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最終更新日:2020年9月18日

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未来都市創造に関する特別委員会行政調査報告(平成28年)

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1.日程

平成28年2月1日~2月3日

2.調査項目

  • (1)空間デザインについて(JTQ Inc. 谷川じゅんじ氏)
  • (2)丸の内駅前広場の整備について(東日本旅客鉄道株式会社)
  • (3)森ビルの街づくりの考え方について(森ビル株式会社)
  • (4)武蔵小杉駅周辺のまちづくりについて(川崎市)
  • (5)渋谷駅周辺の再開発について(渋谷区・東急電鉄株式会社)

3.委員長所見

未来都市創造に関する特別委員会は、2月1日から2月3日の3日間の行程で首都圏における再開発事業を中心に視察を行った。本委員会は三宮再整備事業について審議する役割も担っており、他都市での開発事例を参考にすることは非常に重要であると位置づけ本視察を企画した。

(1)空間デザインについて(JTQ Inc. 谷川じゅんじ氏)

谷川じゅんじ氏の講演の様子まずはJTQ Inc.の谷川じゅんじ氏に講演をしていただいた。谷川氏は自らをspace composer(空間創出人とでも訳すべきか)と定義し、空間が持つ力を最大限に発揮する仕組みづくりを提案、提供されてこられた人物である。自社を「空間をメディアにしたメッセージの伝達」を考える集団と表現している。
谷川氏自身はディズニーランドを運営するオリエンタルランド、イベント会場の設営などを手がけるディスプレイ会社でのキャリアを背景に現在の事業を立ち上げられた。
東急東横線渋谷駅跡地を活用して行ったユニクロのTシャツ販促イベントであるUT POP-UP! TYO、ルーブル宮で行われたパリ「感性」展、神宮外苑で行われたJAPAN BRAND EXHIBITION in TDV、GOOD DESIGN EXHIBITION2012、平城遷都1300年祭を記念して行われた薬師寺ひかり絵巻など、これまで手がけられてきた作品を紹介していただく中で、コンセプトを明確にして表現すること、情報に囲まれその情報を感じることができる空間をつくること、その空間から「期待」と「印象」と「記憶」の循環をつくりだし愛着を生み出すこと、一方通行のコンテンツ発信から持続的な文脈(コンテクスト)を掘り下げること、訪れる人と迎える人がつくり出す雰囲気により場の印象を高めるような体験価値のデザイン化の重要性を説明していただいた。イベントに限らずおやまゆうえん跡でのショッピングモール再生事業では、日常生活の中で訪れる場所を前述したコンセプトを具現化した再生計画を実行することで集客力を取り戻すことにも成功されている。
谷川氏の話を聞いて、三宮再整備事業におけるコンセプト、そこに生まれる空間が与える効果についてまだ明確に定まっていないことを痛感した。私が特に重要だと思った話は、ブランド価値は1年や2年でつくり出されるものではなく、長く継続する中でまさにそのコンテクストや雰囲気を人々が体験することによってつくり出される永続的なものであるということである。神戸の持つブランド価値、あるいは今後発信していかなければならないブランド価値についてもう一度考えて見る必要があると痛感した。

(2)丸の内駅前広場の整備について(東日本旅客鉄道株式会社)

東日本旅客鉄道株式会社での調査の様子その後は、場所を東京駅に移してJR東日本東京駅の丸の内前広場の整備について説明を受けた。三宮再整備事業も駅前整備が伴う。その中で駅前整備の事例として2017年の完成を目途に行われている丸の内駅前広場の計画について調査した。
JR東日本では日本の首都東京の顔にふさわしい多彩な魅力と先進の機能をもった駅として、東京駅周辺地区の都市空間整備を進めている。先進的な都市をイメージした八重洲側とは対照的に、歴史と文化を感じられる東京駅丸の内駅舎と調和する象徴的な空間となる駅前広場整備に取り組まれている。
整備の概要としては、広場中央部に大きな歩行者空間「都市の広場」を整備し、その南北に「交通広場」を整備することである。都市の広場は約6,500平方メートルの整備であり、皇居に面するロケーション、御車寄せの維持などその特性を生かした整備を行うものである。舗装は行幸通りとデザインの一体性に配慮した白を基調とした御影石舗装、植栽は皇居前広場へつながる軸線を意識した樹形が美しく緑陰豊かなケヤキを列植、照明はデザイン性の高いポール照明柱を設置。明るすぎない照明とすることで丸の内駅舎を際立たせるなどの工夫がされている。丸の内周辺エリアのデザイン計画はエリア全体を一体的にデザインするという観点から景観・建築・ファニチャー・照明・デザインなどの有識者、東京都、千代田区、大手町、丸の内、有楽町地区まちづくり協議会及び事業者などで構成する会議で議論して取りまとめられたものである。ここでも重要なことは空間のコンセプトを明確に打ち出すということであった。

(3)森ビルの街づくりの考え方について(森ビル株式会社)

森ビル株式会社での調査の様子2日目の午前中は森ビル株式会社にお世話になり、六本木ヒルズの再開発事業について伺った。はじめに、森ビルの震災への取り組みについて説明を受けた。ハード面の取り組みとして、国内最高グレードの耐震性能の導入、自家発電による電力の確保、エレベーターの安全性・機能向上、建物被災度推測システムの導入、震災井戸の設置、震災対策本部のバックアップ体制の確保につとめられているとのこと。脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある特定天井(6m超の高さにある面積200平米超、質量2kg/平米超の天井で人が日常利用する場所に設置されているもの)の対策、都市ガスによる発電・東京電力からの供給・灯油による発電など独自のエネルギープラントにより電気を供給できる体制を維持するなど震災対応もしっかりと行われている。災害時における社員の行動に関する教育も行われており、訓練も行われている。今回の視察の中で特筆すべきは、災害時の備蓄である。地震そのものによる災害のみならず、公共交通機関の麻痺による帰宅困難者対策である。森ビルでは10万食の備蓄がされている。帰宅困難者5,000人を受け入れる計画で、住民、オフィス利用者、社員も合わせて3食3日分を想定した10万食を用意しているとのこと。都が6分の5を助成する制度があるものの、多くの備蓄品は5年をめどに廃棄しなければならず、5分の1ごとの更新を前提とした補助を行って欲しいなどビル運営会社としての要望も切実であった。
震災対策の後に、六本木ヒルズを見学し、再開発事業の流れについてレクチャーを受けた。都市の立体利用を掲げ、都心部の一等地に高層ビルを建設し平面を創出、老朽化した建造物を撤去し道路を再整備するといった再開発事業の基本ともいえる事業である。
六本木地区の再開発は1986年に再開発誘導地区の指定、その後5町会による街づくり懇談会の発足、1990年12月に再開発準備組合を設立し、1995年4月に都市計画決定が告示された。この間9年の年月を費やしたとのこと。その後、組合設立認可申請に向けた協議が開始され、1996年1月に組合設立認可申請、同年9月に組合設立が認可された。2000年2月に権利変換計画が認可され工事が着工した。この間14年の年月をかけ、その後3年の工期を経て17年間にわたる再開発事業が竣工することとなった。
400を超える地権者たちとの協議、権利変換にかかった労力ははかり知しれないものがあっただろう。神戸でも老朽化問題を抱える、さんセンタープラザの将来を考えれば、今から権利整理に向けた取り組みを行い将来の再開発につなげられるように働きかけなければならない。これらの取り組みは行政主導ではなく、民間活力を導入し官民が協力関係のもとで進めていかなければならないだろう。その後、多くの自治体での駅周辺再開発事業、商店街の再生事業などの取り組みの説明を受けレクチャーを終了した。民間事業者である森ビルの説明は開発のビジョンについても大変理解しやすく、こういったプロによるビジョンの描写も神戸に必要なのではないかと感じた。

(4)武蔵小杉駅周辺のまちづくりについて(川崎市)

川崎市での調査の様子午後は川崎市の武蔵小杉駅周辺の再開発事業を視察に行った。小杉地区は川崎市の中央部に位置し、JR南武線・横須賀線および東急東横線・目黒線が交差する交通結節点であり、市政運営の基本的な方針である「アクションプログラム2014」では都市の拠点機能を整備するため「民間活力を生かした魅力ある広域拠点の形成」を図る地区として、川崎駅周辺地区および新百合ヶ丘駅周辺地区とともに重点的にまちづくりを進める地区として位置づけられている。武蔵小杉駅周辺には撤退した工場跡地やグラウンドなどの種地を生かした市街地再開発事業を行っている。小杉駅東部地区、中丸子地区、小杉駅南部地区など合計11の開発が計画・実施されている。東京駅から電車で20分という恵まれたロケーションを生かして、その建物のほとんどがマンションといった住居用の建築物である。住環境の整備によるまちづくりとも言えるのかもしれないが、駅直結の図書館を整備するなど住民サービスの充実を視野にいれた開発が行われていることも興味深い。この開発で5,000戸の増加があるとのこと、人口でいえば10,000人を超える増加を伴う事業である。三宮の再開発事業というよりは、周辺地域の開発事業の参考になるものである。実際にまち街を歩いて見学したが、これから開発に着手される地域と完成した地域が混在しており、開発中の街の雰囲気も体感することができた。

(5)渋谷駅周辺の再開発について(渋谷区・東急電鉄株式会社)

渋谷区・東急電鉄株式会社での調査の様子最終日は渋谷区を訪れ、渋谷駅周辺の再開発事業について調査を行った。
国道246号および明治通りといった主要幹線道路、宮益坂・道玄坂、公園通り、井の頭通りといった地域の輪をなす道路、4社8線が結節する鉄道施設および東口バスターミナルといった都市基盤が形成されている渋谷駅周辺だが、老朽化や安全性の課題を抱えており、安全性および防災性の向上、交通需要への対応、施設の更新、利便性の向上という要求に応える形で平成17年12月に「渋谷駅周辺地域」が都市再生緊急整備地域に指定されたこと、平成20年6月に東京メトロ副都心線が開通したことなどの状況を受け開発事業が動き出した。平成21年には「道路」「都市高速道路」「河川」「交通広場」「土地区画整理事業」について都市計画決定が行われ、現在は第二段階として平成25年に「道路」「交通広場」「駐車場」について、平成26年に「道路」「駐車場」「自転車駐車場」について都市計画決定が行われ現在は土地区画整理事業による東口の工事が行われている。平成31年度の完成を予定されているとのことであり、西口については平成38年度の整備完了を予定されている。整備内容については「渋谷駅中心地区基盤整備方針」に記載されているが、エリアを区分した特色あるまちづくりを目指していることがわかる。「渋谷駅中心地区まちづくり指針2010」にはまちづくりの将来像が明記され、戦略的なまちづくり計画が実践されている。三宮のビジョン策定の際に参考にされたのだと思うが、アーバンコアといわれる地上と地下の階層をつなげる空間の創出など、三宮再整備の参考ともなる仕組みも盛り込まれている。すでに事業が着手されており、日々姿を変えていく渋谷駅周辺の推移を見ていくことは我々にとって非常に有意義なものとなるだろう。実際の開発事業では民間事業者と行政の協力関係が明らかであり、その推進力を肌で感じることができた。

すべての調査を終えて感じたことは、神戸の再整備計画はビジョンこそ示されたものの、具体性、実現可能性、完成する空間のイメージを抱くには程遠く、これからも成熟した議論を重ねなければならないということである。あわせて、民間事業者の具体的な提案をコンペにかけるなど、具体的でスピード感のある事業実施へとつなげていくことの重要性も感じた。種地を持たない再整備事業であり大変困難な事業ではあるが、神戸のコンセプトを明確に打ち出し、永続的な魅力を発信していくことができるブランド価値を創出することができるかどうかが、都心再整備事業の鍵を握るだろう。3日間にわたる本調査は、未来都市創造に関する特別委員会にとって大変有意義な調査となったことをここに報告する。調査先の各機関に心より感謝する。

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