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臨時会見 2022年(令和4年)9月12日

最終更新日:2022年9月12日

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市長会見の模様をお届けします。


神戸医療産業都市におけるスタートアップエコシステム構築等に関する連携協定の締結

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・神戸医療産業都市におけるスタートアップエコシステム構築等に関する連携協定の締結
・質疑応答

 神戸医療産業都市におけるスタートアップエコシステム構築等に関する連携協定の締結

司会:

 それでは、ただいまより、神戸市・神戸医療産業都市推進機構、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社様との共同会見を始めさせていただきます。

 本日の会見は、質疑応答を含めまして約1時間を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず最初に本日の登壇者を御紹介いたします。

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社代表取締役会長兼社長、シャシャンク・デシュパンデ様でございます。

 続きまして、神戸医療産業都市推進機構代表理事兼専務理事、村上雅義様でございます。

 続きまして、久元喜造神戸市長でございます。

 それでは、初めに久元市長より御挨拶を申し上げます。市長、よろしくお願いいたします。

久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 このたび、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と神戸市・神戸医療産業都市推進機構は、スタートアップエコシステムの構築に向けた連携協定を締結することになりました。シャシャンク・デシュパンデ会長、村上専務、お忙しいところ御出席をいただきましてありがとうございました。

 後ほど御説明があろうかと思いますが、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は神戸医療産業都市に2008年の11月に進出されました。医療品、医薬品の研究開発拠点である神戸医薬研究所を設置していただいておりまして、神戸医療産業都市の取組、さらには神戸経済に多大な御貢献をしていただいております。

 この協定を締結するに至った背景ですが、神戸市はスタートアップの育成支援に従来から取り組んでおりましたが、特に医療産業都市におきましては、医薬品を中心とする医療、ヘルスケア、バイオメディカルなどの分野でのスタートアップの育成に取り組んできております。

 一方、グローバル製薬企業であるベーリンガーインゲルハイム社は、これまでもスタートアップの育成と発展に力を入れてこられておりまして、スタートアップ支援のためのピッチコンテスト、ベーリンガーインゲルハイム・イノベーション・プライズなど、様々なプログラムを実施しておられます。

 このたび、神戸医療産業都市におけるさらなるオープンイノベーション推進のために、この3者がこれまで以上に連携を深化させ、スタートアップエコシステムの構築やライフサイエンス分野における人材育成に取り組んでいくことが、今回の協定の目的です。

 協定の内容につきましては後ほど御紹介があろうかと思いますが、この協定の締結を契機といたしまして、世界を変えるイノベーションが次々と創出されるスタートアップエコシステムが神戸医療産業都市において形成されていき、人材育成の面でもさらなる人材の輩出が神戸から行われることを期待しております。

 ありがとうございました。

司会:

 続きまして、神戸医療産業都市推進機構、村上専務より御挨拶を賜ります。よろしくお願いいたします。

村上専務:

 神戸医療産業都市推進機構の村上でございます。本来でしたら、当機構の本庶佑理事長がこちらに伺って御挨拶申し上げるところでございますが、欠席となりました。御容赦ください。

 代わりに、本庶理事長からの挨拶文を預かっておりますので、これを代読させていただきます。

 このたびは、2008年よりアジアで唯一となる医療用医薬品の研究開発拠点を神戸医療産業都市に設置いただいておりますベーリンガーインゲルハイム株式会社様と神戸医療産業都市におけるスタートアップシステムの構築等に向けた協力体制の構築に関する連携協定を提携することとなり、誠にうれしく思います。

 当機構の前身である先端医療振興財団は、2000年3月に設立され、神戸市とともに医療産業都市を牽引する中核機関として、バイオメディカルクラスターの形成に貢献してまいりました。また、2018年4月に神戸医療産業都市推進機構へと発展的に改組し、医療産業都市内の企業や研究機関、大学、医療機関の連携促進と事業化支援を担うクラスター推進センターの大幅な体制強化を図り、スタートアップの育成支援を新たな柱の1つとして、専任のコーディネーターを配置し、スタートアップエコシステムの構築に向けた取組を進めてまいりました。その結果、神戸医療産業都市には、約70社ものスタートアップが集積しております。

 ベーリンガーインゲルハイム株式会社様には、本年3月にスタートアップが直面している課題について関係者が議論し、垣根を越えたつながりを創出することを目的としたCEOラウンドテーブルに御参加いただくなど、スタートアップの育成支援に係る神戸医療産業都市の様々な取組に御参画いただいております。

 その中で、ベーリンガーインゲルハイム株式会社様と神戸市、そして神戸医療産業都市推進機構との目指す方向性の一致が確認できましたので、これまで以上に連携を深めるために今回の協定締結に至りました。

 この連携を契機に、グローバルネットワークをお持ちのベーリンガーインゲルハイム株式会社様の御協力をいただきながら、当機構として、全国のみならず、海外からのスタートアップの誘致・発掘と海外展開を目指すスタートアップの支援に一層力を入れていきたいと考えております。

 最後になりましたが、今回の協定締結に御尽力をいただきましたシャシャンク・デシュパンデ会長をはじめとしたベーリンガーインゲルハイム株式会社の皆様に改めて御礼を申し上げるとともに、今後の神戸医療産業都市の発展に向けて、より一層の御協力をお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。2022年9月12日、神戸医療産業都市推進機構理事長、本庶佑。

 代読でございます。本日はありがとうございました。

司会:

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社代表取締役会長兼社長、シャシャンク・デシュパンデ様より御挨拶を賜ります。会長、よろしくお願いいたします。

デシュパンデ会長:

 まず最初に、皆さん、こんにちは。久元神戸市長、それから神戸医療産業都市推進機構の村上様、そして、もちろん本庶先生もですけれども、このような機会を頂戴して、心よりお礼を申し上げます。

 本日ここに来させていただきました。ここでイノベーションを進めていくことができれば、それが本当にうまく進めば、最終的には患者様を助けることにつながっていきます。そうした思いを心に持ちながら、非常にこれは大切なコミットメントだというふうに感じております。

 それとともに、このようなパートナーシップを結ぶことができたことに心からわくわくし、また、感謝の気持ちでいっぱいです。神戸市、そして医療産業都市推進機構の皆様、本当にありがとうございます。

 これまでも私どもは協力関係を築いてまいりました。神戸市、そして、それよりさらに広い地域で、イノベーションというのに関連しての取組をたくさんやってきたわけです。

 その中でも2008年には、ここ神戸に神戸医薬研究所を立ち上げることができまして、それ以来、神戸市の方とは非常に近いつながりでもって、医療、またヘルスケアにおけるクラスター構築にて関わってまいりました。これからさらにイノベーションを進め、イノベーションの基礎となっていくと願っています。

 皆さん御存じかと思いますけれども、イノベーションというのは大企業だけがやるものではありません。ときに1人の個人、あるいは非常に特別な領域に深い知識を持った少人数のグループによって始められることもよくあります。ということで、私どもとしては、このようなエコシステム、スタートアップを助けていく環境エコシステムをつくっていく、そこに大きな手助けをしていきたいと思っております。

 したがって個人の方、また、非常にアーリーな早いステージの研究などについて、オープンイノベーションという考えを生かしながら、どんどんと育てていきたい。

 私どもの会社も1885年、1人の人間がスタートアップとして事業を始めました。私どもとしては、その次なるスタートアップをぜひ支援していきたいと思っております。ということで、このパートナーシップの関係が、今後さらに長年にわたってうまく進んでいくことを心よりお祈りしております。ありがとうございます。

司会:

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の概要につきまして、神戸医薬研究所和田耕一所長より御説明いただきます。和田所長、よろしくお願いいたします。

和田所長:

 それでは、私、神戸医薬研究所長を務めております和田から、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社について、少し御紹介させていただきたいと思います。

 私どもベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立したグローバル製薬企業でございます。今お話にございましたように、1885年にドイツ・インゲルハイムに設立されております。現在は、ヒト用の医療用医薬品、それから動物用医薬品、そしてバイオ受託製造の事業に注力をしております。全世界に約5万2,000人の従業員を抱えておりまして、私どもの研究開発費は、売上高の約20%強を投資するという研究開発主導型の会社でございます。世界には約180の関連会社を抱えておりまして、日本には、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社という事業会社がございまして、ヒト用の医療薬品の研究開発、輸入、製造、販売を行っております。従業員、日本には約1,670名を擁しております。

 

 私どもベーリンガーインゲルハイムグループには、今御覧いただいておりますドイツ、スイス、オーストリア、アメリカ、そしてこの日本に、ヒト用の医療用医薬品の研究開発を担当する研究拠点がございます。日本は、このグローバルなネットワークの一拠点として、各拠点と連携しながら医薬品の研究開発に取り組んでおります。

 この中で、日本の研究所、神戸医薬研究所の役割について御紹介させていただきますと、日本では、非常に得意とする研究開発の分野が幾つかございまして、これらの領域におきまして、日本の研究者がベーリンガーインゲルハイムグループのR&D活動の一端を担っております。

 そして、もう1つ大事な役割がございます。本日の連携協定にも直結するところではございますけれども、先端創薬技術、あるいは創薬シーズを持つ日本の企業・アカデミアの方々とオープンイノベーションを推進していくという非常に大事な役割の一端を担っております。

 それから、最後に、ベルツ賞と呼ばれます日本で非常に歴史のある医学賞をサポートしておりまして、日本の医学の発展にも貢献をしているところでございます。

 以上、簡単ではございますが、弊社の御紹介とさせていただきます。

司会:

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、このたびの連携協定の内容につきまして、神戸市企画調整局医療新産業本部の森より御説明申し上げます。森部長、よろしくお願いします。

森医療産業都市部長:

 それでは、神戸市・公益財団法人神戸医療産業都市推進機構・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社による、神戸医療産業都市におけるスタートアップエコシステム構築等に関する連携協定の内容について御説明をいたします。

 まず初めに、連携協定の具体的な内容の御紹介に先立ちまして、現在の製薬業界をはじめとしたライフサイエンス分野の研究開発の世界的な潮流について簡単に御説明をいたします。

 ライフサイエンス分野におきましては、近年ゲノム解読や遺伝子改変に関する技術の向上など、バイオテクノロジーの革新が目覚ましい状況となってございます。そのような技術の発展に伴いまして、ライフサイエンス分野の研究領域は多様化・専門化が進んでおります。研究内容の専門化が進む中、企業が単体で製品開発を行うのではなく、企業や大学などのアカデミア、スタートアップなどとの連携により、新たな技術の創出や製品の開発がなされるオープンイノベーションの取組が進展をしております。

 このような世界的な潮流を踏まえまして、ライフサイエンス分野の研究開発において、メインプレーヤーの1つとして期待されるスタートアップとの連携を図っていくことが、神戸医療産業都市のさらなる成長に向けて重要な取組となっているところでございます。

 スタートアップは、革新的なアイデアとテクノロジーを保有し、機動的でスピーディーな経営を行うことができるという特徴がございます。一方で、神戸医療産業都市は、企業・団体が360以上集積をしており、スタートアップ支援に対して独自の補助制度や活動拠点の整備を行っているところでございます。

 神戸医療産業都市では、イノベーション創出によるさらなる成長のため、既存の進出企業との連携や補助制度を生かし、ライフサイエンス分野のスタートアップが集積・成長する環境の構築を目指しております。そこでは、医療・健康分野の課題解決による市民福祉の向上や、成長産業の創出を通じて神戸経済の活性化を図ってまいります。

 以上を踏まえまして、本連携協定の締結に至った背景について御説明をいたします。グローバル製薬企業であるベーリンガーインゲルハイムは、2008年に同社の医療用医薬品の実験研究施設としてはアジアで唯一となる神戸医薬研究所を神戸医療産業都市に設置をいたしました。

 また、ベーリンガーインゲルハイムはスタートアップの育成と発展に力を入れており、これまでもスタートアップの支援のためのピッチコンテストであるベーリンガーインゲルハイム・イノベーション・プライズなど様々なプログラムを実施し、オープンイノベーションを推進しております。

 一方で、神戸医療産業都市推進機構におきましては、2018年からライフサイエンス分野のスタートアップ支援策を積極的に展開しているところでございます。2022年におきましては、国がスタートアップ創出元年と位置づけ、スタートアップの育成、支援の取組も進められているところでございます。このような流れの中で、神戸医療産業都市におけるオープンイノベーションの推進のため、神戸医療産業都市推進機構は、ベーリンガーインゲルハイムとこれまで以上に連携を深化させ、スタートアップエコシステムの構築に取り組んでいくことを目的に、今回の協定締結に至った次第でございます。

 協定の連携事項については記載のとおりでございますが、内容について御説明をいたします。

 まず、スタートアップの誘致・発掘でございます。全国から神戸医療産業都市へスタートアップを集め、発表の場を提供し、スタートアップの誘致促進と研究・技術シーズの発掘を行います。

 下段に示しておりますものが、今年度予定をされていますベーリンガーインゲルハイム・イノベーション・プライズ2022の概要になっております。革新的医療の創出活動と事業化応援を目的としたベーリンガーインゲルハイム主催のピッチコンテストで優秀な発表に賞金を授与いただきます。開催日は2022年9月28日、場所はクリエイティブラボ神戸(CLIK)を予定しております。

 全国から投資家、スタートアップ等を神戸医療産業都市に招き、神戸の魅力や利点をアピールいたします。今年度、賞金の額についても増額する予定でございます。次年度以降も神戸を拠点とした日本ベーリンガーインゲルハイム関連イベントを積極展開いただきます。

 また、グローバルネットワークを活用した海外スタートアップの誘致・発掘にも御協力をいただきます。ベーリンガーインゲルハイムはヨーロッパ、北米、アジアでは神戸に研究開発拠点を置き、グローバルネットワークを有しております。このようなベーリンガーインゲルハイムの海外拠点を活用した企業の発掘に御協力いただくほか、ベーリンガーインゲルハイムの知見・ネットワークを活用し、スタートアップの誘致戦略へのアドバイスをいただきます。

 続きましては、スタートアップ事業化サポートでございます。神戸医療産業都市において起業を目指す研究者やスタートアップを対象に、研究開発から商業化までのそれぞれのステージに合わせた専門的なアドバイスを提供いただきます。ベーリンガーインゲルハイムの幹部社員の方に実際にメンターとなっていただき、創薬分野等において前臨床・臨床開発、研究戦略、商業化などについて助言をいただきます。写真でお示しをしておりますのは、過去、オンライン開催をした際のものになっております。専門的なアドバイスをいただくことで、神戸医療産業都市に進出しているスタートアップなどの事業化を促進いたします。

 加えまして、神戸医療産業都市に進出しているスタートアップの海外展開の支援として、ベーリンガーインゲルハイムのグローバルネットワークを活用し、海外の大学、研究機関、企業などとの関係構築を支援いただきます。

 また、神戸市内の学生をはじめとした若年層を対象として、ライフサイエンス分野における人材育成において御協力をいただきます。インターン、施設見学、起業家マインド育成のためのメンタリングプログラム等に御協力をいただくほか、市内高校・高専との連携、研究者との意見交換、リケジョ座談会やキャリアデザイン講座など、ダイバーシティー教育の推進で連携をいたします。

 広報・プロモーション活動の展開におきましては、創薬等ライフサイエンス分野の展示会における共同出展のほか、セミナー・シンポジウムにおいて演者、審査員としての登壇をいただくなど、連携協力をいただく予定になっております。また、グローバルなネットワークを活用したPRや広報紙などによる総合プロモーションなど、広報活動においても連携をいたします。

 最後は情報交換、その他神戸医療産業都市の魅力向上に関することでございます。定期的な情報交換の実施のほか、神戸医薬研究所の一般市民への公開など、神戸医療産業都市の魅力向上に関する連携を進めてまいります。

 以上で今回の協定に基づく連携事項についての説明とさせていただきます。今後も日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と神戸市、神戸医療産業都市推進機構が連携を図り、神戸医療産業都市におけるスタートアップエコシステムの実現に向けた協力体制を構築してまいりたいと考えております。

 質疑応答

記者:

 デシュパンデ会長様に2問伺います。

 まず1問目が、スタートアップ支援のこうした協定なんですけども、これは国内であるとかグローバル含めて、こういったスタートアップ支援の自治体との協定というのは何件目になるんでしょうか。

 もう1つあります。神戸医薬研究所なんですけども、これは2008年に開設されたということですが、オープンイノベーションの創出拠点であるということですけども、これまでどのような実績、オープンイノベーションを通じて、例えばこんな製品ができたであるとか、何件ぐらいのオープンイノベーションで関わりを持っていたとか、そういう実績があれば教えてください。

デシュパンデ会長:

 私のほうからお答えするとともに、和田さんのほうにまた追加でコメント、御説明をいただければと思います。

 まず、これまでどのようなパートナーシップの経験があるかということについて、製薬企業ということですので、いろいろなパートナーシップはこれまで組んでいるわけです。

 しかし、今回のような地方自治体、そして財団であるとか、そういったところとのパートナーシップというのは、グローバルに見渡してみましても、それほど数多くないというふうに思います。それもありまして、このような形で、こうした取組の一員として活動を始めることができるというのは非常に誇りに思っております。このことは、社会のためになるというふうに考えています。研究機関、そして企業政府が手を携えていくということは非常に有用であると思っております。

和田所長:

 それでは、今のお話に補足させていただきます。

 自治体との連携協定ということでは、グローバルにも今回が初めてではないかというふうに理解しております。非常にグローバル企業として活動しておりますので、私も把握していないところもあるかもしれませんけれども、今まで私が理解するところでは初めてというふうに理解しております。

デシュパンデ会長:

 また、2つ目、もう1つ質問がありましたね。これまでイノベーション、どのような成果が出てきているか。こうしたイノベーションというのは、何年もかかって成果が出てくるタイプのものだと思います。

 近年は特に、スタートアップを支援するためのオープンイノベーションというところにフォーカスを当てております。こうした取組は来年、再来年すぐに成果が出るといったタイプのものではありませんけれども、エコシステムをつくっていくということ、これを通じて、いろいろなアイデアが生まれる。また、たくさんアイデアが出れば出るほど、それが最終的に実りにつながるチャンスというのも増えてまいります。そうしますと、究極的には、実際に医薬品といった形で患者様のところにそれを届けることができるようになるわけです。

和田所長:

 では、この点に関しましても補足させていただきます。

 実際に、これまで研究所の活動を非常に長く日本でやってきております。これまでも日本のアカデミア、それからスタートアップの皆様と連携したケースは数多くございまして、今、具体的な数字を申し上げるわけにはいきませんけれども、実際に日本のイノベーションが我々のパイプラインであったりテクノロジーとして採用されたケースは非常に数多くございます。

記者:

 恐らく森部長に伺うのがよいかなと思うんですけれども、このいろんなプログラムをこれからやるということなんですけれども、これは市が何かしらお金を払って、新しくやってもらおうという形になるのでしょうか。

藤原医療・新産業本部長:

 プログラムについて、対価というのは今のところは考えていない状態です。今後、具体的に進めていく中で、ベーリンガー様のそういったものを直接スタートアップのほうにプログラムを提供していただくというところを今のところは考えています。

記者:

 分かりました。

 あと、この連携を始めるにあたって、神戸市のほうで、今の医療産業のスタートアップ支援において、ちょっと課題に感じてるところがあったということなんでしょうか。

藤原医療・新産業本部長:

 課題というよりは、これまでもスタートアップに2018年度ぐらいから取り組んでいるんですけれども、ますます活発にしていく必要があるというふうに考えているので、今回の連携をさせていただいたということでございます。

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 あと、もう1点。これはベーリンガーインゲルハイムさんに伺うのがよいのかもしれないんですけども、基本的にベーリンガーさんの分野というのは製薬だと思うんですけども、医療産業都市のライフサイエンスは、再生医療とか医療機器とか、結構いろんな幅が広いのかなとも思っておりまして、製薬以外のスタートアップの会社にはどういうふうにアプローチしていくのかというのを少し伺えれば幸いです。

和田所長:

 御紹介いたしましたように、弊社は動物薬、それからバイオ受託製造といった人用医薬品以外のビジネスもやっております。そういったところに、もし我々の連携の中から生かせるようなイノベーションあるいはシーズ、あるいはアイデア等々ございましたら、我々を通じてグローバルなネットワークにリンクしていくというようなことも可能でございます。

 それから、現在、ベーリンガー自身が人用医薬品の中でフォーカスしていないエリアにつきましても、日進月歩、科学技術の進歩がございますので、そういった中から新しい分野にも我々はチャレンジしていきたいなと考えております。

記者:

 シャシャンク会長に1点だけ伺いたいんですけれども、ピッチコンテストだったり、今回のオフィスアワーズとか、プログラムを経て、発掘したというか見つけたスタートアップに対しては、ベーリンガーインゲルハイムさんとして、事業で連携したりとか、出資をしたりとか、そういう経営的に何か連携をするみたいなことも今後あり得るんでしょうか。

デシュパンデ会長:

 こうしたことというのは非常にアイデアとしては早い、早期の段階なんですけれども、いろいろな対話を通じて、私たちが持っている知識、情報などを新しく出てきたアイデアに対して提供していく、そういったことができると思います。私も何年か前にそうした取組に参画する機会がございました。

 スタートアップの中には、非常に強い、すばらしいアイデアを持たれている方もいます。そのアイデアを次のステップにどう進めていくのかというところで、アドバイスを提供する、メンタリングを行うということが非常に大切だと思っております。

 したがって、そうした非常に早い段階から具体的な製品化というのを具体的に視野に入れていなかったとしても、サポートしていくということに意味があると感じております。

 また、もちろん支援という意味では、次、どういう実験をしたらいいですとか、どのような形で概念についての証明をしたらよいですといったアドバイスも提供できると思います。ただ、それだけではなくて、最終的にそうしたことがゆくゆく患者さんのためのソリューションとなっていけば、もちろんそれはすばらしいことですし、しかし、それはどちらかというと非常に長い段階を経た鎖の先にある成果ということでして、まずはそれよりも環境づくり、またアイデアについて、よりよいアドバイスをする、そうしたところが重要ではないかというふうに考えております。

 ということで、何かの製品化ができるということもすばらしいですし、また、それをグローバルにつなげていくという、そうしたチャンスが生まれるということもすばらしいと思います。エコシステムをしっかりとつくっていく、そして科学がその中で反映をする、新しいアイデアがそこで花開くということ、そのつながりをつくっていきたい。そして、グローバルとつなげていきたい。またその際、最終的にそこから製品が生まれてくればそれはすばらしいことだと考えております。

記者:

 ごめんなさい、もう1点だけ、どなたに伺えばいいのか分からないんですけども、オフィスアワーズはもう既に何社を対象に、どのぐらいの期間メンタリングを行うのかというのはもう決まっているのでしょうか、もしくはもう既に行っているのでしょうか。

和田所長:

 こちらは、ちょうどコロナのパンデミックの期間中にやったイベントでございまして、既に終わったイベントでございます。ただ定期的にこういったメンタリングのイベントを開催しておりまして、日本だけではなく、グローバルにもこういったイベントをやっておる次第でございます。

記者:

 今回の協定を受けて、例えば10月にやるとか、11月やるとかそういうのが決まっているわけではないということですか。

和田所長:

 今のところ具体的な日程は決まっておりませんが、継続してこれは活動としてやっております。

記者:

 ちょっと確認をさせていただくことで恐縮なんですが、ベーリンガーインゲルハイム・イノベーションプライズ2022についてなんですが、こちらは、このイノベーションプライズ自体が神戸で開催されるのは今回が初めてということでよろしいのでしょうか。

和田所長:

 はい、そのとおりです。

記者:

 日本では、19年から東京でというので、よろしいんでしょうか。

和田所長:

 今回で4回目になりまして、毎年1回ずつ開催しております。

記者:

 これまでは東京を中心になさっていたということでよろしいんですかね。

和田所長:

 東京、オンライン、オンライン、神戸という感じでございます。

記者:

 分かりました。このほか今回の協定を受けて、スケジュールに載っている行事なり、事業なりがありましたらお伺いしたいんですが。

藤原医療・新産業本部長:

 今のところイノベーションプライズ以外でスケジュールが決まっているというものはございません。

記者:

 では、例えば人材育成の面とか、インターンですとか、高校・高専との連携、あるいはリケジョ座談会とか、それはいつ頃みたいなのというのは、めどみたいなのはあったりするんでしょう。

藤原医療・新産業本部長:

 これも今、協定を結んだところですので、具体化については、早ければ今年度にできればいいなとは思っていますけども、少なくとも来年度にはやりたいと考えております。

記者:

 プログラムもこれが全てというわけではなくて、こういったタイプのものをやっていければといった理解でよろしいんでしょうか。

藤原医療・新産業本部長:

 はい、そのとおりです。

記者:

 分かりました。ということで要するに、イノベーションプライズ以外の詳細は今後ということでよろしいんですかね。

藤原医療・新産業本部長:

 はい。

記者:

 神戸市さん、ベーリンガーさん、どちらにお聞きしたらいいのかちょっと分からないんですけども、今後のスケジュール、先ほどのお話ともかぶると思うんですが、こういう環境整備といいますか、アイデアを出してスタートアップが出てくるようなエコシステムが出来上がるのがいつ頃になるという、大体のイメージでいいんですけども、そういったところの時期のめどがいつ頃なのか。そのときには、大体何件ぐらいのスタートアップが発掘ないし、生み出されていたりするか、そういうちょっと数字が混じえた目標感があればお願いいたします。

藤原医療・新産業本部長:

 エコシステムそのものが完成というのはなくて、もう既に取組を始めていますし、現在も部分的にはエコシステムというのはありますので、それに、今回協定いただけるベーリンガー様のお力によって、さらに増強しようという考え方でございます。

 その後、何件というのは特に目標はないんですけれども、今までよりもスピードアップ、あるいは幅広い企業へスタートアップを派遣していきたいと考えているところです。

記者:

 あと、追加でお聞きするんですが、自治体としてこのように医療分野におけるスタートアップエコシステムというものを展開しているというのは、ほかの自治体でも例があるんでしょうか。それとも神戸市が全国的にも非常に珍しいと考えてよろしいんでしょうか。

藤原医療・新産業本部長:

 医療に限った取り組みとしてとのご質問でしょうか。

記者:

 こういった医療分野に関して。

藤原医療・新産業本部長:

 医療に限ってというのはちょっと分からないですけども、当然スタートアップについては、他都市、福岡、京都、大阪等々の大きな自治体でもやられていますので、その中に当然医療も含まれているとは思います。

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