最終更新日:2022年10月19日
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2月下旬ごろから3月中旬ごろにかけてとれるイカナゴのシンコ(当歳魚)を使った「イカナゴのくぎ煮」は垂水発祥の料理です。
イカナゴのくぎ煮は、神戸市漁業協同組合(垂水漁港)でも販売していますが、ぜひ一度、ご家庭でもチャレンジしてみてはいかがですか。
神戸市漁業協同組合 TEL.078-706-0456
神戸市漁業協同組合水産加工品直売所 TEL.078-708-1616
(問い合わせ時間 9時~16時)
FAX.078-708-1617
イカナゴをザルに入れ、水洗いをして手早く水切りをします。
鍋にしょうゆ、砂糖、みりんを入れ、フタをして強火で沸騰させます。
煮汁が沸騰してきたら、イカナゴを2~3回に分けて鍋に入れます。
再び沸騰してきたら、あく取りをします。
しょうがの千切りを入れて、そのまま強火で炊きます。
約40分たって煮汁が少量になれば、鍋を打ち返して中火にします。
煮汁が無くなれば、ザルなどの容器に移して、一気に冷まします。
※1キロgのイカナゴで、「くぎ煮」が約600g出来上がります。
※2キロgのイカナゴの場合は、以下の分量で50~60分煮込む
生イカナゴ・・・・・・2キロg
濃口醤油・・・・・・・480cc
中ざら砂糖・・・・・・680cc
みりん・・・・・・・・・・180cc
土しょうが・・・・・・・30~50g
垂水区は、神戸市の沿岸の西端に位置しており、昔から現在の垂水漁港につながる海岸などでは、漁が盛んに行われていました。
1955年代前半ごろから、漁業から離れる人が増えてきたので、1959年に、神戸市西部沿岸に点在していた駒ヶ林浦(長田区)から舞子(垂水区)までの7つの漁協を統合し、漁業を営む皆さんの団結を強化しました。
また、閑漁期となる毎年12月から翌年3月ごろまでの冬季の間に、何か収入が得られないかと、ノリの養殖が行われ始めたのは、1960年ごろでした。
現在では、ノリの生産枚数は年間約9,000万枚、生産金額にすると全漁獲生産額の約3割を占めています。
神戸市漁業協同組合(垂水漁港)にお邪魔して、現場を見せていただきました。
兵庫県のノリの生産高は全国一ということはごぞんじですか?ここ垂水でも年間約9,000万枚ものノリが生産されます。
1)ノリは、養殖時期により、秋芽と寒芽に分かれます。
秋芽は、9月中旬~10月中旬にかけて網に胞子つけをします。これを冷蔵庫に入れ、水温が22度くらいになると海に入れます。
2センチメートルぐらいまで大きくなったら、再び冷蔵庫に入れ、水温が18度ぐらいになる11月25日前後まで保存します。
そして、いよいよ収穫。
1回目は15日後ぐらいに摘みとり、2回目からは、7日ぐらいおいて摘み、平均約5回収穫できます。
真冬を迎え、水温が11度以下になる1月15日前後には、秋芽の網を引き上げて、寒芽のたね網を海におろします。
寒芽は平均して7回ほど摘むことができ、春先ごろにノリの生産は終了します。
2)ノリを摘んだ後、鮮度を落とさないように、えびや小魚の付着物を落として海水洗いを10分ほど行います。
3)ミンチという機械でカッティングを行います。
4)ノリと水の割合を決めて、調合機で混ぜます。
5)「すき機」を通してから、ますに入れ、19センチメートル×21センチメートルの形に整形します。
6)プレス脱水をし、約38~42度の乾燥機に入れ、2時間ぐらい乾燥させます。
7)100枚束にして、検査してもらい、最上級~等外まで60~70種類に分けてから、共同入札にかけて業者に売却します。
垂水でとれるノリの品質は、全国一だそうです。
関西地区では、焼きノリは3割ほどで、味付けノリがほとんどです。
垂水のノリの約8割は焼きノリの消費の多い関東に運ばれます。
しかし、神戸市内では、「須磨のり」というブランド名で、市内の有名デパート、垂水漁港直売所などで販売しています。
ノリの養殖は、1960年ごろから須磨浦地区で初めて開始されたため、この名前がつきました。そのため、この辺でとれたノリは全てこの名前で販売されています。