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定例会見 2022年(令和4年)1月12日

最終更新日:2022年1月12日

ここから本文です。

市長会見の模様をお届けします。



・新型コロナウイルス感染症対について
 -市内の新型コロナウイルスオミクロン株等の確認状況について
 -一般高齢者の追加(3回目)接種をさらに前倒しします
 -接種証明書の電子交付サポートを強化します
・ブルーカーボンの取り組みについて
 ~海と山が育むグローバル貢献都市に向けて~


会見資料はこちら(PDF:5,062KB)

・新型コロナウイルス感染症対策
・ブルーカーボンの取り組みについて
・質疑応答(発表項目)
・質疑応答(発表項目以外)

新型コロナウイルス感染症対策について

司会:

ただいまから1月1回目の定例会見を始めます。

市長、よろしくお願いいたします。

 

久元市長:

よろしくお願いいたします。私から今日お話を申し上げたい案件は2件です。

オミクロン株が急速に感染を拡大させています。これらの状況を踏まえたコロナウイルス感染症対策、それから、新しい取り組みとしてブルーカーボンの取り組み、これを御紹介申し上げたいと思います。

 

まずは最近の、直近の陽性件数ですけれども、今日、先ほど報告を受けたばかりですが、今日の新規感染は193件ということで、急速に感染が拡大をしているという状況です。この193件という件数は、12月の1か月の合計の新規感染件数が92件ですから、1日でこれを上回っているという状況です。ちなみに過去最多の1日当たりの件数は8月19日の392件ということでした。現在の神戸市の医療提供体制と感染状況を兵庫県のフェーズで当てはめますとフェーズ2ということになります。確保病床の使用率は337床のうち78床が使われていて23%、重症者病床の使用率はまだ低い水準にとどまっています。47床のうち使われているのは1床だけです。新規感染の週感染者数は、この1月5日から1月11日までの間に19.2件ということになっています。

 

神戸市は、従来から市民の皆さんに、この感染の状況を正確にお伝えするということに努めてきました。特に変異株、これが英国型の、それからデルタ株、オミクロン株と、こう変異しているわけですけれども、状況が、変異株の感染状況が変わってきているわけですが、その感染の内容、つまり変異株の状況について知って、サーベイランス体制を確立して、その状況を正確に市民の皆さんにお伝えをするということに努めてきたわけです。感染が拡大しておりますので、少し、これは従来から申し上げてきたことの繰り返しですが、変異株のゲノムサーベイランス体制、これを健康科学研究所でしっかりと確立するということを心がけてきました。11月29日以降、これは国からオミクロン株の拡大を受けて通知があって、このサーベイランス体制を強化するようにという通知が出る前からの神戸市の体制で、今もこれを継続しているわけですが、できるだけ新型コロナの陽性検体を市内の医療機関から集めると、そしてこれを、まずL452R変異株のPCR検査を行う、これはデルタ株かどうかということの、当時はデルタ株がメインでしたから、デルタ株でないものは、これはオミクロン株の疑いが強いということで、これを直ちにゲノム解析をすると、オミクロン株かどうかということを確認するということを、作業をしてきたわけです。しかしこのゲノム解析を行うためには、ウイルス量が一定ある必要があります。一定のものがあるものはゲノム解析をすると、しかしウイルス量が少ないものは、これはE484Kという、この変異があるかどうかというスクリーニングPCR検査、ゲノム解析までは至らないPCR検査をすると、このE484Kというのは、いわゆる免疫逃避、ワクチンが効くかどうかということを確認する、これが確認をされれば、ワクチンが効かなくなるリスクが高くなるということで要注意という、そういうPCR検査をしてきたわけです。この体制をずっとこれまで継続をしてきております。

 

その状況ですけれども、この11月29日、神戸市としてサーベイランス体制を強化してからの、この変異株のサーベイランスの状況ですが、この1月2日、1月の2日と3日で分けているのは、3日からこのオミクロン株とみられる感染が急拡大をしてきたということで、件数も短期間のうちに相当多数に上っているということになるわけですが、この間、まず、この11月29日から1月2日の間は、92件の陽性のうち50件を検査し、54.3%、この段階ではオミクロン株の疑いは1件だけでした。これが、1月の3日から1月の7日、167件の新規感染があり、104件の検査、これは62.3%、これぐらいの検査割合があるというのは、自治体の中では相当高いほうではないかと思いますが、これだけの検査を行いまして、オミクロン株の疑いがあるものが89件ということになっています。これは85.6%ですね。この疑いがあるもののうち、ゲノム解析を行って、この変異株が確定したものが、この11月29日から1月2日までの間には、1件だったわけです。これと同じですけれども、1月の3日から1月の7日は、これが29件、オミクロン株が29件、それからデルタ株が6件ということになっておりまして、こういう状況を見ると、神戸市内におきましても実際の変異株の検査の状況から見ても、もう大部分がオミクロン株に切り替わっているということが分かるわけです。この状況につきましてはホームページで公開をしていきたいと思っております。これも、前の感染拡大の時期にも行っておりましたが、毎週木曜日にこれを公表したい、記者クラブの皆さんにも提供するとともに、ホームページでこれを公表していきたいと考えております。

 

感染者の年代別の状況を見ますと、これはほかの地域でも確認されていることですが、若年者の割合が多くなっています。10歳未満、10代、20代、30代、こういう順番で色分けをしているわけですが、12月中で見ると30代以下が約5割でした。これが直近1週間で見ると、30代以下の方が約7割ということになっております。

 

感染者の重症度です。感染者の重症度を見ると、今度は12月中で切っておりますが、12月中で見ると、軽症が70人、無症状が8人、中等症が7人ということで、12月中の重症者はいませんでした。この直近、今度は1月の1日からで切っておりますが、この間では軽症が159人、94%を占めていますね。無症状が9人、中等症が1人ということになっています。やはり1月に入ってからも重症者は見つかっていないという状況です。

 

この状況をどう判断するのかというのは、これは見方によって分かれようかと思いますが、まず、重症者が低いということは事実です。しかし無症状であっても、あるいは軽症であっても、身体にどういうダメージが与えられるのかというのは、必ずしもまだ解明ができてはおりません。軽症であっても後遺症が残る、これはオミクロン株以外のデルタ株などでも観察されてきたところです。それともう1つは、軽症、無症状者が多いということは、これは受診につながっていないケースもかなりあるということが考えられるわけで、知らず知らずのうちに感染が拡大をしている可能性もあります。当然のことながら、全体として重症の割合が少ない、中等症の方も僅かにとどまっているわけですけれども、急激に感染が拡大をしてしまい、これから大きく感染が広がっていくことになれば、一定の割合で重症者が出るということも想定されます。ですからやはり、実際の行動によってこの感染を防いでいくということは大変重要なことでありまして、少しでも熱が出るとか、鼻水が出るとか、咳が出る、のどが痛いと、こういう軽い症状がある場合にはできるだけ早く医療機関に受診していただきたいということですね。それから当然のことながら、これは保健所のほうに相談をしていただければ、オミクロン株も含めて、コロナに感染をしているかどうかを確認することができる医療機関なども紹介することができます。もちろん基本的な感染対策である、周りに人がいるときには必ずマスクをする、距離を取っていただく、こういうような対応をしっかりと行っていただきたいということを改めてお願い申し上げたいと思います。

 

こういうふうに感染が広がってきておりますので、やはりこの感染対策、実際に感染された方に対する対応、重症化予防という面も含めて保健所の対応能力を強化していくことが必要です。これはこれまでの第5波までの経験に学びまして、感染が広がったらこういう対応を取るということは決めておりましたけれども、1つは、実際にもう感染が拡大をしてきておりますので、自宅療養者の方にしっかりと連絡を取ってその症状を把握するということが重要ですが、この夜間も含めたコールセンター、これは従来から設置をしております。これは保健センターごとそれぞれで対応をしてきたわけですが、今日からはこの夜間コールセンターですね、電話相談のオンコールの電話を保健所に一元化いたしまして、夜間の電話対応を、これを一元化するということにいたします。

 

それから、保健師の職員の体制ですけれども、従来は、これは執務時間が決まっていて、それ以外は時間外勤務で対応していたわけですけども、感染が拡大をしているということで、保健師の対応を、遅出勤務のシフトをつくりまして、通常の勤務時間はほかの職員と同じ8時45分から17時半ですけれども、遅出勤務のシフトをつくって、午後の12時15分から夜の9時までの遅出勤務をつくるということで、これによって保健師の時間外勤務を、シフト自体を変えて、時間外勤務を減らす、業務過多、1人1人の保健師の職員の業務過多を防ぐというふうにしたいと考えております。

 

次は、やはり3回目のワクチン接種を進めるということです。国は12月17日に通知を出しまして、おさらいになりますが、2回目接種後から、医療従事者や高齢者の入所施設の方については、普通は8か月ですけれども、これを6か月後にする、それ以外の方は一般の高齢者、7か月後にすると、接種は2月からすると、こういう方針が出されました。後で申し上げますが、神戸市もこの方針に対応いたしまして、3回目の接種を前倒しするという方針を、これはこの場でも発表をさせていただきました。その後、12月28日に、今度は一般の高齢者については、施設入所者等について一定の完了が見込まれた段階で、2月を待たずに前倒しで接種をすることが差し支えないというふうに、そういう方針が出されました。それからさらに、後藤厚生労働大臣は、高齢者、各自治体でワクチン供給スケジュール、これには変更がないことを前提にして、できるだけ前に進める方向で対応してほしいと、こういうお話がありました。さらに昨日、岸田総理からは、モデルナワクチン、1,800万回分が確保されたので、これを活用して一般分についても、つまり高齢者以外の方ですね、そういう方についても前倒しをすると、こういう方針が出されました。さらに、これまでワクチン接種の対象となっていなかった12歳未満の子供について、薬事などの必要な手続を経て、希望者に対してできるだけ早くワクチン接種を開始するという方針が出されました。岸田総理のこういう方針を受けて、65歳未満の一般の方、さらには12歳未満の子どもについても、国から方針が示されても直ちに対応ができるように、内部の検討をスタートさせました。これはまだ確定をしていないですけれども、方針が示されれば、速やかにこれに沿った対応を神戸市はできるだけ早く行うようにいたします。

 

一方、12月28日に示されました高齢者の接種の前倒しの方針を受けまして、神戸市としては以下の対応を行いたいと考えております。

 

高齢者については1月17日を皮切りに、1週間ごとに2回目の接種時期を踏まえた接種券の発送を行うこととしておりました。17日から接種券の発送が始まるわけです。そこで12月23日に発表した段階では、個別接種会場は2月1日から、その他集団接種会場、大規模接種会場については2月5日から接種を開始すると、こういうことにしていたわけですけれども、これをさらに前倒しをいたしまして、個別接種会場については1月18日、つまり17日から接種券を発送しますから、接種券が届き次第、1月18日から接種できるようにいたします。集団接種会場のうち、神戸市役所の24階、ここは2月5日を予定しておりましたけれども、1月29日から。それからノエビアスタジアムについては2月5日からの予定にしておりましたが、これを1月29日に前倒しをいたします。それ以外の集団接種会場と大規模接種会場のハーバーランドセンタービルについては2月5日から接種を開始いたします。

 

ワクチンの種類ですけれども、個別接種会場と集団接種会場である神戸市役所1号館24階はファイザー社製を使います。ノエビアスタジアムとそれ以外の集団接種会場につきましては、モデルナ社製のワクチンを使うことにいたします。神戸市に来ている、あるいは来ることになっているワクチンの種類は、大体5割強がファイザーで、5割弱がモデルナということになっているのを踏まえたワクチンの振り分けをしているということです。こういう形で、一般の高齢者の方、施設に入っておられない高齢者の方の接種スケジュールは、この2月に、もともと、前倒しの前は17万人でしたが、さらに16万人を前倒し、33万人の方が2月中に受けられるようにするということにしておりましたけれども、先ほど申し上げましたような前倒しの措置によって、この33万人のうち8万人については1月中に接種が受けられるようにするということで対応したいと考えております。これが3回目のワクチン接種に関する方針の変更です。

 

次は、違うテーマですけれども、接種証明書の電子交付ということを従来から行ってきました。これは昨年の12月20日から、スマートフォン上の専用アプリで申請をすることで、二次元コード付きの接種証明書ですね、これが受けられるようになっています。しかしながら、VRS上に正確な情報が入力されていないというようなこともありまして、接種情報が正しく表示されないというケースがありました。そこで、神戸市独自のスマート申請システム、e-KOBEで運用しております証明書アプリ情報修正サイト、これを開設いたしまして、このサイトを通じてこの申請に応じてきたわけです。今後、1月17日から接種券を発送するタイミングになりますと、これは実際にこの接種番号が分かるとか、接種証明書を入手する必要性が高まりますので、この修正サイトを分かりやすく運用していただくようにするために、対面での相談窓口をつくります。電子交付サポート窓口というふうに呼んでおりますが、これを1月17日からスタートをいたします。各区役所、それから北須磨支所、西神中央出張所で、このサポートを行います。

 

このサポートでは、スマートフォンの操作の補助とか、あるいはワクチン接種記録内容の相違の是正を受け付ける、こういうような対応をいたします。あわせて、技術スタッフによる専用コールセンター、テクニカルコールセンターも設置をすることにしておりまして、このテクニカルコールセンターが、スマートフォンに接続をすることで、画面を一緒に見ながら相談をするということが可能になります。こういう形で、この接種証明書についてはかなりたくさんの方々が申し込んでおられますので、その中で、情報が正確でない、修正をする必要性のある方がいらっしゃいますので、そういう方にもしっかりと寄り添った対応をしていきたいということです。コロナワクチンの関係は以上です。

ブルーカーボンの取り組み

2番目では、神戸市独自のブルーカーボンの取り組みについて御紹介を申し上げたいと思います。

 

神戸は2025ビジョンでも「海と山が育むグローバル貢献都市」を目指すということを言っております。神戸は海がある、そして山がある、非常に恵まれた自然環境があるわけですけれども、特に海、それから山の中の淡水域を舞台に、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を減らす取り組み、これをできないか、こういう考え方からブルーカーボンの取り組みをスタートさせたいと考えているわけです。

 

これは一般的な説明になりますが、いろいろな要因で森林の二酸化炭素吸収量がかなり減っている。そして今後さらに、2030年に向けては、CO2の吸収量はどんどん低下していく、残念ながらそういうことが見込まれております。もちろんこれに対してはしっかりと対応していかなければなりません。森林の再生ということをしっかりやっていかなければなりません。同時に、CO2を吸収する、このステージとして考えられる1つは海域です。この海域には炭素を吸収する、定着をする、そういう仕組みが既にあります。それは藻場でありまして、海藻や、海の藻類、これが生息をしている場所です。この藻場がCO2を吸収するということ、これが従来から分かっておりました。同時にこの藻場を増やしていくということは、CO2を吸収するということ以外にも、多様な生物がここに生息をする。神戸市の幹部職員にも非常に高名な海中カメラマンがいて、私も写真を見せてもらったりしたこともありますが、たくさんの生き物がいると、生物多様性の場であるわけです。魚やエビやカニなどの産卵場にもなっております。

 

こういう生物多様性の維持ということのほかに、この藻場は水質を浄化するという意味もあります、酸素を供給する役割も果たしております、海岸線を保全するという意味もあります。この藻場を増やしていくということは非常に大事ですが、特にこの地球温暖化を防止するという観点からは、このCO2の吸収源、ここにもっと注目されてもいいのではないかという発想です。そこでこれから、後でも申し上げますが、神戸空港の空港島などで、このブルーカーボンの、現在の藻場の状況を調査したり、あるいはこのブルーカーボンの今後の可能性について分析をするという取り組みをひとつ行います。それから、これは今まで取り組まれることはまずなかったのではないかと思いますが、淡水域でのブルーカーボンの取り組みをしたいと。そしてこの、こういう水域でのブルーカーボンの取り組みというのは今まであまり知られていなかったので、ぜひ神戸市として、こういうパイオニア的な取り組みを行って、これをぜひ発信していきたい、認知していただきたい。そのためには、大学などの研究機関と連携をして活動を展開するとともに情報発信を行う、たくさんの方に参加してもらう、そういうことを考えたいというのが、これが施策の柱です。

 

具体的に申し上げますと、1つは神戸空港の空港島です。神戸空港の空港島を整備するときには、できるだけ環境に配慮した造成をした。これはあまり知られていないですけれども、できるだけ環境に配慮した造成をしたいということで、緩やかな傾斜の護岸を造っております。こういう傾斜護岸を整備して、特に西側の人工海浜ですけれども、シダモク、あるいはアカモクといわれるような藻や、あるいはタマハハキモク、あるいはワカメ、こういうような藻がかなり付着をしているということが確認されています。そこで、この恵まれた環境を生かしまして、このブルーカーボンの定量的評価、これを実施する。後で御説明いたしますけれども、定量的評価を実施する技術研究組合、これがありまして、この技術研究組合、ジャパンブルーエコノミー(JBE)というわけですが、この研究組合に対して、この神戸空港島の藻場が、CO2の吸収という意味でどういう観点からどういう役割を果たしているのかということ、あるいはそれがどう評価できるのかということ、これを調査・分析を依頼いたしまして、次にお話をいたしますブルーカーボンオフセット制度、これを活用できないか、こういう検討をしているわけです。このブルーカーボンオフセットは、これは、例えば先ほど申し上げましたような藻場などがある場で、藻場の造成や、あるいは調査・分析を行う、こういう活動をする方、こういう方の活動がどれぐらいCO2排出抑制に寄与しているのかということを評価していただいて、それを金銭的価値に換算をする、クレジット証書を発行する、こういう役割をJBEの技術研究組合に行っていただきます。そして、換算された金銭的価値を購入する方を募集する。これを購入することによって企業はCO2の削減に対して、これぐらい社会貢献ができていますよということを社会に対して発信できるという取り組みです。

 

つまり企業の資金、こういう地球温暖化、CO2の削減に貢献したいという企業はかなりあるわけですけれども、最近はESG投資という言葉がかなり行き渡るようになっていまして、環境、社会、あるいはガバナンス、その中でも環境に対する価値というのが企業に対する投資という意味で大きな尺度を持つようになっているわけですね。ところが、それを具体的にどういう形で社会貢献をするのか、いろんな取り組みがあるわけですけれども、そういうような必要な社会貢献の1つの発露の方法として、この仕組みをぜひ使っていただきたい。そして、このBCクレジットを購入していただいて、それが実際のガバナンスの活動につながるということをブルーカーボンオフセットは目指しているわけです。

 

神戸市として取り組みたいと思っているのは、淡水域ですね。神戸は海が目の前に広がっているわけですが、貯水池やため池、ため池も大小様々なため池があります。ため池や貯水池などの淡水池で同じようなブルーカーボンの取り組みができないかということです。ところが淡水域でのブルーカーボンの取り組みというのは、今までなかなかありませんでした。

特に淡水域において実際にどれぐらいのCO2が淡水の中の藻に付着して、それをどういう方法で評価をして、金銭的な価値に換算するのか、こういうことは今まで行われたことが恐らくはないわけですね。これをぜひ、神戸市の水道局が長年管理をしております烏原貯水池においてできないかというのが今回の取り組みです。烏原貯水池は1905年に完成した非常に由緒のある貯水池でして、ここでぜひ、そういう実験ができないかということですね。

 

烏原貯水池では、これは水道局独自の取り組みとして、これまで水道水のカビの臭いをいかに抑えるのか、そのためにササバモの藻が有効であるということが分かってきましたので、これを移植する実証事業というのがあるわけです。このササバモというのを既に藻場として造成していますので、ササバモがCO2の吸収にどれぐらい役に立つのか。この活動には学生ボランティアの皆さんに参加していただいておりまして、学生の皆さんの参加も得ながら、CO2の吸収の評価にも取り組んでいきたいというのが今回の取り組みです。

 

今後、神戸市の中にあるたくさんの池でもこれが展開できないか、どういう取り組みをやればCO2の吸収に効果がある水草が増えるのか、まずそれをやろうということで、神戸市の須磨区の中に奥池という池があるわけですが、ここは現在、水草がない状況です。現状の水質を分析し、そして、新たに水草を移植することによって水質がどう変化するのか、そして、ブルーカーボンという観点からどう評価できるのか、こういう実験をこれからスタートしたいと考えております。

 

このための推進組織が必要です。淡水域のブルーカーボン組織といたしましては、関西学院大学社会学部の松村准教授に中心になっていただいて、神戸ボランティアによる学生の皆さんの参画によって推進主体となる組織の立ち上げを進めております。関西学院大学の学生の皆さんが中心になって、既に学生団体である「Re.colab神戸」という団体も結成されておりまして、淡水域におけるブルーカーボンの活動への参加、そして、そういう取り組みをさらに広げる、広報啓発活動を行っているわけです。

 

もう1つ、淡水域のブルーカーボンのCO2吸収評価方法を確立するために、神戸大学の中山教授、あるいは神戸市立高専の宇野教授、それから海外とも連携して実証実験の解析を行う、こういう評価方法検討チームも立ち上げまして、CO2の吸収の評価なども行っていきたいと考えております。

 

今後、情報発信としては、こういう情報発信を強化することによって参加者を増やし、参加者に対してはブルーカーボンの紹介をいろいろと行って認知度を向上させ、参加者を増やしていき、これを息の長い持続的な取り組みに発展させていきたいと考えております。情報発信の例が先ほど申し上げました「Re.colab神戸」による情報発信でして、学生の皆さんが自ら参加された取り組みを取材して、記事原稿を作って、動画を制作してWeb配信をするというものです。

 

今後、SNSなど様々なツールも活用して神戸におけるブルーカーボンの取り組み、さらには里山や里海の保全に向けた情報発信を行って、たくさんの企業や市民の皆さんに賛同いただいて、活動の場を広げていきたいと考えております。

 

違う場所の事例を少し紹介させていただきますと、1つは須磨海岸です。須磨海岸は開港150年の記念事業として、急に深くなっていた海中に相当砂を投入いたしました遠浅海岸整備というのを行いました。これで藻場が出来やすい環境になっています。昨年10月には須磨海岸でいろんな活動をしているNPOや学生の皆さんが連携して、ブルーカーボンフェアというイベントが開催されました。ここでは単に啓発だけではなくて、須磨海岸にあるアマモの移植などの実証実験も行われたわけです。今後は、須磨海岸以外に舞子や塩屋でも同様の取り組みを行っていきたいと考えています。

 

もう1つは兵庫運河です。兵庫運河は、大分前本当に水がよどんでいて、水質も悪化していたわけですが、最近は地元の皆さんの努力などもあってかなり水質も改善をしました。たくさんの魚や貝やカニなども生息しております。ここでは漁協やNPO、あるいは地元の浜山小学校や兵庫運河を美しくする会、ここで真珠貝を造成するというようなプロジェクト。こういうような人たちから成るプロジェクト、兵庫運河の自然を再生するプロジェクトが従来から展開されているわけですが、ここでもアマモの植付けや、あるいはアサリの育成の試験なども行ってCO2の吸着などを図っていきたいと考えております。

 

地球温暖化への対応というのは物すごく難しい課題ですが、しかし、もちろんいろいろな対応が必要ですけれども、やはり地元の自治体として、そして地域の皆さんもやれることをしっかりやっていくということも重要です。そういう形で次世代の環境活動にたくさんの市民の皆さんが参加していただく、そして、企業の皆さんに支えていただく、そういうようなアプローチの重要な柱がブルーカーボンではないかと考えています。

 

我が国は海に囲まれた海洋国家ですから、こういう藻場の造成に適した場所は日本中にもたくさんあるはずです。神戸における取り組みが我が国全体に広がっていって、地球温暖化を防ぐ上で貢献できるような取り組みに成長していってほしいということを願いながら、取り組みの紹介とさせていただければと思います。

私からは以上です。

質疑応答(発表項目)

司会:

それでは、ただいまの会見項目に関しまして、まず御質問をお受けしたいと思います。御質問される方は挙手の上、報道機関名、お名前をお願いいたします。

 

記者:

ワクチンのほうで伺いたいんですが、ちょっと確認で、接種券の発送時期自体は変わらずに、受けられる時期がちょっと早まるという、そういう理解でよろしいですか。

 

久元市長:

そうです。1月17日からスタートして、1週間ごとに発送するというスケジュールは変えません。

 

記者:

8万人を前倒しとあるんですけれども、これは皆さん、一般の高齢者で8万人分の枠があるということになりますか。

 

久元市長:

8万人は全て65歳以上の高齢者です。ワクチンの確保は国から供給される見通しがついているものを前提に、既に神戸市として確保されているもので、確実に供給できる見通しを立てた上で、先ほど申し上げましたようなスケジュール、そしてその前倒しをするということです。

 

記者:

もっとたくさん1月中に確保できそうとかになると増える可能性もあるということなんですか。

 

久元市長:

それはそうかもしれませんが、1月中に追加して、国から来るという情報はありません。多分ないと思いますね。

 

記者:

オミクロンのことでもう少し詳しく分かればというところなんですけれども、例えば、ワクチンを接種された方がどれぐらいいらっしゃったとか、オミクロンの中での重症の状況とか、あるいは曝露から発症までどれぐらい時間がかかっているのかとか、もう少し詳しいところが分かればお願いします。

 

久元市長:

重症者は先ほど申し上げましたように、オミクロン株が確認されたのは最近のことですから、重症者は12月中も1月中もいないわけですね。ですから、オミクロン株で重症になった人は少なくとも神戸ではいません。

 

それから、感染してから発症する時期というのは人によってみんな違うわけで、個々の発生の状況は個票を見れば分かるかもしれませんが、総体的な情報というのはまとめてはおりません。

 

記者:

ほとんどの方がワクチンを打たれているとは思うんですけど、疑いが90人いらっしゃる中で内訳とかいうのがもし分かれば。

 

久元市長:

今すぐ手元にはないわけですが、大きな傾向として言うと、数字は持ち合わせておりませんが、11月中に発症された方は、かなりの方々はワクチンを既に打って、発症された方はワクチンを打っていなかった方ですね。ところが12月に入ると、ワクチンを打っておられた方も感染される方がかなり増えている。12月の途中までは大部分がデルタ株だったわけですが、途中からオミクロン株に置き換わって、恐らくはオミクロン株に感染された方は、ワクチンを打っていても感染する傾向があるということは一般的には言えるかと思います。

 

記者:

あと、ワクチンのほうですけども、これは確認なんですけども、国から供給の追加の前倒しはあるんでしょうか。

 

久元市長:

国からの前倒しというよりも、先ほど申し上げましたように、国からの供給量は確実に見込めるものを私たちはまず前提にして、それから既に保有しているものもありますから、それを前提にした接種計画をつくっているということです。決して国のことを信用しないというわけではありませんが、やはり去年の6月を思い起こしても、国から「どんどん打ってください」と言われて、それで物すごいスピードで打ち出した途端に「後は来ませんよ」と言われて、ワクチン予約キャンセルセンターまで職員の皆さんが徹夜で立ち上げて、それで必死に電話をかけて、もちろん市民の皆さんからおしかりを受けるわけですけれども、そういう経験もありますから、やっぱり確実に見込めるワクチンの供給見込みを前提とした、その上でどこまでぎりぎりまで前倒しができるかというのが、今日お話をする内容です。

 

記者:

あと、資料にも示されていますけれども、12月17日にまず通知を示されて、11日後に改めて違う方針が示されてという、この国の対応というところは何か受け止めといいますか、思われることはありますか。

 

久元市長:

やはり国としてもできるだけワクチンを早く、できるだけ前倒しをして打ってほしいということを考えておられますから、そういうような問題意識に立った上での対応だと思いますから、こういう形で国の方針が追加されて変更されるということについては、これはこれでやむを得ないのかなと思います。

 

記者:

基本的なことで大変申し訳ないんですけども、今回、前倒しの対象となった8万人については、国からのワクチン供給などいろいろ考えて8万人前倒しするということで、この中には接種間隔が7か月より短い方もいらっしゃるということでしょうか。

 

職員:

今回の8万人の前倒しでございますけれども、接種間隔は変えてございません。接種開始日を一般の高齢者の方、2月開始のところを1月中に開始して差し支えないという国の方針に基づく措置でございますので、接種間隔は変わってございません。

 

記者:

接種間隔が7か月たった人の中からということですね、1月中に打つということは。

 

職員:

先ほど市長のほうからも御説明をさせていただきましたけれども、2月から高齢者の方の接種が本格化するということは、これまでも御説明を申し上げてきたかと存じますけれども、もともと接種券は1月17日から、したがいまして、来週17日から一般高齢者の方がメインターゲットという形でお送りをさせていただく。そういう環境が整いましたので、私どものワクチンの供給、それと接種体制のバランスを勘案しながら、8万人という数字を試算したということでございます。

 

記者:

病床の使用率23%ということなんですけれども、中等症の今の数とかを考えれば、軽症以下の方も入院されている方がいるということかと思うんですけれども、当初、オミクロンが出だした頃とちょっとまた状況も、今日もかなり人数が出ていますし、変わってくると思うんですけれども、今後の入院の基準というのは、中等症以上の方を入院させていくようなことになっていくんでしょうか。

 

久元市長:

これは、当初は、オミクロン株に感染された方は、感染者も、それから濃厚接触者も全部入院するということだったわけですが、1月8日に県の方針が変更されておりますので、ちょっとその状況を、そしたら健康局のほうから説明してくれますか。

 

職員:

今、市長のほうからもございましたように、当初は、オミクロンの陽性患者につきましては全員個室での入院措置で、濃厚接触者については基本的には宿泊療養施設に入所を要請するという対応でございました。1月5日の厚生労働省の通知で、自宅療養でありますとか宿泊療養の体制が整った自治体につきましては、オミクロン株の患者等について、これまでのデルタ株と同様に、患者については症状に応じて宿泊療養・自宅療養をしても差し支えない、濃厚接触者についても自宅等に滞在しても差し支えないという方針が示され、その日に兵庫県におきましても病床の逼迫状況を避けるということでそのような運用を開始されておりますので、神戸市も現在はそういう運用をしております。

 

記者:

神戸市も、兵庫県の示されている対応に倣って対応していくということですかね。

 

職員:

はい、そのとおりです。

 

記者:

分かりました。ありがとうございます。

すいません、あと、ブルーカーボンのほうについてもお伺いしたいんですけれども、途中で示されたブルーカーボンオフセットの仕組みのところなんですけど、これって、例えば今後、神戸市として、クレジットを購入する企業とかに対して補助金だとか、クレジット購入がより広まるような支援的な部分も何か検討されているところはあるでしょうか。

 

久元市長:

今はこの仕組みで、現にこれを購入するという動きもありますから、まずその状況を見たいと思いますが、今後、さらにこういうブルーカーボンを支援する上で、神戸市としての支援をすることによってこれが広がるということがあれば、状況を見ながら神戸市としての独自の支援も考えていきたいと思います。

 

記者:

分かりました。ありがとうございます。あと、淡水域というのが全国初というのは、評価の方法、仕組みを確立しようとする取り組みが全国初だという認識でいいんでしょうか。

 

久元市長:

淡水域でCO2の吸収につながるという観点から、藻場を造成し、それを、今回の評価の仕組みというものも入れて調査・分析して、淡水域での水草によるCO2の吸収につなげていこうと、こういう取り組みは、これ、いつも「ほかの自治体でやったことがないのかと、100%証明はなかなかできにくいんですけれども、恐らく初めてではないかと思います。

 

記者:

すいません、聞き逃しだったら恐縮なんですけど、この淡水域での取り組みって、いつ頃から始められたというのは言っていただいていましたか。

 

久元市長:

まず、ササバモを移植して造成するというのは、これはCO2の吸着という観点は当初はなかったわけですけれども、これは水道局によって、2年ぐらい前ですかね。

 

職員:

カビ臭対策につきましては、平成30年からです。

 

記者:

コロナウイルスのほうで、今日、193件ってかなり急増していると思うんですけど、可能性の話であれなんですけど、いろいろ連休とか帰省が続いて休みが続いたというのはあると思うんですけど、このタイミングでこれだけ急増したという、何か要因として考えておられることとかはあるんでしょうか。

 

久元市長:

なかなか難しいですね。1つは、3連休が続いたので、やはり、感染者が発生しましたという情報、あるいはそれを把握する、そして、実際にPCR検査の結果、陽性と確認するというのが、3連休があったので、従来もそうなんですけれども、ちょっと3連休中は件数が減るわけです。特に月曜日なんかは減るわけですね。今回はそういうのがまとめて報告が来た可能性もあります。しかし、それ以外にも、例えば年末年始に人の移動が非常に多かったということで感染が増えている可能性もあります。しかし、いずれも可能性の問題で、確たることは断定的にはなかなか言えないと思います。

 

記者:

それと、現在の状況では、沖縄ですとか広島、それから山口県にまん延防止の措置が出ていると思うんですけど、神戸市の状況で、今のところそういう病床が逼迫している状況ではないとは思うんですけど、経済活動との両立というのもあると思うんですけど、このまま感染者が増えた場合に、改めてそういう、最終的な判断はもちろん県になると思うんですけど、市長としてその辺り、どのようにお考えなんでしょうか。

 

久元市長:

法律上の権限は県知事にありますから、県の方針に従って、私たちは、保健所設置市として、また基礎自治体としてやるべきことをやるというのが従来からのスタンスでした。ただ、その上でも、前知事に対しても非公式に意見を申し上げたこともないわけではありません。そういうことを前提にして申し上げるならば、今すぐ例えばまん延防止等の重点措置を取ってほしいということを神戸市から要請することは、現時点では考えてはおりません。

 

記者:

それは、やはり重症者が少ないというか、そこは経済活動を止めるようなことには今の段階ではしないほうがいいというお考えでしょうか。

 

久元市長:

先ほど申し上げましたように、1月8日の県の方針を受けまして、無症状の方などは自宅に療養していただく、そして軽症の方などは民間療養施設に入っていただく。軽症の方もかなり、今、入院しているんですけれども、そういう形で対応してとにかく重症化を防ぐということ、これも、第4波のときの経験を踏まえて、第5波では自宅療養者に対してとにかく重症化を防ぐための対応というのを必死に行いました。そういう対応、我々がやるべきことはしっかり行っていくということをまず基本にしたいと思います。

 

それから、病床使用率、特に重症者用病床の使用率から見ても、少なくとも今はこういう状況にとどまっているので、やはり、先ほど申し上げましたけれども、市民の皆さんには、特にオミクロン株を侮ることなく、重症化リスクが低いといっても軽症の方でも後遺症になる、これはほかの変異株でも見られてきたことなので、やはり決して侮ることなく緊張感を持って感染予防を呼びかけるということをまずやっていきたいと思います。

 

記者:

あと1点だけ、保健所のほうの体制は強化されるということだと思うんですけど、現状、まだ重症者も少ないということなんですけど、今の保健所の業務の状況などはどんなような状況でしょうか。

 

久元市長:

これは、また必要に応じて山﨑局長からも補足していただきたいと思いますが、保健所は急にこれだけをやったわけではないんです。保健所は、新型コロナウイルスとの対応が始まってからずっと厳しい状況に置かれてきた。神戸市としては、やはり保健師が不足しているということなので、令和2年度も3年度も、途中募集、途中採用も含めて保健師の増員というのを図ってきました。これは、ほかの自治体に比べても相当大幅に増員してきたと思います。

 

あとは、保健所の皆さんの仕事として、私も何回も保健所に行きましたけれども、紙とファクスの世界なのを、できるだけタブレットなども使って効率的に行うというふうにも変換しましたし、それから、感染をされて無症状でかなり元気な方、当然、濃厚接触者の方もいらっしゃいますから、そういう方からは、全部職員が電話で聞き取るのではなくて、自分で、御自身で入力していただいて、そういうフォーマットも作って、それを集約するというような業務改革もかなり行ってきております。

 

当然のことながら、これは行財政局などとも一体となって、これまでも、感染が拡大したときにはほかの部局からの応援体制を取る、兼務の職員もたくさん入れる、それから、兼務で対応できない場合には、専任の職員にするとか、専任の職員として保健所で勤務してもらうとかという対応を取ってきました。そういう体制をこれまでも状況に応じて柔軟に行ってきていますから、今後、感染が急拡大するとすれば、そういうことを総動員して、しっかりと対応できるように保健所の体制を確立していきたいと思います。

 

記者:

1点目が、まずちょっと基本的なところの確認になってしまうんですが、オミクロン株の確認状況で、1月3日から7日のところのゲノム解析の状況ですね、これ、35件というのは、この89件のうちこの期間に確定が出たものという認識でいいのか、抽出なのか、すいません、教えていただけますでしょうか。

 

職員:

現在までに数字が出ているもので、現在、今日も解析しておりまして、午後、この89名が全て陽性、オミクロン株、確定する予定です。ゲノム解析は二、三日かかりますので、少し遅れが出ているということです。

 

記者:

それから、先ほどの中で、現時点でまん延防止等の要請を神戸市からすることはないとありましたが、感染が急拡大、感染者が増えている中で、市長としての現在の危機感であるとか現状への受け止めを、すいません、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか。

 

久元市長:

少し繰り返しになるかもしれませんが、オミクロン株の、まず神戸市としての基本的なスタンスは、感染の状況をできるだけ正確に市民の皆さんにお知らせする。特に神戸市は、変異株については、健康科学研究所が環境保健研究所と言われていた頃からかなりパイオニア的に変異株のサーベイランスを行って、その状況も公表してきましたので、やっぱり正確な情報をしっかりと市民の皆さんにお知らせして、そして冷静に感染予防の行動を取っていただく、そのための基礎的な情報をしっかりと発信するということをまず心がけたいと思います。

 

その上で申し上げるならば、オミクロン株は間違いなく感染力が強いわけですね。一方で、重症化リスクも低いと言われている。しかし、だからといって、オミクロン株ではまだそこまでは言えないかもしれませんが、軽症であっても後遺症が残るという事例も従来から言われていますから、身体に与えるダメージが分からないわけですね。ですから、決してオミクロン株を侮ることなく、感染予防の対応をしっかり行っていただくことが重要ではないかと考えております。

 

それから、感染がこれからどれだけ拡大するかは分かりませんが、そのための対応は、私たち行政の中にも、また医療機関の中にもかなり蓄積されていますから、やはり従来の知識や経験に依拠しながら緊張感を持って冷静に対応していく、そして状況に応じてスピーディーに対応する、これが我々が取らなければいけない行動ではないかと思います。

 

記者:

夜間の自宅療養者のコールセンターのことで教えていただきたいんですけども、これは今日から設置されるということですが、これまでも保健所や各区役所で受け付けているということですけど、この目的と、一元化するという理由はどういうことなんでしょうか。

 

職員:

まだ患者が少ない間は、ほとんど夜、電話を持っている者も対応する機会がないんですけれども、これから患者が増えていくと自宅療養者が増えていって、1日の間に何度も夜中に電話を取るという職員が、基本的に前回までは14人ほどが毎晩その電話の担当をしていましたけれども、ある程度、方向性とか対応の仕方を統一することができるようにしましたので、2人と派遣の人で、4人で神戸市全体の分を対応していくというふうにして、保健師の皆の負担を少しでも軽減して対応するということにしています。

 

記者:

この電話番号というのは公開はしていなくて、自宅療養者のみに教えているということですか。

 

職員:

そうですね、はい。そうです。

 

記者:

あと、感染が急拡大しているんですけども、1.17の追悼行事というのを間もなく迎えるんですけども、これは、昨年は挨拶などもホームページ上で公開されたりということがあった。これ、通常どおりやるというふうな理解でいいんでしょうか。

 

久元市長:

コロナの感染前と決して同じではありませんが、一応、追悼行事としては東遊園地で行いたいと思います。挨拶の場所などは少し移動することになりますが、当然のことながら、感染予防には十分配慮した式の運営というものを実行委員会の皆さんとも何回も、担当部局で、今、東遊園地の再整備をしているということもありますから、実行委員会の皆さんとも十分打合せをしてスムーズに、そして、来られる方の、特に御遺族の方の思いが込められた、そういう追悼行事にしていきたいと思います。

 

記者:

ブルーカーボンのことでちょっとお伺いしたいんですが、カーボンオフセットのスキームの中での神戸市の立場というか、立ち位置は、具体的にどういうところになるんですかね。

 

久元市長:

基本的にはこれは、活動される方がいらっしゃる、そしてJBE技術研究組合から評価をしていただく、そしてクレジットを購入していくような取り組みにつなげていくということで、言わば神戸市というのはコーディネーターとしての役割、それぞれ非常に思いを持って行動されている方、あと、大学の研究者の方へや学生の方も問題意識を持っている方がたくさんいらっしゃるわけです。そういう方々の具体的な目指すものは共通しているものもあると思うので、そういう方々をお互いに紹介したり、つなぎ役でしょうかね、つなぐ役割、コーディネーターとしての役割を果たしてきましたし、関係職員や大学の先生方とも相談して、こういうような言わばスキームが何とか出来上がったということですね。これを今後さらに発展させていくために修正したり変更することがあれば、必要が出てくれば、それはそういうこともあると思いますけど、まずこういうのが出来上がったわけで、これは全国的にも恐らく多分ない。あるかないかは分かりませんけれども、ぜひパイオニア的な取り組みとして進めたいと思います。

 

記者:

神戸空港島の既にある藻場を、何というか、クレジットの舞台に活用するというんですかね。例えば市が創出者となって企業に売って得られる資金を市の収入源とするというような展開もあり得るのか、ちょっと分からないんですけど、そういったお考えは今のところはないということで。

 

久元市長:

あり得るかもしれませんが、しかし、もう既にここで活動されている方はいらっしゃるわけですよね。そういう方々のやっぱり自発的な熱意というもの、これはやはり尊重したい。そういうこともあるかもしれません。排除はいたしません。

 

記者:

あと、淡水域でのCO2吸着の働きを研究するというところですけども、これは、うまくいくと、川とか、もうちょっと陸地でほかの展開というのもできるものなんでしょうか。

 

久元市長:

ちょっと答えていただければと思いますが、まず考えられるのは、貯水池みたいに水が滞留しているところ、池ですよね。川は、やれるんですかね。

 

職員:

川も可能性はあるんですけれども、水草が生えているところは全て評価対象になりますが、基本的にかなり水草が生えていないといけないので、閉鎖水域、湖とか沼とか池、そういうところでもかなり面積があるところに限られてくると思うので、我々もそういう状況を選びながら、場所を選んで研究をこれからも進めていこうと思っています。

 

記者:

あと、最後に、神戸から全国に広げていきたいというお話でしたけども、海がない地域でも、こういう淡水域でそういったCO2吸着の働きがあると分かれば内陸地の都市でも展開できるんじゃないかと、そういう趣旨ということと捉えてよろしいですか。

 

久元市長:

ちょっと誤解がないように申し上げますと、このブルーカーボン、海域のほうは、これは決して神戸が初めてではなくて、横浜のほうがもちろん早い段階からやっていますし、福岡でもそういう取り組みが行われています。淡水域のほうは神戸が初めてなので、湖とか池とかではそういうことがあり得ると思うので、まず私たちが神戸でやってみて、これは実験ですから、うまくいくかどうか分からない面もあります。そういう経過を、学識経験者の方々にも参加していただいていますから、いろいろなアカデミアの世界でも発信をしていただいて、各地域の取り組みにつながっていければ、大変それは光栄なことだと思います。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

あしたなんですけども、関西3空港懇談会が久々に開かれるかと思うんですけども、改めて、神戸としてどう主張し、どう提言するかというところをいただけますでしょうか。神戸空港、国際化だと思うんですけども、先頃のオミクロン株の拡大で航空需要は従来どおりというのは難しいと思いますけれども、よろしくお願いします。

 

久元市長:

あした開かれるわけですけれども、ここの議題とか準備は関経連の事務局のほうが務めておられまして、まだ私自身も詳細は聞いておりません。ただ、いずれにしても、私が出席をしたいというふうに考えております。

 

これは私が申し上げるまでもなく、コロナによって神戸空港を含む関西の3空港は非常に航空需要が減退をして厳しい状況にありますから、やはり、どうやってこのコロナという危機を乗り越えるのか、同時に、このコロナも、いつか分かりませんが、必ず終わりますから、コロナの感染の終息を見据えて、大阪万博も2025年にありますから、3空港を上手に利活用しながら、関西経済の活性化や関西経済全体の浮揚につながるような空港の在り方、これが議論されるのではないかというふうに思います。

 

神戸の立場から言いますと、やはり一昨年の3空港懇談会で、まず、発着枠の拡大と運航時間の延長が認められました。これは非常に神戸にとってはありがたいことでした。あわせて、2025年をめどに神戸空港の国際化を検討するという方向も示されました。やはり、こういう方向で神戸空港の利活用も考えていただきたいというふうに考えていますから、また、議題にもよりますが、私としてはそういうような発言をしたいと思っています。

 

記者:

先頃の感染の拡大によって、やっぱりそこはそれを考慮したものになるというふうに考えていらっしゃいますか。いわゆる25年までに国際化というところが、もしかしたら後ろ倒しになるかもしれないとか、その可能性も考えられるんでしょうか。

 

久元市長:

25年までまだ時間がありますし、先行きが見通せないところはもちろんあるわけですが、やはり神戸市としては、一昨年の3空港懇談会で確認された方向で議論を進めていただきたいというふうに考えています。

 

記者:

昨年の話になりますが、兵庫県と大阪府の知事で合同の会議が開かれて、そのときには神戸港を大阪と一体運用、運営したらいいんじゃないかというような提案が府知事のほうからされましたが、その受け止めといいますか、考えを聞かせていただけたらと思います。

 

久元市長:

あれが開かれたのが、12月26日に開かれて、翌日、齋藤知事から私に電話がありまして、実際に齋藤知事とお話ができたのは12月28日だった思いますが、知事からは、ほぼ報道されているようなお話があったというような報告がありました。特段それ以上のお話はそのときの知事からはありませんでしたが、よく事務方同士で連絡を取り合っていきましょうというような趣旨のお話があったと記憶しています。

 

記者:

神戸市としては、神戸港を大阪と一体運用していくというような考え方に対してはどういうふうにお考えでしょうか。

 

久元市長:

一体的に運用するとか、あるいは一元化という言葉がありますが、その意味するところは必ずしも明確ではありません。いずれにいたしましても、神戸港は神戸市が港湾管理者として責任を持って運用してきましたから、港湾の在り方というのは、やはり、突然、知事同士の協議会の場で議論するのではなくて、例えば港湾管理者同士の議論とか、あるいは港湾はたくさんの民間事業者の皆さんが関わっておられますから、そういうような皆さんの御意見も伺いながら、きちんと事務的に調整をしていくということがまず大事ではないかというふうに思います。

 

記者:

関連して、この知事の会議では大阪市長と神戸市長も参加してもらったらいいんじゃないかというような提案もあったようですが、今後そういった誘いがあったときに参加するかどうかというふうな考えはいかがでしょうか。

 

久元市長:

港湾については先ほど申し上げたようなことが必要になってきますから、やはりそういう地ならしというんでしょうかね、その上で港湾のことを話題にするのであれば、事前によく相談をいただいて、それをテーマにするかどうかということを考えた上で出席したいと思います。ただ、これから関西万博を前にして、大阪湾全体をどう上手に活用して関西全体の活性化につなげていくのか。例えば、万博会場との海上交通をどうするのかとか、それから、先ほどちょっとブルーカーボンの話をしましたけど、これは大阪湾全体に共通した話で、やはりカーボンニュートラルに含めたここの海域の利用とか、それから、港における、港湾における水素エネルギーの利活用なども、これも共通したテーマですよね、あるいはクルーズの話ですとか。そういうような大阪湾全体の活性化につながるようなテーマということを議論すると。そして、その上で、大阪府と兵庫県だけではなくて、実際に港を扱う神戸市や大阪市も参加したほうがいいというようなことであれば、それは喜んで参加させていただきます。

 

記者:

今おっしゃられた港湾の一元化についてのお話なんですけども、神戸港は、御存じの非核神戸方式という神戸港独特の入港規制を行っていると思うんですが、港湾一元化に際して、そういった非核神戸方式のような神戸の独自の方策が何かの障害になるというふうにお考えですか。それと、また、もし一元化に対して進むのであれば、今持たれている方式に対して何か変更の考えというのはおありでしょうか。

 

久元市長:

まず、港湾の一元化というのが一体何を意味するのかというのをもう少し、先ほども申し上げましたけれども、港湾管理者同士でちゃんと事務的に議論をした上で、仮に参加するのであればそれに臨みたいと思いますし、具体的に一体何を意味するのかという中で、あと具体的な項目というのは、そういうような検討の中で考えていくということになるのではないかと思います。

 

記者:

再び空港の話なんですが、基本的に、おととしの関西3空港懇談会で、神戸空港も国際線の就航を検討してもいいんじゃないかというような話になった理由としては、基本的には大阪・関西万博で外から、海外から来られるお客さんが関空だけではさばき切れないんじゃないかというようなことが念頭にはあったかと思うんですが、そうなると、22年ということで、あと残り3年になるということですが、その3年の、だんだん時間が短くなってきている。その中で、今、現状、基本的には表に出てきている空港の今後の展開というのがなかなか議論できていないというような状況があると。その中でどのように国際化の話を進めていくのかというようなことについては何かお考えになっていることはあるのでしょうかということなんですが、いかがでしょうか。

 

久元市長:

これは先ほどもお話を申し上げたところですが、コロナがどうなるのかというのは、これは誰も分からないわけです。ですから、誰も分からないことを前提にして、初めからスケジュールが動くのではないかとか、そういう予断を持つことなく、神戸市としては、神戸空港をできるだけ上手に利活用していただく。国際化がやはり必要ですね、検討しましょうということは、3空港懇談会を構成する皆様方の一種のコンセンサスで出来上がっているわけですから、そういう方向性というのをやはり大事にする、基本にするということが大事ではないかというふうに思います。

 

前提としては、やはりそういうような方向が出来上がったのは、神戸空港がコンセッションを実施いたしまして、これが成功したと。事実上、関西エアポート株式会社が3空港を一体運用するということになって、そうすると、関西空港をハブ空港としながら、神戸空港が補完的な役割も果たす。神戸空港をいかに賢く使うかということが、この3空港を一体運用する立場から見ても非常にこれはいいことだし、3空港をどう賢く使うかということが関西全体の発展につながるということ、これが共通の認識、土壌ができたということ、これが前提になったと思うんですね。ですから、そういう大きな流れということは、これはほぼ確認されているということだと思います。

 

あとはそういう方向性をしっかり持ちながら、これを具体的にどう前に進めていくのかということが大事になってくるわけで、そういうような基本的な立場に立ちながら、明日の懇談会に臨みたいと思います。

 

記者:

ということですと、神戸空港の国際化というのは、万博の話だけをしているわけではないということだということですか。

 

久元市長:

万博ももちろんそれは重要な要素です。万博も非常に重要な要素ですが、今後の長い目で見て中長期的な関西経済の浮揚を考えたときに、関西空港をハブ空港としながら、3空港が適切な機能分担の下に、より利活用を図っていく。神戸空港はさらに24時間利用可能な海上交通で、まだまだ活用ポテンシャルが高い空港ですから、そういうところにも注目をしていただいて、より有効な利活用ということを図っていく。神戸市としては、神戸空港のポテンシャルがより高まるような、地元自治体としてしっかり汗をかいて、そういう方向性をできるだけ確かなものにしていく、そういうことが我々の役割ではないかというふうに考えています。

 

記者:

それと、あと、財界が神戸空港の国際化を応援したいというふうに言っているわけですが、具体的に何かこういう応援をしてほしいみたいなお考えになっていることはあるんでしょうか。

 

久元市長:

やはり神戸空港については、神戸市が神戸空港を設置し、コンセッションによって関西エアポートの子会社が運営をしているわけで、この両者の機能分担ということを基本にしながら、どういうふうにしてこの利活用を図っていくのかということだと思うんですが、地元の自治体としては、やはりアクセスですよね。神戸空港と三宮あるいは新神戸などのアクセス、それから、大阪湾岸道路の延伸、いよいよこれも工事も本格化され、大阪湾岸道路の西伸部も完成をしたときに、どうすれば陸海空の交通ネットワークというものを賢く使うことができるのかということ、これはやはり関西全体のというか、神戸市、神戸経済全体の活性化に非常に関わる大事な話なので、特に商工会議所の家次会頭からも、このアクセスについてしっかり取り組むようにという提言もいただいております。そういう形で、商工会議所をはじめ経済界の皆さんとしっかり議論を重ねていくということが大事だというふうに思いますし、やはり空港にしましても、この交通インフラというのは使われることが非常に大事ですよね。神戸空港を使っていただくということが非常に大事です。就航都市との間の観光、観光客をどういうふうにして増やしていくのか、神戸空港の利用客をどう増やしていくのかということは、これはやはり行政というよりも、経済界も一緒にこういう利用客の増を図っていただくということが非常に重要で、特に神戸観光局は、これは民間の皆さんの知恵をぜひ発揮していただいて、神戸観光を、さらに観光客の増などを図っていただくということが重要なので、そういう面でも経済界の皆さんの知恵や参画をいただきたいと思います。

 



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