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神戸市交通局における「神戸市交通局市バス営業所における職場環境及び組織風土改善のための調査委員会」の報告を踏まえた対応

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記者資料提供(2023年10月13日)
交通局経営企画課
 2022年(令和4年)3月に発覚した市バス営業所のハラスメント事案をきっかけとして実施した弁護士による第三者調査及び、その調査の過程で発覚した事案を詳細に調査するため設置した第三者調査委員会「神戸市交通局市バス営業所における職場環境及び組織風土改善のための調査委員会」の報告において確認された事実に基づき、本日、関係職員への処分等を行いました。
 一連の不祥事案により、市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫びいたします。今後、服務規律及び綱紀粛正の徹底を図るとともに、再発防止策の徹底、風通しの良い職場づくりの実現に向け全力を挙げて取り組んでまいります。

1.関係職員への処分(計7名)

処分案件1(パワー・ハラスメント、虚偽の公文書作成、不適切な事務処理)

(1)被処分者    一般職員・男性・56歳

(2)処分内容    免 職     

(3)処分年月日   2023年10月13日

(4)処分理由
 被処分者は、職員の勤務割り振りや指導を行うなど職場内において優位な立場にあるところ、2018年8月以降複数回にわたり、職場内の掲示板に内部告発行為を非難する内容の文書を掲示し、その行為を職員Aが行っているものとして周囲の職員に吹聴し、話をしないよう呼び掛けるなど、人間関係の切り離しを図った。

 また、2020年3月以降、組合支部役員の批判を行った職員Bらを背後で操っていたとして職員Cを批判するとともに、職場内の掲示板に職員D及び職員Eの人格や能力を否定する内容の文書を複数回掲示した。

 更に、職員F及び職員Gに対し、組合支部に加入していないことを理由として2022年4月以降の勤務シフトから外すなど不利益を与えた。

 その他、2016年頃、職員が長時間勤務による産業医面談の対象となることを回避するため、時間外勤務の一部を翌月以降の時間外勤務が少ない月に計上するなど不適切な事務処理を職員に行わせたことにより、職員への給与が一部未払いとなったことにより労働基準監督署から是正勧告を受けるとともに、職場における職員の健康管理面においても重大な支障を生じさせた。

 上記のようなハラスメントや不適切な事務処理を指示する行為は、公務員のみならず社会人としてあるまじき行為であり、また、交通局及び交通局職員全体に対する信用を著しく失墜させる行為であるため、上記処分を行ったものである。
 
処分案件2(不適切な事務処理)

(1)被処分者   ① 一般職員・男性・55歳

        ② 一般職員・男性・57歳

        ③ 一般職員・男性・56歳

        ④ 一般職員・男性・47歳

(2)処分内容     ①       停 職(1月)

           ②~④     戒 告

(3)処分年月日    2023年10月13日

(4)処分理由
 被処分者らは、処分案件1の被処分者の指示により、①の職員を中心に、職員が長時間勤務による産業医面談の対象とならないよう、長時間勤務となった月の時間外勤務の一部を翌月以降の時間外勤務が少ない月に計上するなど、不適切な事務処理を行った。

 このような不適切な事務処理を行うことについては、公務員のみならず社会人として基本的な法令順守の意識に欠けていると言わざるを得ず、上記の処分を行ったものである。
 
処分案件3(諸給与等の不適正受給)

(1)被処分者   一般職員・男性・56歳

(2)処分内容   停 職(3月)

(3)処分年月日  2023年10月13日

(4)処分理由
 被処分者は、2009年3月に組合支部長に就任して以降、本来業務とは異なる業務を自主的に行い、毎月およそ16時間分の時間外勤務を行ったものとして報告していたが、実際に従事した日時・業務内容と異なる内容での報告を行っていた。

 このような行為は、公務員のみならず社会人としてあるまじき行為であり、また、交通局の信用を著しく失墜させたことから、上記の処分を行ったものである。

 ※ 勤務実態に基づかない不適切な申請により支給された時間外勤務手当については、第三者調査委員会の調査による勤務実績の認定により算出された返還割合に基づき支給額を算定し、本日、返還請求を行った。

  ・返還を求める期間(月数、時間数、金額)
   2013年9月~2020年9月実績分(計85月分、919.6時間、2,951,411円)

 ※ 退職者1名(男性・63歳)についても、2019年3月に組合支部長に就任して以降、同様に不適切な申請による時間外勤務手当が支給されているため、第三者調査委員会の調査による勤務実績の認定により算出された返還割合に基づき支給額を算定し、本日付で返還請求を行った。
         ・返還を求める期間(月数、時間数、金額)
   2019年3月~2020年9月実績分(計19月分、210.8時間、688,356円)
 
処分案件4(諸給与等の不適正受給)

(1)被処分者   再任用職員・男性・64歳

(2)処分内容   減 給(平均賃金の日額の2分の1)

(3)処分年月日  2023年10月13日

(4)処分理由
 被処分者は2005年3月に組合支部長に就任して以降、本来業務とは異なる業務を自主的に行い、その実績のうち一部について時間外勤務として申請していたところ、その一部について不適切な状況が認められた。

 このような行為は、公務員のみならず社会人としてあるまじき行為であり、また、交通局の信用を著しく失墜させたことから、上記の処分を行ったものである。

 ※ 申請された時間外勤務のうち不認定としたものについては、第三者調査委員会の調査による勤務実績の認定により算出された返還割合に基づき支給額を算定し、本日、返還請求を行った。
   ・返還を求める期間(月数、時間数、金額)
   2013年9月~2020年3月実績分(計79月分、277時間、898,359円)
 

2.管理監督責任(計19名)

【対象となる行為】

a.2018年度に全市的に労使関係の適正化が行われた際(もしくはそれ以降)、局の幹部職員として十分な現場実態の把握及び是正を行わなかった。

b.処分案件1の被処分者に対し、本来職制が担うべきダイヤ編成や勤務割り振りへの関与を容認するなど特別な取り扱いを行うことにより、当該組合役員の職場内における影響力増大を助長させ、処分案件1における一連のハラスメント行為を生む要因となった。

c.処分案件1の被処分者をはじめとして職場内で行われていたハラスメント行為等について、管理職として適切に是正を行わなかった。

d.処分案件1の被処分者により非組合員が勤務シフトから外されるなどの不利益な取り扱いを受けることになった際、管理職として適切な措置を講じなかった。

e.処分案件1の被処分者が市バスの運転士から事務職員に転任した際、研修や職務割り当てが適切に行われるようすべきところ十分な対応を怠った。

f.処分案件1の関連でハラスメントの相談を受けた際、相談者に同意なく加害者側となる職員に事実確認するなど配慮に欠く対応を行った。

g.処分案件2について、管理職に無断で不適切な時間外勤務実績の繰り越し処理が行われていたところ、管理職による十分なチェックが行われず、長期間不適切な事務処理が継続されていた。

h.処分案件3の管理職として、職場内で勤務の実態を伴わない時間外勤務申請が行われていたにも関わらず、その実際の勤務について確認を怠り、長期間にわたり不適切な給与の支給が行われた。

i.処分案件3の行為が2020年10月に発覚した際、適正な事実調査、原因究明、再発防止を講ずるための対応を怠った。

j.処分案件4の管理職として、所属職員の時間外勤務の一部が本来行うべき業務としての必然性に乏しく、返還の対象となったことに対する結果責任。

k.市バス営業所において、ハラスメント行為や時間外勤務手当の不適切な申請など、複数の不適切事案が行われていた一連の結果責任。

【処分の内容】

処分量定

対象者(現所属)

元役職

対象となる行為

人数

(うち退職者数)

減給6月間

(1/10)

退職者

局長級

a,i

2名(1名)

経済観光局 局長級職員

部長級

a,b,d,e,i

減給3月間

(1/10)

建設局   課長級職員

課長級

c,d,e,f,g

2名

西区    課長級職員

課長級

h

減給1月間

(1/10)

都市局   部長級職員

部長級

a,i

2名(1名)

退職者

部長級

a

減給

(日額1/2)

交通局   部長級職員

課長級

b,g,i

3名(2名)

退職者

課長級

h

退職者

課長級

h

戒告

交通局   課長級職員

課長級

e,f,i

3名

交通局   係長級職員

係長級

h,j

交通局   係長級職員

係長級

h

訓戒

交通局   局長級職員

局長級

k

7名

文化スポーツ局 課長級職員

課長級

g

こども家庭局 課長級職員

課長級

g

交通局   課長級職員

係長級

g

区役所   部長級職員

課長級

j

福祉局   課長級職員

課長級

j

区役所   課長級職員

課長級

j


※ 既に退職している者については、懲戒処分相当額の自主返納を求める。
 

3.再発防止策及び組織風土改善の取り組みについて

(1)実施済の事項

①営業所管理体制の体制強化

・営業所長に現場経験者を配置(2023年4月人事異動で3営業所すべて経験者を配置済)

・営業所の統一的かつ適切な管理運営の確立を進めるため、3営業所を統括する部門を設置(2022年11月設置)

・本庁機能の一部を営業所へ移転することにより営業所の指揮監督を強化(2023年4月実施)

②風通しのよい組織風土の実現に向けた取り組み

・局長メッセージ、職員目安箱の設置、ハラスメントの相談窓口の連絡先を記載したカードの配付(2022年5月実施済)

・「交通局自動車部営業所 人事・組織運営方針」を策定(2022年10月実施済)

・長期在籍者を中心に計画的な人事異動を実施(2022年11月、2023年6月実施済)

・交通局全職員を対象にハラスメント研修を実施(2023年1月~2月実施済)

・女性職員採用の取り組み強化(2023年4月実施、10月1日時点で2名採用)

・庁舎の適正利用・執務環境改善(2022年11月~実施)

③労務管理の適正化

・運転士による「非乗務」勤務は原則行わないこととし、会議出席などの運転以外の業務については、その必要性を所属長の責任で管理

・カードリーダー認証を徹底するとともに、職員の出退勤管理や時間外勤務管理、終業時刻から翌始業時刻までに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の管理を確実に実施

・3営業所を統括する部門において、営業所独自ルールを廃し、営業所ごとに異なっていたルールを統一

・昨年度調査で指摘されたハラスメント行為の関係職員に対する処分(2023年3月13日付で5名の懲戒処分を実施)

(2)今後の取り組み

①確実な再発防止策、適正な営業所運営の実施

・第三者調査委員会からの職場環境及び組織風土に関する指摘及び、再発防止策の提言をふまえ、交通局として現在取り組みを進めている実施事項を今後も引き続き確実に履行していくとともに、実施状況を点検しながら、更に効果的な取り組みとなるよう改善を図っていく。

【主な実施事項】

・営業所管理体制の確立や組織風土の体質改善

・管理職の指導力強化や管理職・運行管理者・運転士等の意識改革

・健全な労使関係の構築   など

②外部委員による評価委員会の設置

・営業所の職場環境及び組織風土が継続的に適切な状態に保たれているかを確認するため、外部委員により評価を行う評価委員会を立ち上げ、毎年度定期的に評価

 〇委員会名:(仮称)神戸市交通局市バス営業所の管理運営に関する評価委員会

 〇外部委員:弁護士、社会保険労務士、自動車運送事業に知見のある者、利用者代表等