最終更新日:2025年8月28日
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神戸市北区は、「神戸市」の持つ都市のイメージとは異なり、のどかな田園風景や緑豊かな自然が広がるまちです。そんな魅力たっぷりの北区に、いま「お試し移住」をする人たちが増えています。今回は、北区淡河町で明治期からある建物をリノベーションした「ヌフ松森医院」で、お試し移住をする夫婦にお話を聞いてみました。
(以下、藤原聡さんを「聡さん」、藤原恵さんを「恵さん」と表記)
北区役所:この部屋、めちゃくちゃ眺めがいいですね。外の田んぼと目が合うというか。
恵さん :そうなんです。6月1日に入居したとき、ちょうど田植えが終わった時期でした。
当時は土が見えていましたが、一気に青々としてきたんです。
北区役所:どんなきっかけで神戸市北区に「お試し移住」を?
聡さん :じつはもう北区に移住を決めました(笑)
北区役所:ええ! うれしいです!
聡さん :ぼくたちの生まれは東京で、いまは神奈川に住んでいます。ずっと移住先を探していたんですよ。長崎や熊本まで車で行きましたね。そのときから「お試し移住」という政策が各自治体にあることは知っていました。ただ、不動産なので巡りあわせだと思うのですが、ビビッと来る家がなかった。そしてお店もやりたいと考えていたので、地域の空気感も大事にしたいと思っていたんです。そんなときに神戸R不動産で、唐櫃台のステキな古民家と出会えたんです。
恵さん :移住と同時に始めるのが、わたしたちのプロジェクト「cozycozy」です。ここはセレクトショップであり、音楽の響く小さな空間でもあります。取り扱うのは、手仕事の器や織物、古道具、音楽関連の品。そこには「高価だから良い」ではなく、「日々の暮らしに寄り添い、心を満たすかどうか」という基準で選んだものが並びます。また、地元の方が育てた無農薬野菜や手仕事を学ぶ場をつくり、暮らしの循環を感じられる場所にしていきたいと考えています。
聡さん :古民家を改装するにあたって、神戸市の空き家改修補助金を活用したいなと。
その補助金は建築家とのコラボレーションになるので、ぜひチャレンジしたいですね。
北区役所:神戸市のさまざまな制度を活用してくださっているんですね。そして神戸市北区を選んだきっかけとは?
聡さん :じつは2年前にいちど淡河町へ旅行に来たんです。
恵さん :その経緯も偶然が重なったんです。茅葺修復や現代的な茅葺の活用を展開する「株式会社くさかんむり」代表の相良育弥さんが、何度か東京で講演をされていたんです。相良さんの講演を聞き、その作品や文化に惹かれたんです。で、実際に行ってみようと思って、相良さんに「淡河町だとどのへんを回ったらいいですか?」と聞いて(笑)淡河本陣跡やベーグルで有名な「はなとね」さんなども楽しんで、「暮らしの風景が美しくていいところだね」って。
北区役所:ヌフ松森医院の雰囲気もすばらしいですね。
恵さん :ほんとに素敵なところです。とにかく居心地がいい。1階のカフェでは気軽にお食事ができるし、リラックスできるスペースも充実しています。
北区役所:これまで東京や神奈川でお仕事をされてきた中で、おふたりの意志や目指すものが「神戸市北区」で一致するのがすばらしいですね。
聡さん :両親の理解を得るのは一筋縄にはいかなかったですね。ぼくも大学を出てからずっと東京の銀行で働いていました。
良くも悪くもレールに乗って、安定した暮らしを享受してきたのに、(両親から)なんでだと。
でも、神戸へ移ろうと決意した前に、会社の仕事が膨大で心身ともに限界を迎えて休養したんですよ。
そのときに数人で畑を借りました。わたしは当時興味なかったのですが(笑)
でもそこで大根を引っこ抜いたり土と触れ合ったりすることで、「なんかいいな」と。これまで土に触れることが全くなかった。
恵さん :ずっと「本当に豊かな暮らしとは何か」を探してきました。大量消費やスピードを求められる都市生活に違和感を覚え、自然と隣り合いながらも都市の文化にも触れられるこの地で、ようやく「根を張りたい」と思える場所にたどり着きました。
聡さん :2年ほど休職しながら、やりたいことと、根を張る場所をどうしようかと、ずっと悩んできました。今となっては、この方向性に両親がいちばんの応援団になっています(笑)
北区役所:神戸市のイメージって、体外的に見ると「都市」のイメージが先行していると思うんです。でも北区や西区は、そのイメージといい意味ですごく差がある。神戸市は懐が深いというか、お二人が持つような住環境のイメージを求められる方々も受け入れることができる。
恵さん :そうなんです。北区の暮らしは自然が豊かですが、三宮まで30分で出られる。街では旧居留地の洋館や石造りの建物に触れられるし、北区に戻れば茅葺き屋根の古民家や田畑の景色がある。テイストは違っても、どちらにも文化が根付いているのがすごく好きなんです。
聡さん :人もモノもある程度動いていて、不便すぎない。文化や歴史に守られながら、暮らしはゆったりと流れていく。
そのバランスが神戸ならではだと思います。神戸空港から東京までのアクセスも素晴らしいので帰省のストレスもかからないです。
北区役所:茅葺、自然、伝統の息づく様々なカルチャーがあるこの場所で、自分のやりたいことや想いがマッチしていれば、お二人のように素晴らしい暮らしの可能性が見えてくるんですね。お話を聞いて、わたしも漠然と「移住したい」気持ちが強くなっています。でも、「移住したい」と考える人はたくさんいても、一歩目の勇気を踏み出せる人はかなり少ないと思います。そして移住は勇気のいることですし、人生がガラリと変わるチャレンジングな局面ですよね。その一歩目の勇気を踏み出せない人たちに、お二人からアドバイスを…。
恵さん :焦らずに、段階を踏んでいいと思います。わたしたちも時間をかけて、最終的に北区有野町を見つけることができました。でも、移住することだけがその地域に貢献できることではないはず。畑から少しずつ始めてみるとか、茅葺に興味を持ってみるとか、近隣で採れた野菜を買って食べるとか、その中で気持ちが膨らんできたら一歩進んでみましょう。
移住はゴールではなく、スタートです。その土地に触れ、人と出会いながら、自分たちにとっての「豊かさ」を形にできればと思っています。
聡さん :休職したときに、人生のレールを一歩踏み外したと思っています。東京にずっと居るという自分は、もうここじゃないと生きていけないんだと思って縛られていた。転職してもサラリーマンを続けるのでは、自身の問題の根本的な解決にならないとも感じていた。「これじゃないとダメ」なんてないんです。自分の軸を見直したら「なんとかなる」と思えるようになりました。移住は勇気がいりますが、世界がぐっと広がる経験だと思います。
藤原さんご夫妻の移住体験、そしてその想いをたくさん伺うことができました。
さまざまなご縁があって北区を選んでくださり、とてもうれしいです。北区有野町での新たな船出、お二人のご活躍を願っています!
また、「神戸市北区への移住が気になる!」という方は、ぜひ下記のwebサイトもご覧ください!
神戸市北区移住・定住促進サイト「ゆったり北神戸ぐらし」
神戸・里山暮らしのすすめ