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ふぐ食中毒に注意

最終更新日:2023年12月11日

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2023年11月、神戸市でふぐによる食中毒が発生しました。
ふぐは猛毒を持っており、種類によって毒を含む部位が異なります。
正しく調理しないと食中毒の原因となり、時には死に至ることがあります。
ふぐの素人調理は絶対にやめましょう。
また、飲食店等でふぐの肝臓等の有毒部位を求めることは絶対にやめましょう。

ふぐ毒は猛毒

ふぐ毒はテトロドトキシンと呼ばれる神経毒で、毒力は青酸カリの約1,000倍といわれています。
ふぐ毒は加熱や水さらしなど通常の調理方法で無毒化や除去をすることは出来ません。
ふぐ毒は人の体にしびれや麻痺の症状を起こしますが、解毒薬はなく、症状が出た場合は人工呼吸等の対症療法を行って回復を待つしかありません。
ふぐ中毒の致死率は5~10%とされており、致死率が高いことも特徴です。

症状

第一度 初徴

食後20分から3時間までの間に、口唇・舌端・指先のしびれが始まります。
腕の知覚麻痺、頭痛若しくは腹痛又は激しい嘔吐を伴う場合もあります。
この段階では歩行は可能であるが、酒に酔ったような千鳥足の状態となります。

第二度 不完全運動麻痺

運動不能となり、座っておられず横臥した状態になります。
知覚麻痺・言語障害が著明となり、呼吸困難を感じるようになり、血圧が著しく低下します。

第三度 完全運動麻痺

完全に運動麻痺をきたし、指先さえ動かすことができなくなります。
発声はできるものの、舌が麻痺しているため言葉が判然とせず、他人に意志を伝えることが困難になります。

第四度 意識消失

ふぐ中毒では死の直前まで意識は明瞭ですが、症状が進むと意識不明となり、呼吸・心臓が停止して死に至ります。

ふぐによる食中毒の発生状況

ふぐによる食中毒は、他の食中毒に比べて致死率(患者数のうちの死者数の割合)が大変高いことが特徴です。多くは家庭で発生していますが、飲食店でも発生しています。

 
年次 件数 患者数 死者数
平成23年 17 21 1
24年 14 18 0
25年 16 21 0
26年 27 33 1
27年 29 46 1
28年 17 31 0
29年 19 22 0
30年 14 19 0
令和元年 15 18 1
令和2年 20 26 1
令和3年 13 19 0
令和4年 10 11 1

ふぐによる食中毒の防止対策

素人調理をしない

ふぐはその種類ごとに有毒部位が異なりますが、外見上は類似している種も多く、種類の鑑別には専門的な知識が必要です。
このため、中途半端な知識で食べられるか食べられないかを判断することは非常に危険です。
家庭でのふぐによる食中毒の大半は、自分で釣ったふぐを自家調理したことが原因です。
ふぐの素人調理は絶対にやめましょう。

有毒部位を求めない

提供できるふぐの部位は厚生労働省により定められています。
肝臓(きも)や卵巣(まこ)などの有毒部位を調理・提供することは、食品衛生法によって禁止されています。
利用者側から有毒部位の提供を求めることは絶対にやめましょう。

飲食店等でのふぐの処理

神戸市内の飲食店や魚介類販売店でふぐの処理(有毒部位の除去)を行う場合には、保健所長あてに「ふぐ処理開始届出書」を提出する必要があります。
また、ふぐの処理は、ふぐ処理者(ふぐの種類の鑑別に関する知識及び有毒部位を除去する技術等を有する者と認めるための試験に合格した者など)かその者の立会いの下に行わなければなりません。
ふぐ処理開始の届出を行った施設には、「ふぐ処理施設届出済証(フグ取扱業届出済証)」の掲示を求めています。
なお、パック済みのふぐちりなどを仕入れた状態のまま販売している場合や内臓を除去し皮を剥いだいわゆるみがきふぐを取り扱う場合の届出は不要としています。

啓発ポスター・リーフレット

 

お問い合わせ先

健康局食品衛生課