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最終更新日:2022年3月29日
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市民の健康危機管理の科学的・技術的知見の中核的役割を果たし続けるため、研究所所員および関係機関を対象に、最新の学術情報を得る目的で、年数回、タイムリーなテーマで【健科研セミナー】を実施しています。
過去のパンデミック、神戸で経験した感染症、現在日本で問題となっている感染症等について、思い出話も含めて解説していただきました。
感染症部 奴久妻 聡一
神戸市で21年間ウイルスの研究と検査に携われていました。退職前に自身の研究のお話をお聞きしました。
「北海道大学医学部第二病理学教室と東京大学医科学研究所ウイルス感染研究部で5年、カリフォルニア工科大学生物部で2年半、環境保健研究所で21年半、合計29年間のJCウイルス研究を振り返ります。30歳の時に分子生物学に魅せられ、その流れの中でひとつのウイルスを追いかけました。その思い出をお話します。」
井口 純 准教授 (宮崎大学 農学部 畜産草地科学科 動物衛生微生物学分野)
大腸菌の血清型はO抗原(菌体表層糖鎖抗原)を標的としたO血清群(O群)と、H抗原(べん毛抗原)を標的としたH型によって型別され、現在のところO群はO1からO188まで、H型はH1からH56までが認められています。井口教授の研究グループでは病原大腸菌の検査や研究を効率的に実施するために、ほぼ全てのO群とH型を推定できるマルチプレックスPCR法を開発し、論文などで広く公開するとともに(感染研・腸管出血性大腸菌マニュアルにも掲載)、様々な材料から分離される大腸菌の研究に利用されています。 本セミナーではPCR法の概要の説明および、本法を用いたニホンジカが保菌する病原大腸菌の調査結果についても紹介してくださいました。
感染症部 中西 典子
長崎県環境保健研究センター・中国福建省CDC が主催するシンポジウ
ムで講演するとともに、中国福建省CDC や北京CDC 等を視察してきま
した。シンポジウムでの発表内容や各施設をご紹介し、福建省を中心と
した中国の感染症発生動向および対策についてお話ししました。
環境保健研究所職員
2018年度の調査研究テーマに基づき、研究発表を実施しました。
2018年度環境保健研究所調査研究テーマ(PDF:107KB)
(主として細菌関連) 感染症部 米澤 武志
(主としてウイルス関連) 感染症部 森 愛
「希少感染症診断技術研修会」の報告会を実施しました。
感染症部長 岩本 朋忠
研究倫理について研修を実施しました。
生活科学部
元部長 八木 正博
神戸市で18年間、それ以前に尼崎市で20年間勤務されていました。計38年にわたる地方衛生研究所での環境化学、食品化学の両分野にわたった経験をお話していただきました。
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 感染防御学講座 微生物学分野
講師 大岡 唯祐 先生
腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症は1999年以降全国で約3000-4000例前後の届出がなされており、様々な研究機関で研究が進められているもののその病原性や感染源などの全容解明には至っていません。本セミナーでは、これまでに行ったEHECゲノム解析・ゲノム比較解析で得た情報を基に、EHECの特性を示すとともに、ゲノム多様性を利用した疫学ツール(IS-printing systemを中心に)についてその現状と今後について示していただきました。加えて、近年、集団感染事例やHUS事例の起因菌として注目されつつあるEscherichia albertiiに関して、最近の知見で明らかになった細菌学的特徴やゲノム特性、疫学、診断ツールなどについても紹介していただきました。
公立鳥取環境大学 環境学部 環境学科
山本 敦史 准教授
高分解能質量分析計は小型化が進み、環境化学や食品化学の分野でも身近な存在になりつつあります。中でも四重極(Q)と飛行時間(TOF)型のハイブリッド型のタンデム高分解能質量分析計はTOF部分が非常に高速であることから、IDAやSWATHといった特徴的なデータ取得が可能です。
これまで事前に分析対象を設定した分析によってわかった環境や食品の姿に、全く新しい視点を加えることができるようになるはずです。
今回のセミナーでは、山本敦史先生をお招きし、SCIEXのX500Rを用いたSWATHやノンターゲット分析の事例についてご紹介いただきました。
さらに、公立鳥取環境大学、(地独)大阪健康安全基盤研究所及び神戸市環境保健研究所で同一機種(SCIEX X500R)を有するメリットを利用し、相互利用できるデータベースの構築等を図るなど、LC-QTOF/MSのさらなる有効活用に向けての勉強会を開催しました。
岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科
大屋 賢司 准教授
エボラ出血熱や中東呼吸器症候群(MERS)などの、動物から人へ、人から動物へ伝播可能な感染症(人獣共通感染症)のリスクが高まっています。こうした課題に対し、人、動物、環境の衛生に関わる者が連携して取り組むOne Health(ワンヘルス)という考え方が世界的に定着しています。ワンヘルスの考え方で取り組むべき世界的課題には薬剤耐性菌の問題があります。
人獣共通感染症と薬剤耐性菌についての基礎を講義していただくとともに、先生が取り組んでおられる非結核性抗酸菌研究の一端についてご紹介いただきました。
谷畑 健生副所長
環境保健研究所職員
2017年度の調査研究テーマに基づき、研究発表を実施しました。