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小中学校の規模適正化に向けて

最終更新日:2024年3月29日

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全国的に少子化が進み、神戸市においても児童生徒数の減少によって多くの学校が小規模になっています。一方、児童生徒数が増加している地域もあり、一部の学校は大規模になっています。学校教育を取り巻く情勢の変化を踏まえ、教育環境のさらなる改善・向上を図るために2023(令和5)年6月に「学校教育環境の向上及び学校規模の適正化に関する基本方針」を策定しました。この基本方針に基づき学校規模の適正化に取り組んでいます。
学校教育環境の向上及び学校規模の適正化に関する基本方針(2023年6月策定)

神戸市の現状 

児童生徒数はピーク時の約半数に


小学校では1981(昭和56)年度133,077人、中学校では1986(昭和61)年度65,166人をピークに児童生徒数の減少が続いており、2023(令和5)年度においては、ピーク時と比べ、小中学校共に、約半分にまで減少しています。今後、児童生徒数はさらに減少していく見込みです。

【小学校児童数及び中学校生徒数の推移】グラフ神戸市立学校園教育調査より

小規模な学校が年々増加

小学校においては、1981(昭和56)年度に17校であった小規模校が年々増加し、2023(令和5)年度には56校となっています。中学校においても、1986(昭和61)年度に5校であった小規模校が2023(令和5)年度には18校にまで増加しています。一方、大規模校については、年々減少しています。

小学校における小規模校・大規模校の推移
  1981(昭和56)年度
児童数ピーク時
2023(令和5)年度
小規模校 17校 56校
大規模校 64校 18校
中学校における小規模校・大規模校の推移
 

1986(昭和61)年度
生徒数ピーク時

2023(令和5)年度
小規模校 5校 18校
大規模校 48校 8校

神戸市が考える望ましい学校規模とは 

神戸市では、12~24学級(各学年2~4学級)の小学校、9~18学級(各学年3~6学級)の中学校を適正規模の学校と位置づけています。

小学校における学校規模の基準
小規模校 適正規模校 大規模校
11学級以下 12~24学級 25学級以上
中学校における学校規模の基準
小規模校 適正規模校 大規模校
8学級以下 9~18学級 19学級以上

小規模校や大規模校の課題 

小規模校や大規模校には、一般的に以下のような課題があります。

小規模校の主な課題

  • 集団の中で、多様な考え方に触れる機会や学びあいの機会、切磋琢磨する機会が少なくなりやすい。
  • 運動会などの学校行事や音楽活動等の集団教育活動に制約が生じやすい。
  • 児童生徒数、教職員数が少ないため、グループ学習や習熟度別学習など、多様な学習・指導形態を取りにくい。
  • クラス替えが困難なことなどから、人間関係や相互の評価等が固定化しやすい。
  • 集団の中で自己主張をしたり、他者を尊重したりする経験を積みにくく、社会性やコミュニケーション能力が身につきにくい。

大規模校の主な課題

  • 学校行事や部活動等において、児童・生徒一人一人の個別の活動機会を設定しにくい。
  • 全教職員による児童・生徒一人一人の把握が難しくなりやすい。
  • 学年内・異学年間の交流が不十分になりやすい。
  • 同学年でもお互いの顔や名前を知らないなど、児童生徒間の人間関係が希薄化する場合がある。
  • 特別教室や体育館等の施設・設備の利用の面から、学校活動に一定の制約が生じる場合がある。

(文部科学省「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」および中央教育審議会初等中等教育分科会「小・中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会」(第8回)配布資料を参考にして作成)

取り組みの必要性 

子供たちにとってより良い教育環境を実現するため

小中学校では、子供たちが知識や技能を習得するだけでなく、集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて思考力や表現力、判断力、問題を解決する能力などを育み、社会性や規範意識を身につけることが重要です。そうした教育を行うためには、一定の学校規模を確保することが望ましいと考えています。

具体的な取り組み 

小規模校対策

小規模校対策については、「校区変更・希望選択制」、「学校統合」、「小中一貫の義務教育学校への移行」を検討します。どの取り組みが望ましいかということを考えるにあたっては、適当な通学距離や通学路の安全性、教室等の学校施設といった必要な教育環境が確保できるかということを踏まえ、いずれの取り組みも実施が難しい場合は、「合同授業等の学校間交流」を検討します。

校区変更・希望選択制

隣接校との校区を変更し小規模校の校区を広げることで一定の児童生徒数を確保する取り組みです。隣接校が適正規模校又は大規模校である場合に検討します。なお、校区変更が難しい場合は、希望により児童生徒が校区外からでも小規模校へ通学することができる希望選択制を検討します。

学校統合

複数の学校をいずれかの学校へ統合することで一定の児童生徒数を確保する取り組みです。隣接校が適正規模校又は小規模校である場合に検討します。

小中一貫の義務教育学校への移行

小中一貫の義務教育学校(※)へ移行することで一定の児童生徒数を確保することができる取り組みです。小学校とその進学先の中学校の校区が同一であり、いずれかの学校の敷地を活用できる場合に検討します。
(※)義務教育学校とは、一人の校長の下、前期課程(小学校)から後期課程(中学校)までの9年間の学校教育目標を設定し、系統性を確保した教育課程のもとで子供たちが学ぶ学校のことです。

合同授業等の学校間交流

上記の取り組みがいずれも難しい場合は、他の学校とICTを活用して合同授業を実施するなど、集団での学びの機会の確保に努めます。

大規模校対策

大規模校対策については、適当な通学距離や通学路の安全性、教室等の学校施設といった必要な教育環境が確保できるかということを踏まえた上で、校区変更や希望選択制を検討します。

校区変更・希望選択制

隣接校との校区を変更し大規模校の校区を狭めることで適正な学校規模に近づける取り組みです。隣接校が適正規模校又は小規模校である場合に検討します。なお、校区変更が難しい場合は、大規模校の児童生徒が希望により隣接校へ通学することができる希望選択制を検討します。

施設の整備・増築等

校区変更や希望選択制を実施することが難しく、学校の過密化の解消が必要な場合には、教室等の施設の改修や校舎の増築等により、施設の確保に努めます。

学校が適正規模になることで期待される効果 

学校が適正規模になることで、子供たちにとって以下のような効果があるとされています。

  • 良い意味での競い合いが生まれる、向上心が高まる。
  • 以前よりもたくましくなる、教師に対する依存心が減る。
  • 社会性やコミュニケーション能力が高まる。
  • 切磋琢磨する環境の中で学力や学習意欲が向上する。
  • 友人が増える、男女比の偏りが少なくなる。
  • 多様な意見に触れる機会が増える。
  • 異学年交流が増える、集団遊びが成立するようになる、休憩時間や放課後での外遊びが増える。
  • 学校が楽しいと答える子供が増える。
  • 進学に伴うギャップが緩和される。
  • 多様な進路が意識されるようになる。

(文部科学省「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」を参考にして作成)

取り組みを進めるにあたって 

子供たちのために保護者や地域の皆様と一緒に考えていきます
学校は子供たちの教育のための施設であるとともに地域の防災や交流の場など様々な役割を担っています。そのため、保護者や地域にお住まいの方々と学校の現状や課題をよく共有した上で、どのような取り組みが望ましいかご意見を伺い、理解をいただきながら、子供たちにとってより良い教育環境の実現に向けて一緒に考えていきます。

お問い合わせ先

教育委員会事務局学校支援部学校環境整備課