかかるなどから,通学路等への展開はなかなか難しいとの話であった。
神戸市においては,現在,道路のリデザインにより,交通機能優先の道路から,歩行者が楽しみながら歩ける道路の整備等を行っており,そうした道路や商店街等でのライジングボラードの設置は有効に機能するのではないだろうかと思う。
なお,本来は,道路上にライジングボラードについても設置をすることは禁止されており,警察との協議のうえ,道路の使用許可が得る必要があるとの事である。

3.自転車の利用環境の整備
新潟市では,常態化する路上放置自転車や中心市街地における慢性的な駐輪場不足等が問題となっていることから,重点的な駐輪場の整備を行っている。
神戸市においても,道路の空きスペースを活用した路上駐輪場整備は,これまで行っているが,新潟市では,これに加えて,街なかのちょっとした空き地を市が借地・買い入れて駐輪場を整備したり,民間自動車駐車場の一部や空き店舗を有効活用した駐輪場等,うまく民間事業者と連携を図り,空き空間を有効に活用している。
併せて,路上放置自転車の多い場所に,駐輪場への誘導看板を設置するなどの働きかけにより,自転車等の撤去台数が,平成25年度の1,895台から平成27年度には880台と大幅に減少をしている。
神戸市においても,慢性的な駐輪場不足という課題を抱えているが,こういった民間事業者との連携による整備は大いに参考になるのではないかと考える。

3日間,各委員の活発な意見交換,質疑応答があり,大変有意義な行政調査となった。また,横浜市,新潟市共々,お忙しい中,大変丁寧な対応とおもてなしをいただいたことに,心より感謝申し上げる。

お問い合わせ先

市政、くらし、各種申請手続でわからないことは神戸市総合コールセンターにお電話ください

電話 078-333-3330 Fax 078-333-3314

このページの作成者

市会事務局総務課 

〒650-8570 神戸市中央区加納町6-5-1 神戸市役所1号館25階