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【結果報告】「人生の最終段階における意思決定支援」に関する有識者会議

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神戸市では、「人生の最終段階における意思決定支援」について専門的な見地から幅広く意見を求めることを目的として、2019年11月に「人生の最終段階における意思決定支援」に関する有識者会議を設置し、5回にわたりご議論いただきました。

神戸市「人生の最終段階における意思決定支援」に関する有識者会議

議論結果

会議では、以下4つの論点に沿って議論を行いました。

1.人生の最終段階における意思決定支援の課題

  • 課題には、社会環境の課題(どのように本人に考えるきっかけを提供し、共有するか)、本人(どのように意思を表明するか)、家族等の課題(どのように本人の意思を共有し、尊重するか)、医療・介護従事者の課題(どのように本人の意思を尊重し、寄り添うか)がある。
  • 人生の最終段階の意思決定支援のため、人生の最終段階の医療・ケアの話し合い(ACP)を推進すべきである。

2.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の導入

  • 本人と医療・介護従事者が一緒に決めていくプロセスを重視する「共有意思決定」の考え方に沿って進めていくべきである。
  • 疾患によって比較的早く進行するもの、緩やかに進行するものがあるため、画一的ではなく疾患に応じた対応を考えるべきである。
  • ケアマネージャーは、多くの医療・介護従事者の連携の中心にあるという意味で、非常に大きな役割を担っているが、ケアマネージャーだけが人生の最終段階の医療・ケアの話し合い(ACP)の中心的な担い手となることは難しく、全ての関係者が、患者本人の意思決定や、患者と家族等の間での合意形成を促進する役割を担っていると考えるべきである。

3.普及啓発の方法

  • 家族や医療・介護従事者等との人生の最終段階の医療・ケアの話し合い(ACP)について、市民及び医療・介護従事者の認知度は低く、普及啓発が急務である。
  • 医療・介護現場で常に人生の最終段階の医療・ケアに向き合う医療・介護従事者が意思決定支援とは何かをしっかりと理解することが大切であり、医療・介護従事者への普及啓発から取り組むべきである。

4.意思決定内容の表明ツール 

  • 本人が自身の意思を語れない段階に備えて、本人の生き方を振り返り、今後どうするかを、家族等や医療・介護従事者と一緒に考える仕組みとして、意思表明ツールは大切であり、神戸市として統一することが望ましい。神戸市医師会の「救急もしもシート」、「価値観シート」や「共に治療について考えていくための質問紙」を参考にしながら神戸モデルを展開すべきである。

今後の取組みについて

議論を踏まえ、人生の最終段階の医療・ケアの話し合い(ACP)の推進に向けては、

①市民向けの普及啓発のための市民公開講座等
②医療・介護従事者向けの教育講演等
③医療介護施設や公的施設等におけるパンフレット等の配布
④地域の相談窓口の設置
⑤意思表示内容の保存・更新・共有、ICTツールの活用


など、報告書内容の具体化について、関係者間で合意が得られたものより順次着手することで、ACPの普及をより一層推進することが求められる、という報告がありました。

報告書(PDF:35,067KB)

なお、本報告書の内容を踏まえた具体的な取組みについて、看取りにかかわる医療・介護関係団体の実務者や患者団体等をメンバーとする検討会議を2022年11月より開催し、検討を進めています。

お問い合わせ先

健康局地域医療課