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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査

最終更新日:2022年1月6日

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PCR検査の流れ

① 搬入
 濃厚接触者や集団感染などが発生した施設の人の検体を保健所職員が車で搬入します。

② 不活化 
 搬入された検体を病原体を取り扱う部屋(BSL-3)で、防護具を身に着けた研究員が確認し、慎重に不活化溶液と混ぜていきます。
 これにより、ウイルスは感染性を失い、RNAが溶液の中に放出されます。

BSL3

 
 左の写真のBSL-3(Bio Safety Level 3) は、危険な病原体を取り扱えるよう陰圧にした部屋で、ウイルスなどが部屋から漏れないように設計されています。






 
③ 抽出 
 溶液中のヒトの細胞、ウイルスの殻、RNAなどの混合物の中から、特殊な膜にRNAを結合させ、不要な物は洗い流すなどして、RNAだけを抽出(精製)します。
抽出器

 RNAの抽出を助けてくれる自動抽出装置です。一度に最大12検体まで処理できる装置で、セットしてから1時間ほどで抽出(精製)が完了します。 
検体数が多い日には、200~300検体の検査をしていますので、この機械だけでは足りず、研究員が手作業でも抽出(精製)しています。



④ PCR 抽出(精製)したRNA溶液を、検査用の試薬と混ぜて、反応チューブに入れていきます。
 それをこのリアルタイムPCR装置にセットして、温度の上げ下げをして遺伝子の増幅をさせます。
PCR

リアルタイムPCR装置によって、遺伝子を1兆倍まで増殖し、ウイルスの遺伝子を検出します。







realtime全体像


 リアルタイムPCR装置の全体像








⑤ 検出
 新型コロナウイルスの遺伝子が存在すると、倍々で増幅されていき、時間の経過とともに下の図のオレンジの線のようになります。 遺伝子が存在しなければ、青い線のようになります。
realtimecurve


リアルタイムPCRの増幅曲線
反応サイクルが増すと、陽性のものは曲線が立ち上がります。






 

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健康局保健所健康科学研究所