ホーム > 市政情報 > 市長室 > 市長会見 > 定例会見 2022年(令和4年)10月13日

定例会見 2022年(令和4年)10月13日

最終更新日:2022年10月13日

ここから本文です。

市長会見の模様をお届けします。


・新型コロナウイルス感染症対策
 -インフルエンザワクチン早期接種の勧奨について
海外出張報告

会見資料はこちら(PDF:2,097KB)

新型コロナウイルス感染症対策
海外出張報告
質疑応答(発表項目)
質疑応答(発表項目以外)

 新型コロナウイルス感染症対策

司会:

 それでは、ただいまより10月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 市長、よろしくお願いいたします。

久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 コロナ感染の今の状況ですけれども、今日、先ほど聞いた話では420件ということで、先週よりも増えていっておりますが、ここ1週間ぐらいの傾向は前の週よりもまだかなり減っていると。前の週もその前の週よりもかなり減っているので減少傾向は続いているというふうに考えています。

 現在の感染状況のフェーズですけれども、フェーズⅢ感染拡大期の1ということで、病床使用率も18%、重症者の方も2人ということで、感染が収まったとは言えないと思いますけれども、減少しているということは間違いありません。

 そして、国の方針で全数届出の見直しを行いました。9月26日から神戸市は行ったわけですが、現在のところ、65歳以上の方あるいは入院が必要な方、治療薬の投与や酸素の投与が必要な方あるいは妊婦さん、こういう届出対象の方についてが27%で、これは医療機関から届出が出ているわけです。届出が出ない方については、神戸市は独自に自宅療養フォローアップセンターを設けて24時間で対応するということをしてきまして、ぜひ、このフォローアップセンターで迅速な連絡、療養相談につながるようにオンラインで登録をしていただくということを医療機関で陽性診断を受けた方に呼びかけてきました。86%の方が登録をしていただいておりまして、順調に登録は進んでいると考えております。

 ワクチンの接種実績は60歳以上の方の4回目の接種は65.4%ということで、2回目、3回目の接種につきましても着実に各年代とも進んでいる、大きな傾向は変わっておりませんが、ワクチン接種も進んでいると考えております。

 今年はインフルエンザが流行する可能性がある。日本とシーズンが逆のオーストラリアでかなり感染が広がっているということで、インフルエンザの流行の可能性もありまして、インフルエンザワクチンは新型コロナのワクチンと同時に接種することができると。そこで、神戸市は10月1日から来年の1月31日まで、高齢者の方、それから1歳から12歳までの子どもさんに対しまして助成を行っております。こういう助成も行っておりますので、インフルエンザワクチンにつきましても早めの接種をお願いできればと考えております。

 海外出張報告

 2点目が、先日、デンマークに出張いたしましたので、その概要につきまして御説明を申し上げます。

 10月4日から9日、コペンハーゲンの滞在は僅かでしたけれども、デンマークの西の端にあるエスビャウ市に行ってまいりました。WECPの年次総会の出席と、この場などで神戸市の水素プロジェクトを紹介する、こういう目的で出張いたしました。

 WECP、World Energy Cities Partnershipというのは何なのかということですけれども、エネルギー業界の知識あるいはノウハウ、エネルギー業界だけではなくて大学などのアカデミアとの情報共有も行うと。各都市の経験や知見をそれぞれ紹介して学び合う機会をつくるということです。また、それぞれの加盟都市の地元企業に対してもビジネスチャンスを提供するということにつながらないかという観点からWECPが設立されているわけです。

 WECPは15か国、19都市が加盟しておりまして、日本で加盟しているのは神戸市だけです。神戸市がWECPに加盟するのを認められたのが2019年のアバディーンでの総会のときで、このときには当時のチャールズ皇太子、現国王がオンラインで歓迎の挨拶をされまして、そこの中で水素エネルギーの利活用に力を入れている神戸市のWECPへの参加は意義があることですというお言葉もいただきましたことを思い起こしまして、改めて大変名誉なことであったと感じております。

 今回のエスビャウで行われたWECPの年次総会ですが、まず、エネルギーセミナーが行われまして、デンマークのエネルギー企業の取り組み、それから、デンマーク政府のエネルギー庁幹部によるデンマークのエネルギー政策の紹介がありました。また、洋上風力を開発している事業者あるいは自治体の関係者が入れ替わり登壇いたしまして、デンマークが進めるPower to Xの取り組み、それから、風力発電設備の変遷などにつきましても説明が行われました。WECPの年次総会が、その後、場所を移して行われまして、私からは神戸市の水素利活用プロジェクトの状況につきまして簡単に説明をいたしました。

 エスビャウという都市では洋上風力発電の設備が次々に造られておりまして、北海周辺の風景は一変しつつあります。3年前にスコットランドのアバディーンに行きましたときも、見える範囲の海岸には洋上風力発電設備がずっと林立している、林立というか、建てられているという状況で、それはデンマークも同じです。デンマーク、それから英国、ドイツ、スウェーデン、ベルギー、オランダ、これらの国々で協定を結んで洋上風力発電を連携協力しながら進めるというプロジェクトが進められています。

 そして、この後ろにあるのが洋上風力発電設備の部品になるわけですけど、部品といいましても大変巨大なものです。このエスビャウが洋上風力発電の一大生産拠点になっています。部品はほかのところで造られるわけですが、ここで組み立てられて、そして設置されると。これは非常に技術的にも困難な作業となると聞いておりますが、エスビャウ港周辺でのそういう組立ての状況なども拝見いたしました。

 その後、オールボー大学へ行きまして、シンポジウムが行われまして、これは大変技術的で専門的なものでしたが、ファシリテーターを務められたのはデンマークの環境大臣も務められていたコニー・ヘデゴーさんです。この元環境大臣は2009年のCOP15を主催した当時の責任者でもあります。ここでも私から神戸の水素プロジェクトのプレゼンテーションをさせていただきました。

 これらの機会に紹介されましたデンマークの洋上風力発電の取り組みは大変興味深いものがありました。洋上風力発電は、陸上に比べて海上のほうが風が強いということ、風が安定していて安定した発電が可能であるということと周辺に対する影響が少ないというメリットがあります。

 デンマークでは、先ほどの国々も同じですけれども、北海由来のオイルあるいはガスから風力発電由来の再生可能エネルギーへの転換を急速に、かなりのスピード感を持って進めています。さらに、再生可能エネルギーからグリーンエネルギーへ転換する、これがPower to Xと呼ばれるプロジェクトです。洋上風力発電設備で発電をする。発電された電力はそれぞれの国で供給されるわけですが、そこには余剰電力が生まれまして、この余剰電力を使って水を電気分解して水素を作ると。二酸化炭素を排出せずに水素を生成するとともに、水素からアンモニアやメタンを生成すると。これがPower to Xと呼ばれるプロジェクトです。ここから得られた水素、それからアンモニア、メタン、特に水素をデンマークからアジアに供給する構想が作られているという説明を受けました。

 これは、今後、グローバルな見地からの再生可能エネルギーの利用の大きな柱になっていくと感じられます。これは、神戸市が進めている水素サプライチェーンの構築と連携する、結びついていく可能性があるわけですね。

 神戸では、川崎重工が開発をされた液体水素運搬船「すいそふろんてぃあ」が、オーストラリアの褐炭から生成される液体水素を超低温にして、そして、これを日本に運搬をして荷揚げをすると、こういう取り組みを進めているわけですけれども、同時に、川崎重工さんからお聞きをしたところでは、既にオーストラリアだけではなくて、欧州の企業とも取り組みを始めているということでした。

 つまり、北海のこういう風力発電によって生成される水素を液化いたしまして、アジアを含めた海外に輸出をしようというのが特にデンマークの構想であるわけですけれども、それを日本に輸入する場合には、川崎重工さんが開発をされた運搬船がこれを担う、あるいは、川崎重工さんからライセンス供与を受けた船が建造されて、それが、この液化水素の欧州から見れば輸出、日本から見れば輸入に関わる、そういうような可能性が十分にあるのではないかというふうに川崎重工さんからも聞いておりまして、これは、神戸の進める水素利活用のプロジェクト、水素サプライチェーンの構築にまた新たな広がりを予想させる、そういう取り組みにつながっていくというふうに感じておりまして、そういう意味で、今回のデンマーク出張は今後の神戸のエネルギー政策を展開していく上での成果があったのではないかと、こういうふうに感じております。

 私からは以上です。

 質疑応答(発表項目)

記者:

 海外出張のほうでお伺いしたいんですけれども、川重さんの「すいそふろんてぃあ」で運搬するというのはすごく分かりやすいんですけれども、神戸市としてはどういう関わりが想定されるんでしょうか。

久元市長:

 もともと神戸市は、この水素サプライチェーンの構築については、川崎重工さんや岩谷産業さんなどと共同して進めているわけですが、神戸市が行っている役割は、直接的には空港島に「すいそふろんてぃあ」からの荷揚げ施設を造る、そして、岸壁などを整備するということですね。同時に、神戸でこのサプライチェーンが構築されるような形での様々な企業などの関係機関とのコーディネート役を務めています。ですから、これを進めるということは、これはナショナルプロジェクトになる可能性もありますので、神戸市としては、ぜひ神戸で積極的にこういうヨーロッパからの液体水素の輸入ということにつながっていくような調整、特に資源エネルギー庁や経済産業省との調整などにも当たっていきたいというふうに考えています。

記者:

 ありがとうございます。

 あともう1点、この洋上風力を例えば神戸市の沖合でやるとか、そういうことは可能なんでしょうか。

久元市長:

 私はもともとこれは大変難しいと思っておりましたけれども、現地に行ってみてその思いを強くしております。無理ですよ。風が全然違うんですよ。立っているのも難しいぐらいの風が陸上でも吹いているんですよね。風の強さが全然違うので、神戸の温暖な瀬戸内の大阪湾ベイエリアで洋上風力発電所を設置するというのはまず無理だろうというふうに素人ながら感じました。

 これはまた専門家の意見を聞いてみたいと思いますけど、恐らく同じではないかなと。日本で洋上風力が可能なのは、恐らく北海道の沿岸ですよね。それから、東北の北沖、それから九州の五島列島など限られるのではないかというふうに思います。陸上の近くではですね。ただ、海上で、いわゆる浮体型の洋上風力発電技術が開発されれば、もっと広い海で沿岸から離れた海域でも可能になりますが、この浮体型の洋上風力発電設備はまだ実験段階で、実用化に至ってはいないというふうに承知をしております。

記者:

 海外出張の件で数点伺います。今回、2年9か月ぶりの海外出張だったと思うんですけども、実際海外に行かれた御感想というか、今回を振り返ってみていかがでしょうか。

久元市長:

 実際の出張の目的と概要というのは先ほど申し上げたとおりですけれども、それ以外に感じたことは、行きましたのはデンマークと、それから国内のエスビャウと、あとはトランジットのシャルル・ド・ゴール空港でしたけれども、特にシャルル・ド・ゴール空港は、かつての混雑から見れば、まだ人影が少ないというふうに感じました。同時に、大半の人がマスクをしていません。デンマークもそうでしたね。大半の人がマスクはしておりません。ですから、まだ人の往来ということから見れば、ヨーロッパの中でもまだ戻っていないことは確実ですけれども、やはり確実にふだんの日常生活というものを少なくともデンマークの人々は取り戻しつつあるというふうに感じました。

記者:

 今、マスクのお話も出ましたけども、最近、日本はちょっとまだで、マスクをそろそろ取るべきだというような声もありますが、それは、実際に今回デンマークに行かれて、日本国内も今後それに合わせるべきか、まだ日本はいわゆるマスク生活を続けるべきか、どのようにお感じになられましたか。

久元市長:

 それは、やはり国情、それぞれの国の国民が、コロナに対してどういうふうに感じ、どう対応するのかということの違いに関わってくるというふうに思いますね。私も自分なりに、例えば海外の神戸市と交流しているような都市や、似たような規模の都市のホームページを時々見ますけれども、コロナに関するページというのは、本当にもう多くの海外の都市は片隅のほうになっています。それに対しまして神戸市は、神戸市のホームページの一番のトップページには、コロナへの対応とか、ワクチンへの対応とか、それからオンライン登録してくださいというような、そういうまだまだコロナへの対応がメインになっているのは、やはり国民の関心がコロナ、あるいはコロナへの対応にまだまだ重点が置かれているというのが今の日本の状況ですから、そういうような国民の意識を反映してマスクの着用についての国の方針も示されていると思いますし、私は、そういうような国の方針にも従いながら、あるいは踏まえながら、神戸市としてどう対応するのかということを考えたいと思います。

記者:

 海外出張のことで1点だけ伺いたいんですけれども、欧州からの液化水素を輸入するとなったら、国内に拠点を幾つか候補を挙げていくと思うんですけども、その中で、多分、全国各地の港とある意味競争になるとは思うんですけども、そこで神戸が選ばれる輸入拠点としての強みというのはどういうところにあるのか、改めて、ちょっと重複するかもしれないけども、お願いしてもいいですか。

久元市長:

 それは、川崎重工さんや岩谷産業さんと一緒にサプライチェーン構築を神戸市が進めてきて、神戸が今舞台になっているということで、現実に実験施設としての荷揚げ施設も先ほど申し上げましたように空港島に造っているということ、これが神戸の今の状況です。

 ただ、これが実験段階からさらに前に進む生産段階になったときには、輸入された液体水素をどういうふうに本格的に商用化するのかということに関わってくるというふうに思います。そのときに神戸がどう関わるのかというのは、その用途に関わってくると思うんですね。例えば、今、神戸市はポートアイランドの中に大規模な水素発電の実証施設を持っていますけれども、この大規模な水素発電所ということを考えたときには、神戸が適地かどうかというのは、そこは疑問符がつきます。あるいはほかの都市のほうがいいかもしれません。

 同時に、水素を大規模に港で使っていく、カーボンニュートラルポートということを進めていくというのは、これは前も御説明しましたけれども、バイデン大統領が来られた共同コミュニケ の中でも、日本では横浜港と神戸港が明記されているわけです。そういう意味からいえば、神戸に優位性があるというというふうにも言います。

 2つ例を挙げましたけれども、こういう形で輸入された水素エネルギーというものをどういうふうに使っていくのかということによって、そこにふさわしい土地が輸入された液体水素を荷揚げし、利用をする、そういう都市になっていくというふうに思います。

記者:

 2点お伺いしたいと思います。今回の海外出張なんですけども、今後も含めて市民への還元というのはどういうことが考えられるんでしょうか。

久元市長:

 これはまさにWECPの総会でも議論になったところで、新たに進めようとしている再生可能エネルギーの効果というものを、それぞれの都市の市民の皆さんにどう理解してもらうのかということが非常に大切ですねというような意見交換がされましたから、やっぱり改めてその必要性を強く感じました。

 今、神戸が進めているこの水素利活用プロジェクトについては、私どもなりに市民の皆さんに情報発信をしてきたつもりですけれども、より分かりやすい形でこれを発信する取り組みを進めたいというふうに思います。

 また、昨日、市内の大学の学長方との懇談会がありまして、このエネルギーの関係は直接のテーマにはならなかったわけですけれども、神戸大学をはじめ、あるいは甲南大学などと、この水素エネルギーなど、より未来志向のこの神戸でのエネルギー政策の展開というものをどう進めるのかということを意見交換する、あるいは、大学の研究者の知見を求めるのだけではなくて、学生の皆さんとも意見交換をして、そして、若い世代の皆さんとこの情報や問題意識を共有して、幅広い再生可能エネルギーの利活用についての新たな政策展開を考えていくと、そういう取り組みも必要なのではないかということを、昨日、先生方との意見交換をしながら感じたところです。

記者:

 直接いろんな都市の首長さんとお会いをして、最先端のエネルギー事情の意見交換をされたと思います。そうした知見を踏まえて、今後の神戸市の将来像というのは何か違ってくるですとか、新たなアイデアというのはありましたか。

久元市長:

 私どもが進めてきた水素エネルギーの利活用というこういう政策が改めて世界の潮流と合致しているということは強く感じました。同時に、先ほど御説明いたしましたデンマークのこの余剰電力を水素エネルギーに転換して輸出しようという構想が想像以上に速いピッチで具体化しつつあるということも感じましたから、やはり海外に対してはアンテナを高くする、そして、市内の大学や企業の皆さんに対してはしっかりとこの意見交換をして問題意識を共有すると、両方の取り組みというのが必要かと感じます。

記者:

 もう1点なんですけども、次もシアトルへの出張が予定されています。今後の海外出張の意義ですとか、海外出張を再開されて、今後というのはどういう形で取り組まれますでしょうか。

久元市長:

 シアトルに対しては、シアトルとは、これ、非常に長い交流があります。1950年代の初め、1952年ぐらいからだったでしょうかね。正確な年は違っているかもしれませんが、また確認してもらえればと思いますが(注:提携は1957年)、非常に長い交流がありまして、もう相当いろいろな交流が進められてきました。

 改めて、今後、未来志向でシアトルとの交流をどう進めるのかということですが、特にやはり、これはシアトルに限らず、私として海外の都市や地域との交流の際には、やはり双方に具体的なメリットがあるウィン・ウィンの関係をつくっていくということが必要なのではないだろうか。単に訪問団の交換をしましたということだけではなくて、特に経済交流の面で、あるいはビジネスマッチングの面で交流をすることができないかということですね。

 これ、そのために今回は民間企業の皆さんもかなり参加して、市内の企業の、このシアトルだけではなくて、周辺地域やあるいはポートランドにも出張いたしますが、そういうビジネスチャンスを探る。神戸で作られた様々な商品やサービスをアメリカで展開する可能性を模索するという、そういう取り組みも進めていますし、それから、今は外資企業の誘致ということ、これ、非常に重要です。シアトルを含む近隣地域のこの米国企業を神戸市内に誘致することができないかと、これも取り組んでいきたいと。実際に会社を訪問して、そういう可能性も打診をしてみたいと思っています。

記者:

 すみません。アメリカやデンマーク以外にも、今後ももしかしたら海外出張があるかもしれないですけれども、今後の海外出張の位置づけですとか、直接会うこと意義とか、感じられたことがあれば、最後にお願いいたします。

久元市長:

 次のシアトル以降の出張の予定は今のところはありません。神戸でもコロナへの対応を含め、私自身が神戸で対応しなければいけない仕事というのはたくさんありますから、そこへの影響を考えながら考えていきたいと思います。

 ただ、改めてこのWECPの総会に出て感じたことは、直接同じテーブルを囲んでほかの市長やあるいはほかの都市の幹部の皆さんと意見交換をすることは、大変これは意義があると。直接、紙のやり取りだけとか分からない直接の考えも、日本ではもう、何というのか、すごく華やかなディナーパーティーのようなものをやると、なかなかこれはいろんな批判も予想されて、私どもも控えるわけですけども、すごく華やかで、もうざっくばらんな、私はそんなに英語は得意ではありませんが、ざっくばらんな意見交換ができる機会を提供されますから、直接話をするということは、このエネルギー政策、あるいはそれ以外の例えば市民参加や自治体運営についての市長の考え方を、国によって制度はそれぞれ違いがあるわけですけれども、直接聞いて、私の意見も申し上げたりしてそれに対して相手の考え方を聞けるとか、そういう直接お会いする意義というのはやはり大きいなと感じました。

記者:

 海外出張で神戸の水素プロジェクトを紹介されたということで、紹介されたときの参加者の反応といいますか、どんな感触だったのか、また、こういう水素に関して神戸がどのように見られているかと感じたことをお願いいたします。

久元市長:

 その後、そんなにたくさんその場での質問はなかったんですけれども、終わりましてから、参加者、これは企業の方と、それから先方のマスメディアの方と、それからエスビャウ市の担当の幹部の方から直接幾つかの質問がありました。

 どう見られているかというのは、ちょっと正直分かりませんでしたけれども、しかし、特にこのシンポジウムやセミナー、あるいはWECPに参加した特にエネルギーに深く関わっておられる幹部の方は、川崎重工さんが検討された液体水素運搬船のことはもう御存じで、そのことを前提にした質問だったと記憶しています。

記者:

 すみません。あと、仮に欧州からのサプライチェーンというものが、そういうふうな構想が実現するとした場合、もちろんこの辺の神戸港にも新たな整備というのがさらに必要になってくるかと思うんですけども、その荷揚げ施設をさらに強化するだとか、そういったものがどうしても必要になってくるのか、現時点で今どんなお考えでしょうか。

久元市長:

 まだそれはこれからですね。まだ構想の段階ですから、これ、まだそこまでの具体化をする時期、段階ではないと思います。

記者:

 海外出張の件で1点だけ。長旅だったかと思うんですが、市長は移動されるときっていつもビジネスクラスとかを利用されるんでしょうか。

久元市長:

 そうです。

記者:

 いつも、どの出張でもビジネスクラスですか。

久元市長:

 そうです。

記者:

 分かりました。ほかの一緒に行かれている職員も同乗されるんですか。

久元市長:

 エコノミークラスだと思います。

 

 質疑応答(発表項目以外)

記者:

 2点お願いします。1つは、昨晩、神戸市内であった講演で、平田オリザさんの講演をちょっと聞かせてもらっていたんですけど、神戸の観光の施策について、文化観光政策、この視点が非常に大事であると。特にその夜のアートというところを強調しておられたんですけど、非常に面白い視点であり、有意義な話だなと問題を聞いてたんですけど。一方で、結構ハードルも高いんじゃないかなと感じていて、このあたり、市長としてどのようにお考えなのかなと。

久元市長:

 ナイトタイムエコノミーということ、これは観光だけではなくて、神戸市民も楽しめるようなナイトタイムエコノミーというのは、市長に就任してからずっと問題意識がありました。何とかできないかということで、市内で夜に、神戸の繁華街でビジネスをされている方も入られた意見交換とか、これは聞いておられる方はアルコールを飲みながら、大変楽しい雰囲気でのフォーラムだったかと思うんですけど、その後の取り組みというのは必ずしも十分ではなかったと思います。

 ただ、これは非常に大事な取り組みなので、やっぱり進めていかなければいけないと。非常にこれはまたささやかな話ですけども、神戸市の市会でも、議会のほうからも、この夜市、夜の市ですね。これをやるべきではないかということで、これは進めて、開催してきました。これをずっとやれないかということは、これはテーマにしたいと思います。

 それから、やっぱりまちのにぎわいですよね。夜も含めてそこでいろんなイベントが行われている。特に三宮プラッツをそれなりの費用を費やし作ったんですけども、作った後、全然何もやってないんですよね。私はこれ、市長副市長会議で問題にしまして、これはぜひ、あそこに行ったら必ずある程度の、深夜までは無理かもしれませんけれども、8時、9時ぐらいまではあそこに行ったら何か、ジャズでもボーカルでも、いろんな音楽イベントでも紙芝居でもちんどん屋でも何でもいいんですけども、何かそこで面白いことがそこにいつも行われているというふうにしてほしいということを強く申し上げまして、今そういう取り組みのほうが始まっていると思いますね。

 こういう夜のにぎわいということと、あとは、神戸はやはりジャズバーとか音楽が楽しめるクラブもありまして、私はこのコロナでそういう、これはある意味で神戸の文化でもありますし神戸の夜の魅力でもあるわけですから、この火が消えないようにしなければいけないということで、いろんな支援も行ってきたわけです。

 こういう取り組みをやはりもっと広げていかないといけない。関係の皆さんの意見を聞いて、このナイトタイムエコノミーを進めていく。そこに平田オリザさんがおっしゃるような芸術やアートは深く関連するわけですから、そういうことを関連づけながら、観光にこの芸術文化の要素を入れていくということを、これは改めて神戸観光局や、また経済観光局を中心に新たな取り組みができないか、ぜひ検討したいと思います。

 私自身も昨日、平田オリザさんの講演を非常に新鮮な視点を提供していただいたというふうに思いながら拝聴させていただきました。

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 もう1点、昨日、明石の泉市長が、来春で退任されるということを表明されまして、議会で問責決議案が可決されての引責というような形での表明だったんですけども、まず、どのように受け止められたのか聞かせてください。

久元市長:

 正直驚きました。泉市長は今までもいわゆる問題発言というふうに報じられるような発言をされて、その後、とにかくこれまでは乗り切ってこられたわけですから、今回もそういうふうにして乗り切って、市長をこれはずっと続けていかれるのかなと思っていましたので、すぐ辞められるわけではないということですが、任期いっぱい務められて引退をされるという記者会見の模様を聞きまして、大変驚いたというのが1つです。

 もう1つは、その上で、泉市長の子ども医療費への無料化など子育て支援施策については、神戸市は泉市長の考え方とはかなり違う考え方で進めてきましたので、違うからこそ、ある意味で泉市長の考え方や方針から刺激もいただいてきたし、気づきもいただいてきたというふうに思います。改めてそう思います。ですから、今回引退表明されたことは、そういう意味で大変残念に感じています。

記者:

 泉市長の政治手法という意味では、金券配布を専決処分でされるとか、割と議会との対立もいとわないといいますか、そういったやり方を進めてこられて、もちろん賛否あると思うんですけど、こういう議会との関係といいますか、この辺りの泉市長の進め方というか、ここについてはどのようにお考えでしょう。

久元市長:

 これは泉市長の考え、あるいは明石市議会の考えで双方の関係が構築をされてきていると思いますから、そのことについて、これは明石市の話ですから特に何か申し上げることはないんですけれども、私自身の議会との関係でいうと、市民の代表は基本的には議会だというふうに感じています。自治体の意思決定機関は議会です。これは議会が存在しない民主主義というのはないですよね。しかし、直接、国民や市民から、自治体でいうと市民から直接選ばれた市長や知事がいなくても、議会があれば民主主義は成立するわけです。議会がなくて、直接選挙された知事や市長だけがいるというのは民主主義ではないわけですね。ですから、議会は民主主義にとって必須のものです。市民の意見は基本的には議会によって代表される、これが私の地方自治の基本的な構造に対する認識です。その上で、そういう考え方で議会と関係を築いてきました。

 ですから、私は前も申し上げたと思いますけれども、専決処分は基本的にしないと。最近1回だけしたことがあったかも。これはよほどの場合です。よほど緊急性がある場合。基本的には専決処分はしないと。必ず、会期中であれば議会の開会をお願いする、会期中でなければ議会を招集して審議をしていただくと、そういう基本的な考え方で臨んできたつもりで、これからもそういう方針で臨んでいきたいと思います。

記者:

 あと1点だけ。泉市長といえばSNSでツイッターはフォロワーが30万人以上いるような状態で、直接自分の考えを市民にSNSを通じて訴えるという手法に力を入れてこられて、市長御自身も、ツイッターはやめられましたけど、そういった手法を積極的にこれまで利用されてこられたと思うんですけど、首長の顔とかそういう首長の信念が一般の市民に伝わりやすいという非常にメリットがある一方で、これもある意味では議会を飛び越えて発信するという、なかなかちょっと議会との関係では悩ましい面もあるんじゃないかなとちょっと思ったりはしていたんですけど、この辺りはどのようにお考えでしょうか。

久元市長:

 そこは先ほど申し上げました議会との、私の場合は、そういう議会との関係を意識してSNSも活用するという考え方で、ツイッターをやっているときはそういう考え方で臨んでいましたし、今もフォロワーなんてほとんどいませんが、インスタグラムもそういうつもりで臨んでいます。

 ツイッターをやめてせいせいしたというか、精神衛生上非常によくなったことは事実ですけれども、しかし、ツイッターはツイッターでそれなりに、今まさにおっしゃいましたように自分の考えを直接市民に伝えることができる有効なツールですから、今すぐ復活するということは考えてはいませんけれども、SNSを、これは市長としてというよりも、神戸市政としてこのSNSをどう有効に使うのかというのは、市政の理解、市政の個別の施策に関する理解を求めていく、広げていくという意味では有効なツールなので、その積極的な活用というのはこれからも考えていきたいと思います。

記者:

 神戸空港の関係で2つお伺いしたいんですけれども、1つは駐機スポットの拡充で、国の補助を受けて140億円を見込んでいるという数字が出た、お話しされたかと思うんですけども、議会で。この140億円のうち、国の補助がどれくらいでみたいな話というのは今分かっているんでしょうか。

久元市長:

 制度というのはもちろん港湾局のほうで把握をしていますが、補助対象となる空港基本施設の中でどこの部分が補助対象になり、そこの補助率がどうなのかというのは、必ずしもこれは計画を立ててみないと分かりませんから、何割ぐらいというのは今の段階ではちょっとよく分かりません。これから計画をつくる段階で明らかになっていくと思います。

記者:

 計画をつくっていって、それが示されるというのは、大体スケジュール感でいうとどのぐらいの時期になるんでしょうか。

久元市長:

 これは港湾局に聞いていただければと思いますけれども、遅くとも年度内には計画の内容というのは明らかにして、国庫補助の見込みも年度内には明らかにしなければいけないというふうに思っています。

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 あともう1点、これは副市長が答弁されていたところなんですけれども、欧米のお客さんを最優先のターゲットとするというお話がありまして、これは基本的には直接神戸空港に欧米から便が来るわけではないと思うんですけれども、この考え方というのはどういうところからなんでしょうか。

久元市長:

 それは神戸空港に関するところで答弁を副市長がしたんだと思うんですけど、その答弁の趣旨は、神戸空港というよりは、神戸空港を活用してインバウンドをもっと呼び込まないといけないではないかという御指摘に対する答弁だったと思うんですね。ですから、神戸空港に欧米の観光客を呼んでくるということではなくて、神戸空港も国際化される、国際チャーター便、それから国際定期便という順番で国際化されるとなったときに、インバウンドの観光客により力を入れて、これを誘致しなければいけない。

 その際に副市長が申し上げたことは、欧米の観光客のほうが滞在日数が長いということですね。滞在日数が長いとそれだけやはり市内で消費してもらう額が大きいので、そういうことを考えれば、やはり欧米のお客さんというのは非常に大事ではないかという趣旨で答弁をしたのではないかと思います。

記者:

 例えば神戸市の観光施策として、今、最優先のターゲットにするというのが欧米のお客さんであるという。

久元市長:

 いや、もちろん欧米のお客さん、それからオーストラリアのお客さん、それからアメリカのお客さん、それからアジアの、特に数としては圧倒的に東アジアが多いわけですから、全方位で誘致をしていくということが重要ですが、しかし、神戸の今のインバウンドのこのコロナ前の状況を考えれば、神戸に来てもらっても泊まらないで大阪に泊まるという方がかなりいらっしゃるということも、これははっきりしておりましたので、日本に滞在期間が長いそういう欧米の観光客に神戸にしっかりと泊まっていただいて、先ほどのナイトタイムエコノミーの充実なども図りながら、できるだけ神戸に泊まっていただいて、神戸に長く滞在していただいて、そして、神戸で消費をしていただくという取り組みをぜひ進めていきたいというふうに思います。

記者:

 9月27日に安倍元首相の国葬に御出席されたかと思うんですが、改めて現地に行かれて感じた空気感であったりとか、国葬の意義について思われたことがあれば教えてください。

久元市長:

 これは安倍元総理の業績、あるいは最長の総理を在任されたこと、それから海外に対する発信力、あるいは亡くなられたときの状況や経緯などを、そういうことをお考えになって国の判断として国葬が行われ、私に対しても御案内いただきましたので出席をさせていただきました。改めて、安倍元総理に対する私としての弔意を心の中で表明させていただいたつもりです。
 

動画再生ソフトウェアのダウンロード

動画再生ソフトをお持ちでない方はこちら

このページは接続環境によって、映像・音声などがみだれたり、スムーズな視聴ができない場合があります。あらかじめご了承ください。

お問い合わせ先

市長室広報戦略部