最終更新日:2025年7月22日
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消防局本部にある、総務部総務課。ここでは、神戸市消防局の重要な施策や事業の企画・推進およびそのための予算編成を行い、施策や事業を効果的に実行していくことが求められます。
消防局の屋台骨である総務課を束ねる、総務課長にお話を伺いました。
神戸市消防局本部がある、危機管理センター前にて
これまでの経歴を教えてください!
消防学校を卒業し、最初に消防署の予防査察係へ配置となった後は、救急隊員、救急係長、管制室、市内にある大きな病院への派遣や兵庫県消防学校の教官など…色々な経験をしてきました。
救急隊員の時には救急救命士の資格を取得し、救急隊長を務めていた時期もありました。
神戸市消防局に初めて採用された女性消防職員(第一期生)ということもあり、様々な業務を経験させてもらいました。
消防学校時代。点検を受ける防火服姿が凛々しい
女性職員第一期生と伺いましたが、男性職場ということで苦労された点はありますか?
女性だから苦労した…という記憶はあまりないです。消防学校時代も、男女分け隔てなく同期として一緒に頑張っていましたし。
配属後も職場の雰囲気が良かったですし、何より仕事が楽しかったです。
ただ、当時は法律の関係などで、女性職員が火災現場で活動するということが許されていなかったこともあり、現場に出動する部署には配置されず、残念に思った記憶はあります。
消防学校では男性と同じように消火活動の訓練をしていたので、「現場に出れる!」と当然のように考えていたのですが…。
神戸市初の女性救急隊員も務めた
その理由もあり、救急隊員になられたのでしょうか?
いえ、純粋に、救急隊の活動に興味が湧いてきたからです。
救急隊員になるための研修として救急車で同乗実習していた時に、心肺停止状態の患者さんがいる現場へ出動したことがきっかけでした。
その時に救命処置をする様子を目の当たりにして、「私も救急隊員として市民の命を救いたい」と思ったんです。
希望して救急隊員となりましたが、これも女性第1号だったと思います。
救急隊員時代は、どのような隊員だったんでしょうか?
部下とのコミュニケーションは管理職の重要な仕事
救急業務を離れ、管理職になったのはどうしてだったんでしょうか?
救急隊長だった時は、「これからもずっと救急現場の第一線で頑張っていきたい」と考えていました。
そんな時に、ある知り合いから、「救急現場で1人の救急救命士が救える命の数は限られている。現場はあなたでなくとも、あなたと同じ意志をもった同僚や後輩が頑張ってくれる。これからは管理職となって、同じ意志を持つ職員を増やし、違う立場から人を救うことも考えてみたらどうだ」と言われたことがきっかけです。
管理職として、苦労されたことはありますか?
苦労というか大変なところは、救急隊員だったころと比べて、視野を大きく持たなければならない点でしょうか。部下が十分にパフォーマンスを発揮できるよう、業務だけでなく体調などにも気を配るなど、マネージメントの難しさを感じています。
あとは、管理職になってすぐの頃は、自分が新人の頃に教えていただいていた先輩たちが部下になり、気恥ずかしい思いはしました(笑)
今は、他の男性管理職から、女性職員への対応について相談を受けたり、「部下の女性職員の相談に乗ってやって欲しい」というような依頼を受けることもありますね。
日々、様々な判断を下していく
今は総務課長を務められていますが、「やりがい」はどういったものでしょうか?
総務課には、庶務や国・県などとの調整役など様々な業務がありますが、消防局のこれからを作っていく政策に直接関わり、考え、実現していく「かじ取り役」も務めます。
救急隊長の頃のように、直接この手で市民を助けることはなくなりましたが、「未来の神戸市消防局を作り上げていく」という今の仕事は、未来の神戸市を守っていくということに繋がっています。これが大きなやりがいですね。
一緒に勤務する総務課のみなさんと
最後に、就職活動をする女性のみなさんへ、メッセージをお願いします!
消防は、「市民の生命・身体・財産を災害から守る」という強い使命を感じられる、素晴らしい仕事です。
結婚や出産といったライフプランを考えると、消防という仕事はハードルが高く感じるかもしれません。しかし、24時間勤務の災害対応以外にも消防には色々な仕事や働き方があり、その全ての仕事が、市民と神戸のまちを守ることに直結しています。神戸消防では、女性消防職員たちが様々な分野で活躍しているので、みなさんが「将来、あの人みたいになりたい!」と思うような姿を、必ず見つけることができるはずです。
神戸の街中で目にする「BE KOBE」という言葉には、「神戸の魅力は『人』である」という思いが込められています。みなさんも、市民や職員一人ひとりを大切にする、神戸市消防局で働いてみませんか?
病気やケガ…様々な理由により、神戸市消防局には日々救急要請が入ります。いついかなる時も市民のもとへ駆けつける救急隊は、消防局の様々な部隊の中でも、最も出動が多い部隊です。
救急救命士として救命の最前線に立つ、救急隊の隊長にお話を伺いました。
乗り込んでいる救急車と共に
これまでの経歴を教えてください!
消防署の予防係や管制室、総務係も経験しましたが、なにより経歴のほとんどを占めるのが、救急隊です。採用後に救急救命士資格を取得し、救急隊員としては、通算で20年ほど勤務しています。
救急隊の隊長として勤務する「やりがい」はなんでしょうか?
たくさんの隊員が集まって活動する火災現場とは違い、救急現場は、3名の救急隊員だけで活動することが多いです。
現場に向かい、患者さんを救急車に運び、処置し、症状に応じた病院を選定し、搬送する…これら全てを3名で迅速にやる以上、あらゆる判断は、隊長に委ねられます。
責任の重さを感じることもありますが、救急隊員として培った知識・技術、自分の思いや判断を現場に反映させ、理想とする救急隊の活動に近づけていくというやりがいがあります。
救急救命士として、あらゆる救命処置にもあたる
救急隊長として、現場で意識していることはありますか?
患者さんに寄り添う、接しやすさです。
私の場合は女性だということもあってか、自分が意識している以上に患者さんにとって接しやすい面もあるみたいです。
例えば、患者の女性に妊娠の可能性があるかどうかは、病気を判断する上で非常に重要な要素なので、救急隊員として聞かない訳にはいかない場面もあるのですが、男性隊員が質問すると、特に若い方は答えにくさを感じることもあると思います。
また、ケガの場所や程度を確認するため、服をめくることもよくありますが、女性の患者さんから、「隊員に女性の方がいてくれて安心した」と直接言われたこともあります。
部隊活動をマネジメントすることが隊長の役割
24時間勤務が大変だと思ったことはありますか?
救急隊員に戻る時、不安はありませんでしたか?
やはり不安はありました。救急救命士に認められている救命処置には、高度な技術が必要なものも多いので、現場でちゃんと処置できるか不安に感じていました。
でも、神戸市消防局には「救命士リスタートプログラム※」という制度があって、これに参加したことで、不安なく復帰することができました。医師の前で久しぶりに救命処置の訓練をするのは緊張しましたが…(笑)
※育児休業などから現場復帰する救急救命士に向けた特別研修。医師などの指導のもと、救急救命処置などの再研修を行う
「いつもコミュニケーションを大切にしている」
育児と仕事の両立について、他の女性職員から相談を受けたりすることはありますか?
仕事が休みの日に、お子さんと
出産・育児と仕事を両立するにあたって、なにかコツはありますか?
1つ目は、神戸市の様々な制度を使うことですね。
私の場合は、産前・産後休暇※1などの制度や、育児休業を使いました。特に2回目の出産の時には、育児休業をとって本当に良かったです。落ち着いて育児に専念することができました。
このほかにも、育児部分休業といって、勤務時間を短くすることができる制度も使いました。
2つ目は、家族や職場のみんなと、普段から十分にコミュニケーションをとり、なんでも相談できる環境を作っておく!1人で抱え込まない!これですね。
※1 出産予定以前8週間(多胎は14週間)、出産日翌日から8週間取得可能な特別休暇。有給
※2 産後休暇が終了した翌日から、対象となる子が3歳に達する日(誕生日の前日)まで取得可能な休業制度。育児休業手当金(共済組合)。無給だが、原則、子が1歳に達するまでは、定められた支給率に応じて育児休業手当金が支給される
普段一緒に働く救急隊のみなさんと
最後に、就職活動をする女性のみなさんへ、メッセージをお願いします!
消防という仕事は「男性が就く仕事」というイメージを持たれている方もいると思います。
しかし、実際にはたくさんの女性が消防職員として働いており、様々な分野で活躍しています。そして、女性の働き方を支える色々な制度や設備の拡充もあり、出産や育児などのライフイベントに応じた働き方ができるようになってきています。
私は、今後ますます女性が業務できる幅は広がっていくだろうと感じています。ぜひ、私たちと一緒にこれからの神戸市消防局を作っていきましょう!
火災が起こった際の消火活動のみならず、交通事故対応や救急隊の支援など、あらゆる現場へ駆けつける消防隊。消防隊員には、隊長からの命令を確実に実行していく技術と冷静さが必要です。
出動、訓練そして事務と日々奮闘する新人消防隊員にお話を伺いました。
乗り込んでいる消防車と共に
これまでの経歴を教えてください!
普段は、どのような仕事をしているのですか?
日々、あらゆる訓練にいそしむ
忙しいですね!消防隊という仕事の「やりがい」はなんですか?
「今、人の役に立っている」ということが実感できる点です!
どんな仕事も、様々なかたちで必ず人の役に立っていますが、消防という仕事は、より直接的に人のために働く仕事です。
特に消防隊が出動する現場は、火災など、消防隊にしか対応できないものが多くあります。この「私たちにしかできない仕事」に携われることに、一番やりがいを感じます。
元々消防職員を目指していたんでしょうか?
装備品の点検は重要な日課の1つ
消防職員になられて、印象に残っている現場はありますか?
救急隊員として働き始めた初日に出動した現場ですね。
たまたま知り合いの家族が患者さんという現場へ出動したんです。でも、全てが初めてで何をしてよいかわからず、救急隊員として駆けつけたのに、私は何もできませんでした。それが情けなくて、その知り合いに気付かれたくないと思ったことを覚えています。
救急要請をした方からすれば、私が新人だろうが、関係ないことです。家族や、大切な人を助けて欲しい時に、「初めてだから、できなくても仕方ない」で済まされるような仕事ではない…消防という仕事の責任の重さを実感し、「私は消防職員だと胸を張って活動できるように、もっと自信を持てるようになりたい」とその時に感じました。
訓練が終われば、振り返りはリラックスした雰囲気
自信をつけるために取り組んでいることはありますか?
出動や訓練のたびに、しっかり振り返りをすることです。
まだまだだと思いますが、最近は少しずつ消防隊の活動にも慣れてきて、先を読んで動けるようになってきたところもあると思います。
でも、重い物を持つ時などは、やっぱり「もっと頑張らないと」と感じます。
男性隊員が、ホースがいっぱいに入った重いバッグを2つも担いで走っているところを見ると、「私も同じことができるかな」と不安になったり…。
隊長や先輩も気にしてくれていて、「大丈夫か?」と声をかけてくれたり、役割を代わってくれたりと気を遣ってくれるんですが、そういう時は、活動がスムーズになるように、自分ができることを探すようにしています。
あとは、休みの日に走ったり、筋トレをしたりもしていますね!
体力的にしんどかったですが、救助課程※を修了できたことも、自分にとって少し自信がつくきっかけになりました。
※救助隊員になるための研修
「自分がやれることを少しでも増やしたい」
救助課程も修了されたんですね!今後はどんなキャリアを考えていますか?
出動や訓練を共にする消防隊のみなさんと
最後に、就職活動をする女性のみなさんへ、メッセージをお願いします!
現場では、全員で力を出し合い、協力して活動します。女性だから、男性だから、という区別はありません。性別に関係なく、誰かを守る仕事に直接関われるということは、とても大きなやりがいです。
筋力面など、どうしても女性隊員では厳しい状況もあると思いますが、現場ではみんなで助け合って活動しますし、力を使わない方法でも役に立てることがたくさんあると思います。
採用試験を受ける前の私のように、消防という仕事に就く自分がイメージできない…という方もいらっしゃると思いますが、女性だから難しいかもしれないと考えず、「自分は何をしたいか、自分はどうなりたいか」ということを大切にしてもらいたいと思います。