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アルツハイマー病の新規治療標的は海馬における神経再生の活性化 —認知症の発症および老化の本質に関する全く新しいメカニズムを提唱—

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FBRI

記者資料提供(2023年11月30日)
企画調整局医療産業都市部調査課


公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(理事長:本庶佑)は、先端医療研究センターの田口明彦部長ら脳循環代謝研究部とドイツ・フラウンホーファー研究機構、英国・ウォーリック大学、島根大学らの研究グループによる成果、「アルツハイマー病の新規治療標的は海馬における神経再生の活性化」が2023年11月21日(日本時間)付の国際学術誌Neuroprotectionに掲載されましたので、お知らせします。

1.本研究のポイント

私たちの研究グループは本論文において、認知症の原因が脳内におけるアミロイド・タウ等の有害物の蓄積ではなく脳機能を完全に維持できる期間の終了の結果であり、老化の原因がミトコンドリアやDNA障害等の蓄積ではなく体の機能を完全に維持できる期間の終了であるという発想の転換から「これまで原因だと思われていたことが単に結果である」との新たなメカニズムを提唱しました。

新しく提唱した認知症の発症および老化の本質のメカニズムに関する模式図
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私たちが注目しているのは、「老化」と「再生」の関係ですが、老化と再生は、方向性は逆であるものの本質的なメカニズムは共通しています。すなわち、「加齢に伴いエネルギー産生量が減少するメカニズム」と「再生医療によりエネルギー産生量が増加するメカニズム」は共通する部分が多いと考えています。
脳循環代謝研究部では、「再生医療によりエネルギー産生量が増加するメカニズムの解明」も進めています。再生医療での知見と老化研究を併せることにより、加齢現象の全容解明およびアルツハイマー型認知症やアンチエイジング治療への貢献が期待されます。

本発表の詳しい内容は、添付資料(PDF:2,783KB)をご参照ください。

2.発表者

公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター 脳循環代謝研究部長 田口明彦
【経歴】
1989年 大阪大学医学部卒業
1996年 米国コロンビア大学 博士研究員
2002年 国立循環器病研究センター 脳循環研究室 室長
2011年 10月より現職

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