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「女性の更年期と仕事の両立、どう向きあう?」開催レポート

最終更新日:2026年7月3日

ページID:85707

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― ワークショップから見えた「更年期を正しく知ること」と「対話すること」の大切さ ―

神戸市では、誰もが自分らしく生きられるまちの実現に向け、「私らしさプロジェクト」を通じてさまざまなテーマに取り組んでいます。

今年度は、男女双方に関わる健康課題でありながら、これまで十分に理解が進んできたとはいえない「更年期」に着目し、仕事との両立を進めていくためには何が課題となるのかを考え、理解を深める取組みを進めています。
その第1回の取組として、2026年6月24日(水曜)に、KOBE Co CREATION CENTERにて、「女性の更年期と仕事の両立、どう向きあう?」と題し、ワークショップを開催しました。

当日は31名が参加し、企業の人事・労務担当者をはじめ、更年期というテーマに関心のあるさまざまな立場の方が集まり、それぞれの経験や視点を持ち寄りながら、学びと対話の時間を共有しました。

正しく知ることから始まる、更年期との向き合い方

まず神戸アドベンチスト病院の原田佳世子医師より、更年期に関する医学的な解説が行われました。
更年期のメカニズムや代表的な症状に加え、検査方法や治療の選択肢についても紹介され、誤解されがちな更年期のイメージを、医学的な視点から理解する機会となりました。

講義の中では、管理職やベテラン層に多い更年期世代が、職場の中核を担っている存在であることにも触れながら、更年期は誰にでも訪れる自然な変化であり、「ただ我慢して乗り切るものではない」という点が強調されました。そして、症状とうまく向き合っていくためには、正しい知識を持ち、適切に対処していくことが大切であることが伝えられました。

原田医師の講演を熱心に聞き入る参加者

見えない時間を埋める「対話」の重要性

続いて、株式会社よりそる 代表の高本玲代さんよりご講義いただきました。

高本さんは、ご自身が更年期に悩まれた経験をきっかけに起業し、現在は更年期当事者へのカウンセリングをはじめ、企業や自治体に向けた研修・講習会の実施など、更年期に向き合う女性を支えるさまざまなプログラムを提供されています。これまでに1600件を超える相談対応の実績があり、数多くの当事者の声と現場の課題に向き合ってこられました。
当日は、そうした経験をもとに、「更年期世代の女性が働き続けるために何が必要か」という視点から、実際の事例や現場の声も交えながらご講義いただきました。

講義の中では、当事者から寄せられてきたリアルな声として、「まさか自分が」「自分の何がいけなかったんだろう」「以前はできていたのに」「迷惑をかけるなら辞めたほうがいい」といった葛藤が紹介されました。
一方で、職場側からは「急な退職だった」「なぜ相談してもらえなかったのだろう」といった声もあり、当事者と職場の双方に、互いの状況や思いが見えないままの“時間”が存在していたこと、その結果として、どちらかが悪いわけではなく、双方が困る状況が生まれてしまっていたことが示されました。
こうした状況を乗り越えるために必要なのが、日頃からの対話であるという点が強く語られました。

一人で抱え込まなくてよい環境をつくること、そして安心して話せる関係性を育てていくことの重要性が語られました。

高本さんからこれまで相談を受けた事例を紹介いただきました

更年期は「特別な誰かの話」ではない

こうした医学的知見と現場の知見の双方を踏まえたうえで、後半のワークショップでは、参加者同士で意見を交わしながら、それぞれの職場で感じていることや、これからできることについて考えました。

ワークショップの中でまず共通していたのは、更年期について、症状や個人差の大きさ、適切な対処法が十分に知られていないことや、「気合いで乗り越えるもの」「一時的な体調不良」といった意識や誤解が、企業・当事者双方にまだ残っていることなど、更年期そのものの理解が十分に広がっているとは言い難いという実感でした。

一方で、参加者からは、「正しく理解できればネガティブな印象は変わるのではないか」「若い世代にも早いうちから知ってもらうことが大切」といった声も多く挙がりました。

更年期は一部の人だけの問題ではなく、年齢や性別に関わらず、誰もが職場の中で向き合う可能性のあるテーマです。

だからこそ、まずは更年期の症状や個人差、適切な対処について正しく知ることが、安心して働ける環境づくりの第一歩であることが共有されました。

ワークショップのようす
ワークショップでは様々な議論が交わされました

一人ひとり違うからこそ、「尊重」と「配慮」のバランスが必要

意見交換では、会社の休暇制度や支援に関するアイデアも多く出されました。
相談窓口の設置や定期的な面談など、安心して話せる仕組みづくりや、休暇や働き方の柔軟な対応といった制度面への期待です。

一方で、「言いづらいと感じる人もいる」「知られたくない場合もある」「配慮されすぎると負担に感じることもある」といった声も挙がりました。

これらの意見から見えてきたのは、一律の正解があるわけではなく、その人にとっての心地よさが大切であるということです。
しかし、その「心地よさ」は、相手の状況や思いを知らなければ見えてこないものでもあります。
だからこそ、制度を整えるだけでなく、一人ひとりの状況や気持ちを尊重しながら関わる姿勢に加え、日頃からの対話を通じてお互いを理解し合うことが重要である、という視点が共有されました。

会社の制度利用や実態について意見交換する参加者
自身の感じたことなどを整理しながら意見交換をすすめました

よりよい選択につながる「小さな一歩」は、日常の中にある

参加者からは、日常の中で実践できる小さなアクションも多く挙がりました。

  • 自分自身を大切にする
  • 更年期について正しい知識を知る
  • 学んだことを周囲に少しずつ共有する
  • 体調について話しやすい雰囲気をつくる
  • 「大丈夫?」と声をかける
  • チームで仕事を支え合う

こうした一つ一つの積み重ねが、安心して働き続けられる職場づくりにつながっていきます。

終始和やかに意見交換が進みました

まとめ

今回のワークショップを通じて見えてきたのは、更年期との向き合い方は個人だけの問題ではなく、職場全体で理解を深め、支え合っていくテーマであるということでした。
「言いづらい」「知られたくない」といった声もある一方で、「理解があれば働きやすくなる」という意見も多く、“知ること”と“寄り添うこと”の両方が欠かせないテーマであることが、改めて見えてきました。

更年期は誰にとっても無関係ではなく、年代や性別に関わらず、職場全体で理解を深めていくことが大切です。
また、周囲配慮だけでなく、自分自身の変化に気づき、自分を大切にすることも、無理なく働き続けるための大切な視点です。
今回出された多くの意見は、どれも特別なものではなく、日常の中で少し意識することで実践できるものばかりでした。
一方で、こうしたことは、意識しなければつい見過ごされてしまいがちでもあります。

このレポートを読んで下さった皆さんも、ご自身の職場や日々の関わりの中で、「どんな配慮ができるか」「どんな一歩なら踏み出せそうか」を、ぜひ一度考えてみていただければ幸いです。

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