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心肺蘇生を望まない方に対する新たな救急活動の運用を開始します ~本人の意思を最大限に尊重した活動へ~

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記者資料提供(2023年3月16日)
消防局救急課
 近年、高齢化等を背景に尊厳死の概念が広まり、救急現場において癌の末期や老衰などで、本人や家族が心肺蘇生を望まない事案が徐々に増加しています。
このため、消防局では、これまですべての心肺停止状態の傷病者に対して心肺蘇生を行うことを救急活動の基本方針としてきましたが、心肺蘇生を望まない方への救急活動について本人の意思を最大限尊重するために、医師や弁護士等の有識者で構成される神戸市メディカルコントロール検討委員会※において検討を行いました。
検討の結果、令和5年4月1日から、これまでの活動方針を見直し、心肺蘇生を望まない方に対する新たな救急活動の運用を開始することとしました。
※ 医師をはじめとした有識者により構成され、救急活動方針の策定や事後検証体制の確保など、医学的観点から、救急救命士等の行う応急処置等の質を保障し、救急業務の高度化や円滑化を目的とした委員会です。

1.概 要

 救急隊が出動した現場において、傷病者本人が心肺蘇生を望まない意思を書面又は家族等からの情報提供により確認できた場合で、かかりつけの医師等から心肺蘇生を中止するように指示を受けたときには、救急隊はその意思を尊重した活動を行うこととしました。
※ 人生の最終段階にある傷病者本人が、家族や身近な人、医師等と将来の医療及びケアについて事前に話し合い、傷病者本人が心肺蘇生を望まないという意思を医師が確認していることが前提となります。

2.イメージ

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3.説明動画

「本人の意思を尊重した救急活動の実現」
URL:https://youtu.be/0RDP-O1a-vE   QRコードロゴ

4.参 考

(1)神戸市医師会と連携したポスター広報
 救急隊が心肺蘇生を望まない方の意思を尊重して活動するためには、傷病者本人が家族や身近な人、かかりつけ医等と将来の医療及びケアについて事前に話し合いを行っていることが前提となります。
 そのため、神戸市医師会において、Advance Care Planning(略称ACP)に関する普及啓発を行うためのポスターを制作して、市内の医療機関を中心に掲示していただくこととなりました。家族や大切な人、医療従事者と話し合うことの大切さを記載した4種のポスターには、消防局が本人の意思を尊重した救急活動を開始することも記載していただいています。
 ※Advance Care Planningとは、人生の最終段階に、どのような医療やケアを望むのか、本人・家族・身近な人、医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセスのことを言います。

ポスター     

(2)神戸市におけるACPの普及促進に向けた取組み
 「人生の最終段階における意思決定支援」に関する有識者会議を令和元年12月より5回にわたり開催し、令和3年8月に報告書を公表しています。 (https://www.city.kobe.lg.jp/documents/31838/202108-acphoukokusyo.pdf)
 本報告書の内容を踏まえた具体的な取組みについて、看取りにかかわる医療・介護関係団体の実務者等をメンバーとする検討会議において現在検討を進めており、令和5年4月以降、市民向けパンフレットをあんしんすこやかセンターや市内の医療機関、介護施設等において配布するとともに、市民向け講演会や医療・介護従事者向けの取組みを順次実施する予定です。
 ※ ACPの普及促進に向けた取組みについてのお問い合わせ 健康局地域医療課 TEL:078-322-5246