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灘区と合唱の不思議な縁(えにし)(2021年12月)

最終更新日:2024年1月10日

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神戸市灘区。その一帯に、日本の合唱の歴史に名を刻む優秀な合唱部(団)が複数存在しているが、以下、灘区コーラスフェスティバル出演校に限って、その歴史を簡単に振り返りたい。

私立校の松蔭学院や、親和中高の出発点となった親和女学校は19世紀末に創立しているが、いずれも戦後から合唱に力を入れ始め、現在もコンクールで華々しい成果を上げている。

公立校の神戸高や鷹匠中は、戦後から、次々と名伯楽を指導者に迎えることで頭角を現し、コンクール全国大会で優勝するなど、全国にその名を轟かせてきた。近年では長峰中学校もコンクール全国大会に出場するなど、その活躍には目覚ましいものがある。

神戸大学も戦後、アポロンを始めとする合唱団が次々と誕生し、関西を中心に活躍している。ちなみに1889年、原田の森に開学した関西学院は後に西宮市上ヶ原に移転したが、120年以上の歴史を誇るグリークラブは、現在もコンクール全国大会金賞常連校であり、その活躍は世界的にも有名である。

一方、学生時代に合唱に親しんだ者が中心となり、大人となっても一般合唱団として活動している。なかでも、神戸中央合唱団は元町の栄光教会聖歌隊を母体に発足し、世界の合唱シーンをリードしている。混声合唱団はもーるKOBEは阪神間の大学生が中心となって創立され、今や関西を代表する合唱団として、コンクールや演奏会などで活躍している。この二つの団体は、ともに灘区を中心に活動している。

このように、ある特定の地域に、合唱活動が特に盛んな団体が集中しているのは、私の知る限り、神戸市灘区と福島県郡山市の他には思い浮かばない。それほど、灘区には合唱を盛んにさせる要素があるのかもしれない。

話は変わるが、灘区を含む灘五郷では、鎌倉時代から酒造業が盛んとなり、そのなかで「酒造り唄」、いわゆる労働歌が紡がれてきた。それは単旋律の合唱ではあるが、古くから灘の地に朗々と響いてきたのであろう。これも合唱の源流として、記憶にとどめておきたい。

改めて、灘区と合唱の不思議な縁を感じざるを得ない。

(灘区コーラスフェスティバル副実行委員長 濱田 直勝)

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