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ブルーカーボンの取り組みについて ワカメのメカブを活用した藻場形成に関する実証実験の結果

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記者資料提供(2023年6月9日)
自然環境課

ブルーカーボンとは、大気中の二酸化炭素が、海藻・海草などの海の生態系に吸収され、固着される炭素のことを指し、新たな二酸化炭素の吸収源として注目されています。
この度、須磨浦水産研究会と連携して、同研究会が実施している「早採りワカメ」株植付オーナー制度によるワカメ収穫後、これまでは廃棄していたメカブ(ワカメの胞子が蓄えられている部分)と茎が残された状態のロープ(以下メカブロープ)を、2022年2月に須磨海づり公園内の消波ブロック等に設置し、2023年3月にワカメの藻場がどの程度形成されるのかを調査する実証実験を行いました。
実証実験の結果、周辺海域で約4,250m2、約11.3t-wet(部分的刈取調査により推定)のワカメ藻場が観測されました。
今回の調査結果を踏まえて、これまで廃棄していたメカブロープの有効活用の検討を進めます。また、これらの藻場が大気中の二酸化炭素を吸収し、固着したブルーカーボン量をクレジット化することも検討していきます。

1.実証実験の概要

須磨海づり公園内のメカブロープを設置した消波ブロック周辺で、調査測線を設けて、潜水士によるワカメの現存量を調査した。
実証実験の調査場所

メカブロープの設置イメージ
メカブロープの設置イメージ

2.実証実験の結果(部分的刈取調査により推定)

測線 藻場面積(m2 ワカメ現存量(t-wet)
N-1 570 1.154
N-2 522 1.189
N-3 318 0.432
S-1 1,025 3.362
S-2 975 3.388
S-3 654 1.674
E 186 0.096
合計 4,250 11.295


ワカメ藻場
調査水域での藻場繁茂状況(提供:須磨里海の会)