神戸市では、東日本大震災以降、津波による浸水が想定される沿岸部で、地域住民による避難計画づくり「地域津波防災計画の作成支援」を進めてきました。まち歩きやワークショップを重ね、津波防災マップの作成と全戸配布、津波表示板の設置、津波緊急待避所の指定といった取り組みを行っています。
一方、地域住民による取り組みではカバーできない都心部では、観光客など地理に不案内な方も多く、安全で迅速な津波避難行動につながる情報提供・啓発に向けて、鳥瞰図を活用し一目で街の立体感が分かる「津波避難情報板」と、適切に津波避難の情報提供と避難誘導ができる「担い手」となっていただくための「神戸市都心部における津波避難行動・誘導の指針」を整備しております。

津波避難情報板
浸水想定区域等を表示した地図、津波避難行動の情報(情報収集やより早くより高い所へという避難行動等)等を掲載した看板「津波避難情報板」6か所を新設するとともに、既存の道案内の地図「まちかど案内サイン」56か所に海抜情報を付加することで、津波避難についての啓発を進めています。
特に来街者の多い駅前の3か所については、鳥瞰図絵師の青山大介氏の作品「みなと神戸バーズアイマップ」を大きく掲載しています。鳥瞰図を見ていただくことで、建物の高さや密集度合い、避難する道路の状況などを俯瞰的に見て感覚的に街の構造を把握していただくとともに、市役所1号館など高い建物が目印になり、津波避難行動をイメージしやすく、迅速な避難行動につながるものと考えています。
津波避難情報板
津波避難情報板
神戸市都心部における津波避難行動・誘導の指針
本指針は、兵庫県が公表した南海トラフ巨大地震による津波浸水想定(2014年2月)を踏まえ、神戸の都心部における津波避難行動・誘導の基本的考え方を三宮、元町、神戸のエリアごとに整理し、「安全をおもてなしの一つ」としてとらえ、その担い手となっていただく事業者や各種団体の皆様が具体的な避難・誘導計画を作成して頂く上で、踏まえるべき内容を示したものです。

都心部各エリアの津波避難行動のあり方