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最終更新日:2020年9月24日

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外郭団体に関する特別委員会行政調査報告(平成29年)

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1.日程

平成29年1月30日(月曜日)~1月31日(火曜日)

2.調査項目

  • (1)金沢の芸術文化振興について(公益財団法人金沢芸術創造財団)
  • (2)金沢港のクルーズ客船誘致について(石川県,一般社団法人金沢港振興協会)
  • (3)Share金沢について(社会福祉法人佛子園)

3.委員長所見

(1)金沢の芸術文化振興について(公益財団法人金沢芸術創造財団)

金沢の芸術文化振興視察の写真公益財団法人金沢芸術創造財団は,金沢市民の芸術文化の土壌の醸成や振興に寄与する目的で平成5年に設立された金沢市の外郭団体であり,現在,金沢歌劇座や金沢21世紀美術館など8つの芸術文化施設の指定管理者として管理運営を担っているほか,財団独自の自主事業も行っている。
金沢市には,公演などを行うためのホールとして,歌劇座,文化ホール,アートホールの,3つのホールがある。最も大きい歌劇座は,1,919座席を有し,コンサートや様々な大会に利用されているが,ホールの稼働率は平成27年度60.4%にとどまっている。市からの委託料1億4,200万円に対し,使用料収入は前年比550万円減の9,400万円である。文化ホールは899席のホールのほか,楽屋に加え会議室・茶室などの設備を備える。管理費は1億4,700万円,使用料収入は前年比740万円増の7,700万円に上っており,稼働率も平成26年度60.1%から平成27年度66.3%と向上している。歌劇座の竣工は昭和37年,文化ホールは昭和57年と,今後の施設更新が課題となっている。アートホールは平成6年に開館され,308席と小規模利用に使用されている。
金沢市民芸術村は,紡績会社の工場跡地を平成5年に金沢市が購入,暫定利用の後,利用調査検討チームなどが発足,「金沢芸術文化村」の開設が計画され,文化施設に改修後,平成8年に金沢市民芸術村として竣工,開村された施設である。演劇や音楽,アートのための練習・制作から発表・作品展示に至るまで,市民の芸術文化活動の場として提供されている。施設運営は,利用者を代表するディレクターを民間人に委嘱する「市民ディレクター制度」が導入され,市民主体の運営となっている点に特徴があり,開村時間も,24時間制がとられ,市民の自主運営によって成り立っている。総合ディレクター1名を中心に,ドラマ,ミュージック,アートにおいて,各2名からなるディレクターが月1回のディレクター会議を開催して,工房の運営や課題について話し合いを持って運営されている。紡績倉庫群を保存することと,芸術文化を市民に自主的に浸透させること,両方が実現できていると感じた。24時間開村は,かなりハードルが高いと思うが,市民の自主運営によってこれまで継続されており,運営法など,参考にできる点があるのではないかと感じた。
21世紀美術館は,平成8年に準備事務局が発足後,8年後の平成16年に兼六園にも近い都心にオープンした。歴史や伝統を重んじる金沢のまちにあって,現代美術をテーマとすることで,当初は反対意見もあったそうだが,オープン後は世界的にも注目を集め,国内外の多数の来館者が訪れる美術館に発展し,平成27年度の来館者数は230万人と,開館以来最高となっている。月曜日で休館日であったため,無料ゾーンを1周するのみで終わったが,中心の有料ゾーンを見てみたくなる仕掛けもあり,ぜひ今度はプライベートで来てみたいと思えるユニークで美しい魅力的な美術館であった。

(2)金沢港のクルーズ客船誘致について(石川県,一般社団法人金沢港振興協会)

金沢港のクルーズ客船誘致視察の写真石川県庁において,金沢港の概要,クルーズ船の入港状況,誘致施策について調査を行った。金沢港の歴史はそう深いものではなく,昭和38年の豪雪時,陸上輸送が途絶えてしまった経験から,翌昭和39年に築港が開始され,昭和45年――1970年に開港,あと3年でようやく50年という港である。しかし,近年,クルーズ船の寄港数は大幅に増加傾向にあり,平成24年に6隻であったものが,平成29年の予定入港数は50隻を超える見込みとなっており,目をみはる伸びを見せている。クルーズ船の停泊できる埠頭は,水深10m,2バースの戸水埠頭,水深7.5m,3バースの無量寺埠頭に加え,昨年,9万トンの超大型船セレブリティ・ミレニアムの入港時には,水深13mの大浜埠頭で対応している。大浜埠頭のエリアには,コマツの大型工場と,その背後に海岸沿いのゴルフ場があり,客船入港時には,簡易のテントなどで対応したということである。
金沢港がクルーズ船寄港地として優位な背景には,日本海側のクルーズ時,中心に位置することで拠点にしやすい,2カ国以上の寄港の必要がある外国船クルーズにとって,釜山港や上海港,ウラジオストク港にほどよい距離にある,日本的な観光地を多数持っている,伝統工芸や食文化が多彩など,多数の理由が存在している。さらに,北陸新幹線の開通により,東京圏のアクセスも向上し,今後も更に伸びが期待できる見込みとなっている。
先日,今回の視察に先立ってスマートクルーズアカデミーのフォーラムに参加したが,その際,日本に寄港する大手の外国船クルーズ会社3社によるプレゼンテーションが行われ,日本海を主要航路に選択したコスタ・クルーズ社も参加していた。コスタ・クルーズ社によると,「日本における外国船クルーズ社としては後発組になるため,他の外国船の航路があまりなく,日本海を主要航路に選定する優位性があること,釜山,上海に近いこと,さらに,台風の影響を受けにくいこと,日本的な観光地が多数あること」などの理由により,日本海航路を選定したとのことであった。この点について話をすると,金沢港の御担当は,「本当は,更に金沢港を拠点港にしてもらいたかったんですが」と話をされていた。コスタ・クルーズは舞鶴が拠点港である。
クルーズ船の誘致施策については,神戸港同様にマイアミでのクルーズ・コンベンションに参加したり,クルーズ船社へのクルーズセールスを行っているほかに,金沢独自の,市民を巻き込んだおもてなしの施策「金沢港クルーズ・ウェルカム・クラブ」という取組が行われている。市民にウェルカム・クラブの会員になってもらい,客船入港時のセレモニーを市民に担ってもらうというものである。クラブの会員数は5,000人を超え,演奏だけに限らず,着物による出迎えなど,市民が参加しやすく,外国の方には楽しんでもらえる,善い取組であると感じた。神戸も参考にできるのではないかと思う。
また,金沢港のクルーズ船誘致施策で特筆される点として,ターゲットをラグジュアリー船に置いている点がある。中国からの大型客船は,金沢までは少し遠いため,航路日程として長い航路になるものは少ないと見て,欧米からの小型のラグジュアリー船をターゲットにしてきたということである。ブランド力向上もねらってのことだそうであるが,近年,大型船も入ってきており,再検討が必要になってきたということであった。

(3)Share金沢について(社会福祉法人佛子園)

Share金沢視察の写真施設長の御講演の前に,「なぜごちゃまぜの福祉を目指すのか」ということを,紹介DVDで説明された。佛子園の社会福祉事業は,戦後の戦災孤児や障がい児などを引き取ったことに端を発する。その後,障がい者の福祉事業を中心に,日本海倶楽部というユニークな地ビール事業など様々な事業を運営されてきていたが,「住職が亡くなって寺が荒れ果てている,何とかしてほしい」という,ある依頼をきっかけに「ごちゃまぜの福祉」はスタートする。依頼の主は,小松市にある「西圓寺」というお寺の周辺住民からのものであった。住民を交え2年をかけて議論され,廃寺「西圓寺」は,天然温泉施設「西圓寺」に生まれ変わり,温泉帰りに寄れる居酒屋や,障がい者と地域住民が一緒に働く味噌作りの事業など,住民との交流と事業が同時にスタートする。
Share金沢は,佛子園にある児童入所施設の老朽化更新に伴う土地探しの際,金沢市のサナトリウム跡地と出会い,西圓寺の5年後に,西圓寺をモデルとしてオープンすることになる。
Share金沢の敷地内は,中心に天然温泉とそれに併設する食堂,デイサービスや訪問介護の拠点,ギャラリーを有する建物を据え,周囲に「福祉・児童入所施設」が3施設,「サービス付き高齢者向け住宅」が平屋(4戸)4棟,2階建て(8戸)2棟,計32戸の住宅,アトリエ付きのものもある学生向け賃貸住宅,さらに,キッチンスタジオやカフェのほか,ガイア自然学校が運営する学童保育など,多種多様の施設や人々が居住し,交流している。周囲は,金沢市の中でも新規開発の地域であり,人口増が続いているところである。新規居住者のほとんどが若い核家族の世帯である。学童保育に通う子供の中には,おじいちゃんやおばあちゃんと触れ合う機会の少ない子供も多く,そのため,週に一度は,園内に住む高齢者の方々がお店番をする温泉横のお店で駄菓子を買うことになっているそうである。また,学童保育は,園内に残る林などの自然を生かした,毎日がボーイスカウト活動のような自然学校のスタイルとなっている。子供たちは,園内で過ごせば,自然に,中で居住したり働いている障がい者や障がい児と出会うため,障がい者がいることが当たり前の空間で成長する。いつか聞いた児童教育の先生の講演で,「子供が成長する過程で,どれだけ多様な経験をできたかが,後の思考力や想像力に大きく影響する」というお話があったが,将来,ここで育った子供たちに会ってみたいと強く思った。
内閣府の進める日本型CCRCのモデルとして取り上げられて以降,視察調査に全国から押し寄せて来られるそうであるが,国の事業で始めているのではなく,民間主体で始められており,CCRCとしての助成を受けているわけでないということである。Share金沢としては,都心からの高齢者移住という目的で作ったものではないことに言及され,障がい者が暮らしやすい,障がい者福祉の視点が原点ですと強調されていた。
園内を歩いて回ったが,アルパカが3頭飼育されており,学童保育の子供たちや周辺の子供たちに大人気というのも十分納得できた。
神戸市のしあわせの村は,80年代に全国の自治体に先駆けて整備され,当時としては,かなり先進的な市民福祉を実現する施設である。今では当たり前となっている介護や福祉のサービスや設備が,理念から盛り込まれた先見の明のある素晴しい施設であると,神戸市民として自慢できるものである。しかし,中にある施設は機能別に縦割りになっており,互いに融合させる概念には欠ける点がある。また,「村」という名称にしては,居住できるところもほとんどない。今後,Share金沢を一つのモデルとして,しあわせの村を,市民に更に喜ばれる「村」に更新していってはと感じる。

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