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契約中の脱毛エステサロンが突然倒産…残りの支払いはどうなるの?

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記者資料提供(2023年10月26日)
地域協働局消費生活センター

1.事例から

1年前に約40万円の脱毛エステを48回払いで契約。5回目以降は無制限で施術できるコースであり、既に5回は施術してもらっている。
倒産したことを知ったため支払いを止めたい。エステサロンに連絡するも繋がらない。 (20歳代、女性)
 

2.脱毛エステサロンに関する相談受付状況

近年、脱毛エステサロンの倒産により事例のような相談が急増しています。
下図は、神戸市消費生活センターに寄せられた脱毛エステに関する苦情相談件数です。
2022年度は脱毛エステサロンの倒産があり相談件数が急増しました。

10月プレス資料

3.神戸市消費生活センターからのアドバイス

エステサロンが倒産した場合

一般的に、倒産した事業者が法的手続きを取り破産が確定すると、事業者の資産は破産管財人(弁護士)の管理下に置かれます。
消費者は「債権届」を破産管財人に提出し、破産管財人が作成する債権者名簿に登録され、一般債権者の扱いで清算配当を待つことになりますが、税金や従業員の給与等の支払いが優先されるため、一般債権者である消費者への配当はほとんど期待できません。
また、クレジットカード払いは、脱毛の契約時に信販会社(クレジットカード会社)がエステサロンに代金立替えを行い、消費者が信販会社に返金する、という仕組みになっています。
そのため、エステの契約とクレジットの立替払い契約は別のものになり、事例のようにエステサロンの倒産により支払いを止めたいと希望してもクレジット会社への支払い義務は残ります。

支払い停止の抗弁

「支払い停止の抗弁」とは事業者に問題が生じた場合、信販会社(クレジットカード会社)に対して支払いを停止できる権利です。
脱毛エステの場合は、サービス提供期間内で施術回数が残っており分割払いをしている途中の契約は、一定の条件を満たせば支払いを停止する旨の主張(支払停止の抗弁の主張)をすることができます。この場合、抗弁書(書面)を提出することが一般的なので、信販会社(クレジットカード会社)に問い合わせ、対応方法をご相談ください。
※ただし、これはあくまでもクレジット代金の支払いの停止を主張できるものであり、エステ契約の解除や既支払金の返還を主張できるものではありません。

エステサロンへ電話するも繋がらない場合は?
エステサロンへ電話をかけても繋がらない場合は、希望事項と、電話が繋がらない状況を書面にし、書留等の相手が受取ったことを確認できる追跡可能な方法で送付しましょう。
書面はコピーを取り、送付の記録と共に保管してください。
契約時のポイント!

「無制限」、「通い放題」とうたっていても契約内容を確認すると「有償で受けられる回数・期間」と「無償で受けられる回数・期間」に分かれており、中途解約の際に生じる精算は原則有償の回数で行われます。一見、魅力的な契約と思われますがコースの仕組みを理解し契約しましょう
脱毛エステの長期間にわたる契約は「解約する必要があるとき」も想定して慎重に行いましょう。自身の体調の変化や引っ越し、エステサロンの倒産などを想定し都度払いができるコースやサロンを選択しましょう


突然の倒産の通知や報道を受け、契約者は混乱してしまいますが、まずは自身の契約内容をしっかり確認しましょう。
また、エステサロンのホームページに掲載された通知には必ず自身で目を通し情報収集を続けましょう!

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