ホーム > 健康・医療 > 感染症・予防接種 > 予防接種 > 子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの定期接種

子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの定期接種

最終更新日:2024年4月2日

ここから本文です。

HPVワクチン定期接種に関するお知らせ

定期接種対象者には2022年6月中旬に予防接種券を送付しています。
  • 予防接種券を紛失された方・神戸市に転入された方はこちら
(2023年4月3日更新)

 HPV(ヒトパピローマウイルス)感染と子宮頸がん

子宮頸がんの発症にはヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスが関わっています。
HPVに感染しても多くの場合、ウイルスは自然に検出されなくなりますが、一部のHPVが数年から十数年間という長期にわたり感染すること(持続感染)で前がん病変(がんになる手前の状態)を経て子宮頸がんを発症すると考えられています。
なお、HPVは一般に性行為を介して感染することが知られています。
子宮頸がんは国内では年間約11,000人が発症し、年間約2,900人が亡くなっています。患者さんは20歳代から増え始めます。日本では、40歳までの女性のがんによる死亡の第2位は子宮頸がんによるものです。

子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの定期接種

HPVワクチンは、2013年4月に予防接種法に基づく定期接種に位置づけられました。2013年6月から、個別に接種のご案内をすること(積極的な勧奨)を一時的に差し控えていましたが、2021年11月に、専門家の評価により「HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」とされ、2022年度から、他の定期接種と同様に、個別にご案内を行うこととなりました。
実際に予防接種を受ける際は、下記のリーフレットをよくお読みいただき、HPVワクチンの有効性とリスクを十分理解したうえで受けるかどうかご判断ください。

★厚生労働省作成リーフレット(2024年2月改訂)

厚労省リーフレット概要版(PDF:2,782KB)

厚生労働省リーフレット詳細版(PDF:3,667KB)

HPVワクチンで防げないHPV感染もあります。ワクチンを接種していても、していなくても20歳になったら2年に1回、子宮頸がん検診を受けてください。検診により子宮頸がんを早期発見することができれば、子宮の部分切除等の治療により、がんによる死亡を防ぐことができます。(子宮頸がん検診の助成制度についてはこちら

定期接種の対象者

接種日現在、神戸市に住民登録があり、小学校6年生(12歳となる日に属する年度の4月1日)から高校1年生相当(16歳となる日の属する年度の3月31日)までの女子の方
標準的な接種年齢:中学1年生に相当する年齢(13歳となる日の属する年度の当日から年度の末日までの期間)
*2006・2007年度生まれの方は、接種期間が延長され、定期接種対象年齢を過ぎても2025年3月末まで接種できます。

2024年度に対象となる方と接種期間

相当学年・年齢 生年月日 接種期間
小学6年生(12歳)相当 2012年4月2日~2013年4月1日 2029年3月31日まで
中学1年生(13歳)相当 2011年4月2日~2012年4月1日 2028年3月31日まで
中学2年生(14歳)相当 2010年4月2日~2011年4月1日 2027年3月31日まで
中学3年生(15歳)相当 2009年4月2日~2010年4月1日 2026年3月31日まで
高校1年生(16歳)相当 2008年4月2日~2009年4月1日 2025年3月31日まで

(*)2006・2007年度生まれの方は、接種期間が延長され、2025年3月末まで接種できます。[HPVワクチンのキャッチアップ接種について]をご覧ください。

対象となるワクチン

  • 対象となるワクチンは、「シルガード9(9価)」、「ガーダシル(4価)」、「サーバリックス(2価)」の3種類であり、規定の間隔をあけて、原則、同じワクチンを合計2~3回、筋肉内注射をします。
  • 接種するワクチンの種類や年齢によって、接種間隔や回数が異なります。
  • どのワクチンを接種するかは、医療機関と相談のうえ、決定します。
  • 過去に1回又は2回のワクチン接種歴があり、長期にわたり接種を中断していた際は、接種を初回からやり直すことなく、残りの回数の接種(2、3回目又は3回目)を行います。過去に接種したワクチンの種類が不明の場合は、ワクチンの種類等について医師と接種を受ける方やその保護者でよく相談の上、接種を再開してください。
  • 9価HPVワクチン(シルガード9)は、2023年4月から定期接種になりました。9価HPVワクチンの定期接種については[こちら]をご確認ください。

接種間隔

対象年齢の期間内に接種を完了するには、標準的な接種間隔の場合、約6か月の期間がかかりますので、余裕をもって接種を開始してください。

①シルガード9(9価)

  • 効果:HPV6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型の感染に起因する子宮頸癌及びその前駆病変、尖圭コンジローマ
接種年齢によって、接種間隔や回数が異なります。こちらをご確認ください。

②ガーダシル(4価)

  • 効果:HPV6型、11型、16型、18型の感染に起因する子宮頸癌及びその前駆病変、尖圭コンジローマの予防
  • 標準的な接種間隔:2か月の間隔をおいて2回注射した後、1回目の注射から6か月の間隔をおいて3回目を注射する(標準的な接種間隔をとることができない場合は、下記の間隔をあけて接種すること)
  • 必ずあける必要がある間隔:1か月以上の間隔をおいて2回注射した後、2回目の注射から3か月以上の間隔をおいて3回目を注射する
≪注意≫1か月以上の間隔をおいた日とは、翌月の同日を指します。翌月に同日が存在しない場合はその翌日(1日)となります。3か月以上の間隔をおいた日も同様の考え方です。

gardasil

③サーバリックス(2価)

  • 効果:HPV16型、18型感染に起因する子宮頸癌及びその前駆病変の予防
  • 標準的な接種間隔:1か月の間隔をおいて2回注射した後、1回目の注射から6か月の間隔をおいて3回目を注射する(標準的な接種間隔をとることができない場合は、下記の間隔をあけて接種すること)
  • 必ずあける必要がある間隔:1か月以上の間隔をおいて、2回注射した後、1回目の注射から5か月以上、かつ2回目の注射から2か月半以上の間隔をおいて3回目を注射する
≪注意≫1か月以上の間隔をおいた日とは、翌月の同日を指します。翌月に同日が存在しない場合はその翌日(1日)となります。5か月以上の間隔をおいた日も同様の考え方です。

cervarix

接種費用

無料
【注意】予防接種券は、接種日現在、神戸市に住民登録がなければ使用できません。また、定期接種として規定している接種間隔を満たさない場合や接種期間を過ぎた場合は使用できません。場合によっては、接種料金を返還していただくことがありますのでご注意ください。

接種場所

  • 神戸市内または明石市内(一部)の予防接種契約医療機関で接種できます。
  • 神戸市内の契約医療機関は、[予防接種契約医療機関一覧]や市総合コールセンター(TEL:0570-083330または078-333-3330、FAX:078-333-3314)にてご確認ください。なお、医療機関の希望により、ホームページへの掲載を見合わせている場合もあります。まずはかかりつけ医等にご確認ください。
  • 神戸市外で接種される場合は、接種前に別途手続きが必要です。手続き方法は、[市外の医療機関等での予防接種の受け方]をご確認ください。

接種方法

  1. あらかじめ電話等で、予防接種契約医療機関に、接種日時の予約をしてください。
  2. 予防接種当日は検温を必ず行い、健康状態が良好であることを確認してください。
  3. お手元に届いた予診票と予防接種券(太枠内)を記入しましょう。接種を受ける前に、接種される回数と使用する接種券が合っているかご確認ください。
  4. 医療機関に予診票、予防接種券、母子健康手帳、本人確認ができるもの(健康保険証等)を持参して接種を受けてください。(予防接種券、予診票はお手元に届いたものをご持参ください。)過去に接種歴がある人は、過去の接種記録が分かるものもご持参ください。

紛失・転入などで予防接種券が手元にない方(定期接種対象者)

予防接種券を紛失された方・神戸市に転入をされた方で接種券がお手元にない方は、母子健康手帳(予防接種歴のわかるもの)を持参のうえ、住民登録のある区の区役所・支所の保健福祉課窓口で交付を受けてください(即日発行)。
なお、申請時点で、HPVワクチンの定期接種対象者(小6から高1相当年齢の女子)にのみ交付します。小学5年生以下の方は、小学6年生の当初に接種券を送付する予定ですので、お待ちください。

住民登録のある区の区役所・支所への来所が難しい場合は、郵送での手続きも可能です。郵送で申請される場合は2週間ほどかかります。郵送申請の申請方法は「予防接種券について」の「郵送手続きの方法」をご確認ください。

保護者が同伴しない場合の接種

満16歳未満の方の接種には、原則は保護者が同伴してください。
ただし、接種を受ける者が13歳以上16歳未満の場合で、あらかじめ、接種することの保護者の同意を予診票上の保護者自署欄にて確認できた者については、保護者の同伴なしに接種を受けることができます。その場合、事前に、下記の予診票を印刷し、予診票質問項目の記入及び、保護者自署欄2か所に保護者が署名したものを医療機関にご持参ください。

なお、接種の実施に当たっては、接種を受ける者が予防接種不適当者または予防接種要注意者か否かを確認するために、必要に応じて医療機関から保護者に連絡し、予診項目や接種への不適当要件の事実関係等を確認する場合があります。

接種前の注意事項

【過去の接種歴に関して】
  • 接種前に、母子健康手帳や接種済証等で接種歴をご確認ください。原則、過去に接種歴のあるワクチンと同一の種類のワクチンを接種してください。2価・4価HPVワクチンと9価HPVワクチンとの交互接種については、[こちら]をご確認ください。
  • すでに1回目、あるいは2回目を接種されている方は、[接種間隔]を確認のうえ、残りの回数分を接種し、重複して接種しないよう充分にご注意ください。3回接種(15歳未満の9価ワクチン接種は2回接種)が完了している方は、接種は必要ありません。重複して接種された場合は、接種料金を返還していただく場合がありますので、ご注意ください。
  • 過去の接種記録が不明の場合は、市が管理する予防接種記録の照会ができます(2015年4月以降の接種に限る)。申請方法はこちら
【新型コロナワクチンとの関係について】
  • 新型コロナワクチンとは同時に接種できません。新型コロナワクチンの接種前後に接種する場合は、互いに、一方のワクチンを受けてから13日以上の間隔をおく(2週間後の同じ曜日から接種可能)必要があります。
【その他】
  • 予防接種によって期待される効果や予想される副反応等について、気にかかることや分からないことがあれば、接種を受ける前にかかりつけ医(接種医療機関)にお尋ねください。
  • 予防接種を受ける前には[予防接種を受ける際の注意事項]をご確認ください。

HPVワクチンの効果とリスク(副反応)(厚生労働省作成のリーフレット及びホームページより引用)

HPVワクチンの効果

2価及び4価HPVワクチンは、100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がん全体の50~70%の原因とされるヒトパピローマウイルス16型と18型の持続感染に対して予防効果のあるワクチンです。さらに、9価HPVワクチンでは、子宮頸がんの原因の80~90%を占めるヒトパピローマウイルスの感染を予防します。
国内外で行われた調査では、がんになる手前の状態(前がん病変)を予防する効果が示されています。また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることも分かってきています。
ワクチンの効果について、2006年にワクチンが誕生してからこれまで研究が続けられており、ワクチンの感染予防効果を示す抗体は少なくとも12年維持される可能性があることが分かっています。
接種は、16歳頃までに受けると最も効果が高いですが、20歳頃の初回接種まではある程度有効性が保たれることや、性交経験がない場合はそれ以上の年齢についても一定程度の有効性があることが示されています。
性交経験によるHPV感染によって、ワクチンの予防効果が減少することが示されていますが、性交経験がある場合でも、ワクチンの予防効果がなくなってしまうわけではありません。また、定期接種の年齢を過ぎてからの接種についても、明らかな安全性の懸念は示されていません。

ワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人ががんにならなくてすみ、約20人の命が助かる、と試算されています。

HPVワクチンのリスク

HPVワクチン接種後は、多くの方に、接種部位の痛みなどの症状が現れることがあります。
HPVワクチン接種後に見られる主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが挙げられます。まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)が起こることがあります。
因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状を含めて、ワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり約10人です。
また、医師やワクチンを販売する企業等には、接種後に国の定める副反応の症状が出た場合には、予防接種法上で国への報告が義務付けられています。その医師や企業が、重篤と判断した人は、接種1万人あたり約6人です。(重篤な症状には、入院相当以上の症状などがふくまれますが、報告した医師や企業の判断によるため必ずしも重篤でないものも含まれます)

●HPVワクチン接種後に生じた症状(出典:2023年度版厚生労働省作成リーフレット(詳細版))
発生頻度 2価HPVワクチン(サーバリックス) 4価HPVワクチン(ガーダシル) 9価HPVワクチン(シルガード9)
50%以上 疼痛・発赤・腫脹、疲労感 疼痛 疼痛
10~50%未満 搔痒(かゆみ)、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛など 腫脹、紅斑 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%未満 じんましん、めまい、発熱など 搔痒(かゆみ)・出血・不快感、頭痛、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、疲労、内出血など
1%未満 注射部位の知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 硬結、四肢痛、筋骨格硬直、腹痛・下痢 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 疲労、倦怠感、失神、筋痛・関節痛、嘔吐など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など

●まれに起こる重い副反応(※2013年3月までの報告のうちワクチンとの関係が否定できないとされた報告頻度)

病気の種類 主な症状 報告頻度(※)
アナフィラキシー 呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアレルギー 約96万接種に1回
ギラン・バレー症候群 両手・足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気 約430万接種に1回
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気 約430万接種に1回
複合性局所疼痛症候群(CRPS) 外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気 約860万接種に1回

●痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動について

HPVワクチン接種後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)等を中心とする「多様な症状」が起きたことが医師や企業により報告されています。
この症状は、何らかの身体症状はあるものの、画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致する異常所見が見つからない状態である「機能性身体症状」であると考えられています。
症状としては、➀知覚に関する症状(頭や腰、関節等の痛み、感覚が鈍い、しびれる、光に対する過敏など)、➁運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動など)、➂自律神経等に関する症状(倦怠感、めまい、睡眠障害、月経異常など)、➃認知機能に関する症状(記憶障害、学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下など)など様々な症状が報告されています。
なお、「HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状を起こすきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい」と専門家により評価されています。
また、HPVワクチンの接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在したことが明らかとなっています。このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。

接種後は、厚生労働省作成のリーフレット「HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ」をお読みください。

定期接種による重い副反応の場合には、法に基づく予防接種健康被害救済制度の対象になることがあります。

HPVワクチン接種後の副反応に関する健康相談ダイヤル

接種後、気になる症状が出たときは、速やかに接種医の診察を受けましょう。
副反応に関する看護師等による健康相談は、下記までご連絡ください。
こちらのダイヤルでは、HPVワクチン接種に関するご相談も受け付けています。

TEL:078-322-5506
平日(祝日除く)8時45分~17時30分

よくある質問

予防接種トップページへ戻る

お問い合わせ先

健康局保健所保健課